ロードバイク乗りにとって最大の壁は間違いなく空気抵抗でしょう。個人的には平坦での空気抵抗よりも上り坂での重力方がよりキツク感じるのですが、一般的にはロードバイクの全抵抗の80%を占めるのが空気抵抗だといわれているのです。
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にも関わらず、私はロードバイクの空気抵抗について深く考えて来ませんでした。これまで、ロードバイクを科学する観点から、ホイールの空気抵抗については考えたことはありましたが、フレーム自体の空気抵抗はライダーのそれと比べたら微々たるものだと考えていたからです。従って、バイクもホイールも軽さと価格を基準に選んで来たのですが、昨年秋に第4世代のSupersix EVOを購入し、これまで見向きもしなかったカーボンディープリムホイールまで揃えてしまうと、自分の選択を正当化したくなり、ロードバイクの空気抵抗について改めて考えてみることにしました。幸か不幸か今年2月に右足の脛骨を骨折してしまい、何かを考える時間だけは十分過ぎるほどあるので…
ロードバイクの抵抗は ①空気抵抗 ②路面抵抗 ③摩擦抵抗 ④重力抵抗の4つです。重力抵抗は登り坂では空気抵抗を大きく上回ることが多くなるので、改めて考えることにします。
ここでは比較的平坦な道を走ることを前提に考えることにしました。科学的に考える場合、ロードバイクに限らずその前提(条件)が変わると結果も大きく変わってしまいます。従って、物事を比較する時にはその前提条件をできるだけ同じにしておく必要があるのは自明のことだと思います。
平坦路をロードバイクで走ると良く分かるのですが、上り坂と同じくらいしんどく感じるのが強い向かい風です。個人的には風速が6mを越えるような日は外を走るのをためらってしまいます。逆に風速が3m程度ならほとんど苦にならないのがロードバイクという乗り物の特性だといえるでしょう。
ここでは、風速はゼロ(無風)を前提にします。一口に空気抵抗といっても。その発生原因の違いから「圧力抵抗」と「表面摩擦抵抗」に分けられます。「圧力抵抗」は物体が空気を切り裂いて進むときに、物体の前方には空気の層が積み重なり、圧力の強い分部ができ、その通り道は空気が薄くなって、逆に圧力が低くなり、物体の圧力は低い方へ引っ張られることになります。ロードバイクの場合、走行時、背中の後ろにこの圧力の低い分部ができ、この負のエリアに引っ張られ続けることになるのです。これは圧力差によって生じる抵抗なので「圧力抵抗」と呼ばれています。空気抵抗というと前面にばかり意識が行きがちですが、実はこの後方に生じる「圧力抵抗」こそがメインになるのです。一方の「表面摩擦抵抗」は、物体の表面が空気と接するときに発生する抵抗です。これは空気による「摩擦抵抗」ともいえるでしょう。
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