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【霊告月記】第二十回 村上春樹から、大江健三郎へ

2017年06月01日 10時00分00秒 | 霊告月記16~20

【霊告月記】第二十回   村上春樹から、大江健三郎へ

村上春樹の『騎士団長殺し』を読んだ後、それと同じくらいに、できればそれ以上に面白い小説はないものだろうかと思っていたところ、加藤典洋氏が大江健三郎の『水死事件』をツイッターで絶賛しているのを見つけて読んだのだが、圧倒的に読み応えのある小説であった。

そこで次に読んだ『取り替え子』は大傑作だった。驚愕した。更に『M/Tと森のフシギな物語』、次に『懐かしい年への手紙』を読み、そして更に・・・以下、略。現時点で八冊読了。

そんなわけでいま私は大江健三郎の小説を読み耽っている。参考までに加藤典洋氏のツイッター記事を紹介しておきます。

=====  加藤典洋‏ @ten_kato   4月6日のツイート =======

今日発売の『すばる』に「『水死』のほうへ——大江健三郎と沖縄」と題する大江論を書きました。大江は二〇〇五年に沖縄集団自決(強制死)をめぐって稲田朋美を含む右翼の弁護団らから名誉毀損で訴えられます。二〇〇九年発表の『水死』はその彼らへの意想外な応答であり、反撃でした。

2(承前)そのことが、この作品を沖縄集団強制死裁判とのつながりで読み解くことでわかると論じています。今話題の村上春樹の新刊『騎士団長殺し』もこれと並べて読むと、何が村上作品に足りないのかがよくわかります。それは大江にとって現実からの擦過傷を生じるフィクションの「戦い」でした。

3(承前)大江のこの作品は傑作。それが企てた試みの大きさに比してこれまで正当に評価されてきたとはいえません。時代が大江のこの作品に追いついていなかったからです。私にいまこのような受けとり方を促したのも二〇一一年以後、とりわけ現在の安倍政権下の日本社会における「しずけさ」です。

4(承前)大江が晩年、いかに新しい展開を見せる小説家へと進化していたか。その「踏みだし」の意味をこの『水死』論でようやく明らかにできたと思っています。なお、この論のほか、シン・ゴジラ論などを収めた『敗者の想像力』という本を5月に『敗者の想像力』と題して公刊します(集英社新書)。

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】大江健三郎の霊告【 おれはおれの過去のハピイ・デイズに向ってまっしぐらに遡行し、その過去の細部のある一点を、はっきりとうかびあがらせるために必要なら、現実の自分をどのようにも恣意的に改変するつもりだからね。 (大江健三郎『みずからわが涙をぬぐいたまう日』1972年)
 

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【霊告月記】第十九回 村上春樹は『騎士団長殺し』第三部を書くだろうか?

2017年05月01日 10時00分00秒 | 霊告月記16~20

【霊告月記】第十九回 村上春樹は『騎士団長殺し』第三部を書くだろうか?


今月の霊告月記は『騎士団長殺し』についての連続ツイートを掲載します。


2017年04月10日(月) 


村上春樹の新作『騎士団長殺し』を読み始めたところだ。いままでの作品にくらべて格段におもしろい。文章もより平明で奥行きが深くなっている。もちろん村上節も健在だ。例えば、こんなふうに⇒

例文:「人には聞かなくていた方がいいこともあるのだろう。しかし人は永遠にそれを聞かないままでいることはできない。時が来れば、たとえしっかり両方の耳を塞いでいたところで、音は空気を震わせて人の心に食い込んでくる。それを防ぐことはできない。もしそれが嫌なら真空の世界に行くしかない」。

ふと思った。まだ全体を読み終えてない段階で言うのは何なのだが、もしかしたら、この引用文には『騎士団長殺し』という作品を解くカギが秘められている。その直感の根拠を述べるなら、作家はこの断章を通して我々にある決断を迫っている、そういう響きが感じられる。作家が読者に宣戦布告をしている。


2017年04月11日(火) 


『騎士団長殺し』より引用→「ぼくが馬鹿げたことをしなくても、現実というのはそれ自体でじゅうぶんたがをはずしているみたいに見える。だから自分一人くらいはできるだけまともに振る舞っていたいと思うんだよ」←『不思議の国のアリス』の中での主人公アリスの発言としても通用する。春樹=アリス?

