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MAVIC

2012-11-17 12:18:06 | 自転車用品

 ツール・ド・フランスなどのMAVICカーでお馴染みのMAVICですが、これがManufacture d'Articles Velocipediques Idoux et Chanelの頭文字だということをご存知でしょうか?日本語にするとイドゥーとシャネルの自転車部品製作所ということになります。Mavic_logo

 1889年にシャルル・イドゥーとルシアン・シャネルが共同でフランスのリヨンに設立した自転車パーツ製作会社がMAVICなのです。そしてMAVICの名を一躍有名にしたのが世界初のアルミ合金製のリムだった訳です。
 今でこそより軽量なカーボンリムも普及し始めていますが、1926年にMAVICがアルミリムを発表するまでは、リムはスチールが定番だった訳です。そして5年後の1931年にはツール・ド・フランスでもアルミリム・ホイールがデビューすることになりました。
Mavic_car01
 これまで細々とマットガードなどの自転車パーツを作っていたMAVICですが、この成功でリム専用メーカーとしての大道を歩み始めることになります。その後、MAVICはリヨンの実業家アンリ・ゴルマンを社長に迎え、順調に成長して行きます。1966年には息子のブルーノ・ゴルマンが社長に就任し、リヨン近郊のサントリヴィエールに工場を建設しMAVIC SA(MAVIC株式会社)となるのです。
 このブルーノ・ゴルマンは無類のレース好きで、自らサポートカーのハンドルを握り、ツール・ド・フランスを追いかけ、自分の工場をツール・ド・フランスのスタート地点に誘致したといわれています。こうしてMAVICは1973年からツール・ド・フランスやパリ-ルーベ、リエージュ-バスト-リエージュといったメジャーなレースのニュートラルアシスタンスという重要な地位を手に入れることになるのです。以後、1年も途切れることなくお馴染みの黄色いマヴィックカーが走り続けているのです。Sup
 フレームがクロモリだった時代にホイールのリムをアルミにするというは容易なことではなかったと推測します。慣性モーメントに最も影響を及ぼすホイールの外周部が軽量化できるとなると、走りは劇的に変わるのですが、ホイールバランスや耐久性などの問題も山積していたはずです。それでも、軽量なMAVICのアルミリムはグランツールの山岳ステージで数々の勝利を積み重ねて行くのです。
Ub_cont
 そして、1991年にはホイールの重量バランスの問題をクリアした、アルミリムを溶接でつなぐSUPという技法を開発し、リムのさらなる軽量化に成功。1993年には、リムサイドをダイヤモンドで削り、安定したブレーキングを約束するUBコントロールという技術を導入。そして、リムのエグザリット加工へとMAVICの進化は今も続いているのです。Exalite

 エグザリットとは、リムのブレーキ面の部分に独自のヤスリ目のような加工を施し、専用のブレーキシューと組み合わせることで、ブレーキ性能を飛躍的に向上される技術のこと。このエグザリット処理は、単なる表面加工に留まらず、リムとしての剛性アップにも貢献しているとも云われるMAVICの最新テクノロジーです。
Exalite_01
 MAVICのエグザリットといえば、強烈なブレーキ鳴きが唯一の欠点でしたが、エグザリット2ではブレーキシューが改良され、ブレーキ鳴きの問題も解決しそうな気配です。
 MAVICで忘れてはいけないのが、コンプリートホイール(完組みホイール)です。コンプリートホイールという概念はMAVICが生み出したものではありませんが、従来のコンプリートホイールは、従来と同じシステムのハブとスポークを単に組み合わせただけのもので、基本的にはノーマルホイールと変わる部分がありませんでした。Mavic_cosmic2011

 ところが1994年に発表された初代COSMICは、専用設計のハブにそれに組み合わせるストレートプルスポークを採用した画期的なものでした。それまでの引っ掛け式スポークは首の部分が破断に弱いという構造的な弱点を持っていたのですが、それをストレート形状とすることによって見事に解決してしまったのです。結果としてより高いスポークテンションでホイールを組むことができ、前後共16本という少ないスポーク数でも十分に剛性のあるホイールを可能にしたのです。
Mavic_kyslium_2012
 そして1999年にMAVICはコンプリートホイールの金字塔ともいうべきKSYRIUMを発表するのです。何故、KSYRIUMがコンプリートホイールの金字塔かというと、ステンレス製で重たいスポークをアルミにすることを可能にしたためです。多大な荷重と慣性モーメントを支えるスポークはアルミ化は無理と考えるのは当然の成り行きでしたが、MAVICはリムまでトータルに設計して、スポークのアルミ化を成功させたのです。リム側に高熱のビットで穴を開け、そこにネジを切るFORE テクノロジーがそれです。Fore_tec

 このFORE テクノロジーによって、7075アルミ製の太いジクラルスポークを受け止めることができるようになりました。その結果、軽くて剛性の高いホイールが実現したのです。また、KSYRIUMが凄いのは、この太いジクラルスポークのエアロ効果の高さです。太いアルミ製のスポークはエアロ形状にするのに最適で、「軽量ホイールにエアロ効果は期待できない」という常識を根底から覆してしまったのです。
Zicral
 後にMAVICはKsyrium EliteやEqipeという廉価版ホールも発売していますが、ジクラルスポークは採用されていませんので注意が必要です。

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