ガイドをしてて

旭岳の紅葉も終わりに近づき、夏場の中心的な仕事だった
ガイド業務も一息ついてきました。
今年もガイドをしていて色んな人・色んな自然に出会える事が出来たなぁと思います。

自然を楽しむ、自然の中で良い時間を過ごすにはどうするのが良いだろう？
ガイドに行く前はよく考えていました。
だって天気が良い日もあれば、雨で寒くて外にいたくない日もありますから。

でも・・・天気が良い日は天気が良い日だからみえるもの、
天気の悪い日は天気が悪い日だからみえるものを、
楽しんでもらえるようにガイドしていきたいなと考え、
成功失敗は別にしても何やらかにやら試しながら夏を過ごしてたなぁと思います。


少し前に目が不自由だという方をご案内しました。
視野が大幅に狭いので、横や足元はおろか正面以外はほぼみえず、
白内障も患っているのでコントラストが分かりにくいが、
大雪山の紅葉をみてみたいということでガイドのご依頼を頂きました。
色が分かりにくいけど、紅葉の色合いをとても楽しみにしている・・・
緑の中に映える赤や黄色の色合い、紅葉のきれいなポイントを
どのように表現すれば伝えられるのか！？

しかし、そんな不安も最初だけ。
その方は、写真を撮るときも、景色をみるときも、
とても集中してとても大事に目を向けて眺めているのです。

こんなに大事に自然をみる人はいないってくらい。
自然を味わうという表現そのものくらいに。

これほど大事に自然を味わってもらえていると、後のガイドの仕事は
その空気を邪魔しない事とあとは多少のスパイスを加えることくらいでしょうか。
そのスパイスは知識だったり、聴こえる音や自然の匂いだったりと様々ですが。


おそらくわずかにみえるであろう光の中に広がる紅葉黄葉の景色を、
慈しむように大事に大事に写真や目に焼き付けている姿・・・
その姿がとても印象的でした。
「はたして自分はこれほど大事にモノをみているのか？」
じーん・・・・と心に響くものがあり、みるという行為を考えさせられました。
その目にはぼくの見ることができない景色がひろがっているんだろうなぁ・・・と


何だかとってもいい時間をいただいた気持ちでした


ガイドをしていて、自然の中で過ごしていて、教わることってすごく多い。
それは「自然」からだったり、「人」からだったり、色々です。
でもその気づきの種にはやはり自然があり、いい時間の中にはやはり人がいる。
そんな気がします。


さわべ