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【霊告月記】第十回 友だちだった彼=【カストロ】チェ・ゲバラの魅力を語る

2016年08月01日 10時00分00秒 | 霊告月記6~10
【霊告月記】第十回 友だちだった彼=【カストロ】チェ・ゲバラの魅力を語る

Bob Dylan - He Was a Friend of Mine 


私の部屋にはチェ・ゲバラのポスターが貼ってある。ゲバラは私の唯一尊敬する人物である。 

 
かってチェ・ゲバラについてのエッセーを書いたことがある。その中で私は、次のように述べた。
 
ー 革命家としてではなく、聖者として、ラテンアメリカ統合の象徴として、ゲバラの存在感はあるのではないか。

ー ひとりの聖者が出てラテンアメリカ統合の夢を告げたのだ。

この考えは今でも変わっていない。私のこの直観を裏付けるような資料が見つかったので引用する。カストロのチェ・ゲバラの魅力を語る演説である。


【カストロ】チェ・ゲバラの魅力を語る【parte1】

 【カストロ】チェ・ゲバラの魅力を語るparte2【+名言集】


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【霊告月記】第九回 アルチュール・ランボー論への補足

2016年07月01日 10時00分00秒 | 霊告月記6~10

【霊告月記】第九回 アルチュール・ランボー論への補足

アルチュール・ランボー論への補足として、ミクシーの日記でNさん(仮名)と行った対話の記録を転載させて頂きます。ランボーこそは我が青春の最大のアイドルでした。そして今もなお。

              ★

ミクシーの日記より  2010年05月24日01:23

「好日33 札幌からの遠望」
http://blog.goo.ne.jp/dan5dan5/e/4051ceb0540d929b941c6cec4263d781

ならびに「伝説の午後・いつか見たランボー」を、ブログに掲載しました。 ⇒【改訂版】http://blog.goo.ne.jp/dan5dan5/e/8d3d6bbe643bce7ff5516a35221df0a1

両者は姉妹作のようなものです。


あ、そうそう、札幌の長期出張(約2ヶ月半)から、無事帰還しました。
みなさん、おひさしぶりです。

             ★

Nさんのコメント  

橋川コミュよりお邪魔いたします。
おいそれと感想を書くことが憚られる、モノすごい文章を読ませていただきました。いや、本当に剥き出しとなった巨大なモノ自体が顔面にぬっと突きかかってくるような感触でした。
例えばシュルレアリスムにしても、通常は現実から遊離した空想的な超現実のように誤解されているけれども、本来は、剥き出しの現実を直覚する・そこに抜き身で直接的に再帰していくことですね。無意識というものも意識の奥底に沈殿しているのではなくて、実際は現実に直に接しているゾーンであり、僕らはそれを言語をクッションにして意識しようとしない。しかし―「生活幻想」―社会関係を織り込んでいる点で、これはより強烈無比な概念かもしれない。幻想を忌避しないどころか、それが生活(現実)と直に重なる。そして/だからこそ「文学」が必要である。この「文学」への意思はだが青春の一頁ではなくて、まさにそこからいまここへつながり息づき続けている、ダンボールさんの現在の文章にそれを感じます。
感動しました。

             ★
 
Nさんへの返信

Nさん。作家冥利に尽きるような貴重なコメントを寄せて頂きました。心から感謝致します。

人間が表現を試みる時、その作品を成り立たせるのは実はその書き手に備わった致命的なバグ(弱点のようなもの)であって、そのバグを覆い隠すあるいは同じことだが隠蔽することによって、表現はある体系的なまとまりを持つのである、というような理論をどこかで読んだことがあります。

私のランボー論に即して言えば、Nさんのアンテナに引っかかった「生活幻想」という一語が、そのバグに相当するのだと気づきます。燃えやすい気体である水素と酸素が化学反応を起こして燃えにくい水になる。同じように「生活」と「幻想」、本来相反する概念であるべきものを私は強引にくっつけてひとつの概念として差し出しましたた。

そのことがその後の私の人生を狂わせるバグとして今も生き続けているのかもしれない。こういう絶望とも希望ともいえない自らの宿命を悟るかのごとき境地へとNさんの文章は私を誘ったのでした。

自分を識るというのは難しいことです。しかしNさんの鋭利な眼に映った私の映像が、私の過去と現在を繋ぐものは何かをくっきりと浮かび上がらせてくれたように思います。その現実は直視しなければならない。

Nさん、ありがとうございました。
  
             ★

Nさんよりの返信

ご返事ありがとうございます。

バグとは言い得て妙ですね。たしかに生活世界のみにおいて見るなら弱点。しかし生活と幻想、現実と真実が重なり爆発するという秘密は危険でもある。ひとを砂漠へ、他者へ改変させてしまう破壊と革命への扉でもある。生活と幻想を分離することで人間を管理するシステムにとってもそれはバグに他ならない。文学が生きるかどうかはバグがあるかどうか、ということでしょうか。
いずれにせよ、簡単には汲み尽くせない猛烈な問題提起ですね、ダンボールさんの文学は。

また落ち着かれましたら橋川コミュでもご教導ください。ルソーのお話なども楽しみにしております。

Aimee Mann - Save Me music video - Directed by: Paul Thomas Anderson □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

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【霊告月記】第八回  オウム真理教とトランプ旋風

2016年06月01日 10時00分00秒 | 霊告月記6~10

【霊告月記】第八回  オウム真理教とトランプ旋風

霊告月記】第三回のまえがきでも詳しく書いたことだが新しい作品の発表はオリンピック明けを予定している。それまでの期間はインプットに専念しようと思っている。しかし【霊告月記】は毎月更新することを決めているのでなんらかのアウトプットは続けなければならない。そこで今回は現時点に於いて心掛けている私なりのインプットの工夫について述べてみたい。

