木には木表と木裏があります。
木表と木裏について書いてみようと思います。
板状に加工された木のうち、 もともと樹皮に近かった
外側を「木表」、樹芯に近かつた内側を「木裏」と呼びます。
木表は白太側で木裏は赤身側。木表のほうが収縮が
大きくなります。
表と裏には使い分けがあって、基本的にカラダが
触れる面に使うのが木表です。
木にはモトもあるしスエもあります。
木の使い方には、表裏だけでなく元末もあります。
山に生えている木を切つて丸太にしたとき、もともと根元だった方を『元』
上に近かった方を「末」と呼びます。
柱として使う場合昔の大工さんなら必ず元を下に、末を上にして使ったものです。
山に生えてるときと同じように建てるのが基本です。
また、木表にカンナをかけると、カンナのノリがよく
仕上がりもツルツルになります。
逆に木裏はなんとなくざらついた仕上がりに。
そこには、本の繊維の方向が強く関係しています。
繊維がどちらを向いているかによって、木表・木裏で表面の状態が変わってくるのです。
ちなみに肌触りのよい木表は、耐久性の面でも木裏より長持ちします。
木にはオモテとウラで使い分けがあると述べましたが、たとえば「鴨居」と「敷居」はその代表例です。
引戸などの上につける鴨居は木表を下側にして、下につける敷居は木表を上側
にして取り付けます。
木は木表側に反ってくるため、それを押さえつけるように釘で留めておかないと、次第に引戸の開け閉めがスムーズにできなくなるからです。間違えて表裏を逆につけてしまうと鴨居も敷居も内側に膨らんで、最悪の場合、戸が開かなくなることも。
ところが、最近の若い大工さんは木の表裏をあまり気にしなくなりました。
木の反りは木の内部にある水分が抜けていく過程で起こる現象ですが、現在流通している木は事前にしっかり乾燥された
ものがほとんどなので、表裏を間違えてもさほど大きな問題にはならなくなったからです。
フローリングの場合も同様です。
このところ中国から輸入される広葉樹のフローリングは、最初から表裏関係なく加工されているも
のが珍しくありません。
昔の大工さんが聞いたらあきれ返る話ですが、あらかじめきちんと乾燥してあるから関係ないと開き直られると、返す言葉も見つかりません。
そうはいっても、カンナを掛けてみると表と裏の違いは如実に
現れます。
木表側を削るときれいにツルツルに仕上がるのです。
「だったらやはり木の表裏は重要なのでは?」と思いたいところで
すが、最後にカンナを掛けてきれいに仕上げるような部屋がこの
ところの住宅からは姿を消しつつあります。
木造とはいえ最近では柱に耐火ボード貼りクロスを貼る(大壁)・建具は新建材の建具を使い柱や敷居・鴨居などほとんど木の見えない家が増えてきて本格的な和室の消滅とともに、大工さんの腕の見せ場も木の表裏を見る習慣も技術も次第になくなりつつあります。
木を見る目は、もはや時代遅れの知恵になりつつあるのが寂しい話ではありますね。
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