更に引用⇒「実際に私のまわりを取り囲んでいるのは、たがのはずれまくった現実なのだ。私までたがをはずしたら、それこそ収拾がつかなくなってしまう」←森友学園問題でゆれる日本。このたがのはずれまくった日本で、アリスのように生きることは可能か? そう村上春樹は問いかけているように思える。

小説は現実よりも面白い。そして小説は事実よりも貴重である。そのことを証明したのが村上春樹の『騎士団長殺し』という作品である。籠池前理事長、聞いてる?

2017年04月12日(水) 


『騎士団長殺し』を読了。完璧な作品だ。騎士団長をして、村上春樹のこの小説を語らしむれば、おそらくこうなる。⇒

騎士団長「彼は自ら血を流し、肉を削るようにしてこの小説を書いたんだ。おそらく一生に一度しか書けない種類の小説だ。これは彼が自分自身のために、そしてまたもうこの世界にはいない人々のために書いた小説であり、言うなれば鎮魂のための小説なんだ。流されてきた多くの血を浄めるための小説だ」

ただしこれは騎士団長が下すであろう『騎士団長殺し』という作品に対する評価であって、私の評価ではあらない。私自身の評価は現時点で保留する。時間を味方につけるまでは。


2017年04月15日(土) 

村上春樹は『騎士団長殺し』第三部を書くだろうか? 実は第三部への伏線はしっかり張られている。試練の旅に出た主人公は川の渡し場で顔のない男に会う。舟に乗る条件として男は代価を要求した。主人公は顔のない男の似顔絵を提案するが紙がないことを理由に却下。代わりに少女のお守りを譲渡した。

顔のない男は言う「いつかおまえにわたしの肖像を描いてもらうかもしれない。もしそれができたなら、ペンギンの人形はそのときに返してあげよう」と。第二部で物語は完結したかに見える。第一部プロローグに出てくるのがこの顔のない男なのである。男は似顔絵を要求する。続編への伏線は貼られていた!


伏線が貼られているからといって実際に第三部が書かれるかどうかは作家の意志の自由に属するもんだいである。第三部を書くかそれとも新作に挑むか。それは偶然性と必然性と状況の推移次第でどちらに転ぶ可能性もある。村上春樹が第三部を書かず、続編は読者の自由な空想に委ねる可能性も大いにあるのだ。

  ※参考※⇒ 【創作】『カラマーゾフの兄弟』続編


】 霊告 【 かごめかごめ  籠(『騎士団長殺し』)の中の鳥(第三部)は  いついつ出やる  夜明けの晩(2017/2/25)に  鶴と亀が滑った(第一部と第二部発刊)  後ろの正面だあれ?


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【霊告月記】第十八回 森友学園問題のオカルト的考察

2017年04月01日 10時00分00秒 | 霊告月記16~20

【霊告月記】第十八回 森友学園問題のオカルト的考察

「かごめかごめ」ではじまるわらべ歌は誰もが知っている。だがこのわらべ歌に今回の森友学園問題の顛末(てんまつ)が予言されていたのをあなたはご存知だろうか? その解釈とはかくの如きものである

 かごめかごめ
 籠(籠池理事長)の中の鳥(日本会議)は
 いついつ出やる

 夜明け(証人喚問)の晩に
 鶴(安倍首相)と亀(松井知事)が滑った
 後ろの正面だあれ

後ろの正面に立っているのが誰かはすぐ察しがつく。森友学園問題が勃発して以来、八面六臂の活躍を続ける名著『日本会議の研究』の著者菅野完氏であろうことはまちがいない。

   菅野完氏   著書『日本会議の研究』

さてさて、森友学園問題で天下騒然の状況だが、今日は4月1日。そこでエイプリフールにふさわしい動画を編集してみた。籠池夫妻も安倍夫妻もそして皆さまも、しばしごゆるりと仲良くご鑑賞のほどを。ご清聴ありがとうございました。


