ロードタイヤの定番中の定番とまでいわれたPRO3の後継として華々しくデビューしたPRO4ですが、ケーシングが150TPIの”Comp Service Course”と”Comp Limited Service Course”の国内入荷が遅れに遅れている間に、MICHELINはこの2モデルのケーシングを”Service Course”と同様の110TPIに仕様変更をすると発表しました。
ケーシングとはタイヤの骨組みとなる繊維層で、耐パンク性能や乗り心地を大きく左右する重要な部分です。空気を入れている器と言えばわかりやすいでしょうか? ケーシングの素材にはナイロン、コットン(綿)、セタ(絹)などがありますが、現在の主流はナイロンです。ケーシングの糸密度を表わす数値としてTPI(スレッド パーインチ=1インチあたりの糸数)が挙げられ、この数字が大きいとしなやかさに優れた高性能のタイヤだと言われてきました。確かに、ケーシングにトレッドを乗せただけの単純なつくりではTPIがしなやかさを表わすのですが、現在はタイヤ構造が複雑になっており、TPI値だけでは性能を判断できないことは確かです。
高いケーシングを売りにしているのはVittoriaでしょう。OPEN コルサは何と320TPIという高いケーシングになっているのです。DIAMANTEで220TPI、RUBINO PRO でも150TPIという高目のケーシングを採用しているのです。当然のことながらVittoriaのタイヤは推奨空気圧も7BAR-10BARと高目の設定になっているのです。MICHELINのタイヤがどれも6BAR-8BARということを考えると、この空気圧は相当に高いと思います。
ロードバイクに乗り始めてから、タイヤはずっとMICHELINを使って来ました。バイクがアルミということもあり、空気圧はできるだけ低く抑え、乗り心地を重視してきたためです。チューブもMICHELINのラテックスが欠かせなくなっています。
ところがCAAD10をフレーム組した際にタイヤをPRO4にしたところ、走行距離1000km足らずで見事にサイドカットという悲惨な結果になってしまいました。MICHELINタイヤの耐久性のなさはある程度覚悟はしていましたが、ケーシングが110TPIになり、耐久性もUPしたと聞いていただけにショックでした。
確かに接地面のゴム質が変わりPRO3のように簡単に傷や亀裂が入ることはなくなったようですが、サイドウォールがかなり薄くなっているので、リム打ちやサイドカットはPRO3以上に多くなる可能性があります。路面抵抗が少なくグリップも乗り心地も抜群なだけに、このサイドウォールの脆弱性は残念で仕方がありません。
PRO4のサイドカットでロングライド用にVittoriaのRUBINO PROをwiggleで購入。1本2000円を切る価格でケーシングは150TPI。チューブはMICHELINのラテックスをそのまま使い、空気圧は最低の7BARでもPRO4と比べると乗り心地はかなり硬く感じてしまいます。ただ、1000km以上を走ってもタイヤに傷ひとつ付いていないので耐久性はかなりあると感じているところです。
PRO4の”Service Course”がこの状況なのに、さらに軽量な”Comp Service Course”(180g)と”Comp Limited Service Course”(165g)が同じケーシングになるとすると耐久性はいったいどうなってしまうのでしょう?
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