※追記※森友学園問題に関してはツイッターでも発信しています。目新しい資料を多数用意しました。ご参照下さい。 ⇒https://twitter.com/romanticism2010

 ★英国BBCがケリー氏インタビュー中にお子様2名「乱入」 

★そしてパロディが作られた



★もはや天下無敵のロバート・ケリー一家


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【霊告月記】第十七回 法廷ドラマに血が騒ぐ

2017年03月01日 10時00分00秒 | 霊告月記16~20

【霊告月記】第十七回 法廷ドラマに血が騒ぐ

 法廷物の映画が好きで良く見ている。最近見た中で面白かったのは周防正行監督の「それでもボクはやってない」。日本の刑事裁判の実情をリアルに描いて司法関係者にも絶賛された問題作。

アメリカの法廷ドラマには傑作が多い。これはアメリカの裁判が陪審員による裁定が行われることと関係がある。陪審員は法律のいわば素人。この素人に対して法律家が弁論を行うわけだから、それをドラマに仕組んだ場合は非常に分かりやすくなる。弁護士は陪審員の理性と感情の両方に訴えなければ望む判決は得られない。だから法廷ドラマは映画の観客にも興味深くなる必然性があるわけだ。「評決」「エリン・ブロコビッチ」「ニューオーリンズ・トライアル」「訴訟」と立て続けに見たが、すべて非常に面白かった。

書籍では『司法記者』が実に傑作。元特捜検事の郷原信朗が書いた小説。検事のみならず司法記者の在り方に対しても根源的な問題提起がなされている。惹きつけられて一晩で読み切った。『司法記者』がドラマ化されるにあたっての田原総一朗と郷原信朗の対談はWEBで公開されている。特捜検察の問題点に関してはっきりとした視点を獲得できるので必見!⇒http://st.wowow.co.jp/detail/3909.html

『絶望の裁判所』『刑事裁判の心』『小説で読む民事裁判』などが最近興味深く読んだ書物。ちなみに、伊藤真『刑事訴訟法入門』と『民事訴訟法入門』は、4、5回は読んだだろうか、私のひそかな愛読書である。

★ 】霊告【 時には鳥の気持ちにになって世界を眺めて見よう。

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【霊告月記】第十六回 木村拓哉主演ドラマ『A LIFE~愛しき人~』

2017年02月01日 10時00分00秒 | 霊告月記16~20

【霊告月記】第十六回  木村拓哉主演ドラマ『A LIFE~愛しき人~』

 ある日、こんな広告が新聞に載る。

メールはやがて消える。
だが、精魂込めて書いた手紙は永遠に残る。
あなたも永遠に触れてみませんか?
              郵政省

おっと、郵政省なんてものはもうないんだっけ。だったらここは郵政省じゃなくて郵便局か。郵政民営化したんだから、民営の郵便局が広告をだすこともありうるわけだ。

ま、そんなことはどうでもいいのだが、このブログの運命みたいなことを考えたので、こんな広告の文面が頭に浮かんだのです。ぼくの生涯を賭けたに等しいこれらのブログの記事だが、メール同様にやがて消えてしまうのか。そう考えると儚い。

けれどこのブログの記事はその多くが雑誌に掲載されたものの再掲なので、それらは確実に残る。特に連句同人誌『れぎおん』に掲載されたものは、国立国会図書館に創刊号から終刊までのぜんぶが保存されているので、ほぼ永久に残る。

国立国会図書館に寄ることがあったら、「連句同人誌れぎおん」で検索して見てみて下さい。お願い方々のお知らせでした。

閑話休題:TBS日曜午後9時台放送の木村拓哉主演ドラマ『A LIFE~愛しき人~』が面白い。SMAPの解散劇では裏切り者の烙印を押されて人気が低迷している木村拓哉であるが、今回主役を張ったドラマにおいてはその演技力・存在感は圧倒的であり、役者として第一人者の評価は揺るがぬであろう。今後の展開が楽しみなドラマである。

★もしかして、この音楽は天国の振動なのか、それとも宇宙の騒擾なのか?

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