ある著者の著書を読もうとする時、私は必ずユーチューブやグーグルビデオのサイトで検索し、著者の肉声を聴くことにしている。その著者の思考のリズムや意識の流れの状態は肉声によって確かめることができる。まずその著者の声を自分の身体の中にに取り込む、その上で文章を読む、そうすると活字でしかない書物が肉声となって浮き上がってくる。インプットの技法としてこうしたやりかたはとても効果的だと私は考えている。

次の問題として、さてどんな本を読んだらいいかだが、既にさまざまなテーマについて私は論じてきている。その論じた題材について拡張というか、より深めていくような読書が効果的であろう。もともと関心があるテーマで基礎知識がある領域ならばその読書は理解が速やかに進む。知の拡大が見込めるのである。

ひとつ例を挙げる。三島由紀夫と連合赤軍について論じた際に私はオウムとの対比を行った。オウムは自分達の救済のために大衆を犠牲にしたが、三島や連合赤軍は信念として大衆の救済を目的として自らを犠牲にしたという判定をした。しかし勿論これでオウムの評価が終わったと考えたわけではない。オウムは70トンのサリンの製造計画を持っていた。このサリン散布計画が完全実施された場合、7億人の死傷者が出ることになる。オウムは巨大な妄想に支えられた宗教集団であって、このオウムの思想的総括は必ず成し遂げなくてはいけないという思いは、未完のプロジェクトとして私にある。

オウム真理教に関する資料は広く漁ったのだが、オウムの批判的総括の書として、いまのところもっとも重要なものは次の二冊である。大田俊寛の『オウム真理教の精神史』と上祐史浩の『オウム事件17年目の告白』。上祐氏のオウム総括に関してはユーチューブで直接肉声で聴くことができる。この対談は非常に参考になる。⇒ 田原総一朗 オフレコ!スペシャル・元オウム真理教 上祐史浩

旬の話題だが、トランプ旋風について。『反知性主義:アメリカが生んだ「熱病」の正体』(新潮選書)を出した森本あんり­教授が、米大統領選の底流にある変化と継続について話した動画を紹介したい。この動画を視聴するとトランプが次期アメリカ大統領に当選する可能性がリアリティを持って実感できる。トランプのような“反知性主義”の持ち主が大統領に就任するのは、ある意味でアメリカの伝統に即した事態であり、なんら驚くべきことではないことがよく了解できるのである。目からうろこの貴重な講演である。


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※当ブログの昨日2016年5月31日までの、トータル訪問者数は87093人、トータル閲覧数は211508でした。多数のご訪問・ご閲覧ありがとうございました。

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【霊告月記】第七回  原爆の加害者としての日本人 村上春樹のカタルーニア国際賞スピーチ

2016年05月01日 10時00分00秒 | 霊告月記6~10

【霊告月記】第七回  原爆の加害者としての日本人    村上春樹のカタルーニア国際賞スピーチ

オバマ大統領の広島訪問の可能性が話題になっています。それに関連して思い出したことがあります。村上春樹が広島の原爆被爆者慰霊碑について実に独創的な解釈を述べているのです。日本人は原爆の被害者であると同時に加害者でもある。さらに日本人は原発の被害者であると同時に加害者でもある。その反省の意味合いを彼は慰霊碑の文言に読み取っているのです。これはおそらく村上春樹だけがなしえた独創的な解釈でしょうがが、その前提になる彼の世界観は貴重であり普遍性を持っています。村上はこんなふうに語ります。


----広島にある原爆死没者慰霊碑にはこのような言葉が刻まれています。


 「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませんから」

 素晴らしい言葉です。我々は被害者であると同時に、加害者でもある。そこにはそういう意味がこめられています。核という圧倒的な力の前では、我々は誰しも被害者であり、また加害者でもあるのです。その力の脅威にさらされているという点においては、我々はすべて被害者でありますし、その力を引き出したという点においては、またその力の行使を防げなかったという点においては、我々はすべて加害者でもあります。

---我々は電力会社を非難し、政府を非難します。それは当然のことであり、必要なことです。しかし同時に、我々は自らをも告発しなくてはなりません。我々は被害者であると同時に、加害者でもあるのです。そのことを厳しく見つめなおさなくてはなりません。そうしないことには、またどこかで同じ失敗が繰り返されるでしょう。

 「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませんから」

 我々はもう一度その言葉を心に刻まなくてはなりません。

        【村上春樹】カタルーニャ国際賞スピーチより
         於: スペイン・バルセロナ 2011年6月9日


村上春樹のカタルーニア国際賞スピーチはインターネット上で公開されています。傾聴するに値する講演です。

【村上春樹】カタルーニャ国際賞スピーチノーカット音源ー1

 【村上春樹】カタルーニャ国際賞スピーチノーカット音源ー2

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【霊告月記】第六回 続・保田興重郎「みやらびあはれ」

2016年04月01日 10時00分00秒 | 霊告月記6~10

【霊告月記】第六回 続・保田興重郎「みやらびあはれ」

 保田興重郎は「みやらびあはれ」で、たとえばどんなことを書いているのか?

ーーー涙川といふのは王朝の女流詩人の教へたことばであった。身体に血のながれるみちがあるように、と私は注釈するが、涙は川をなして体の中を流れてゐると、その女性は歌った。このやうなことを味わった女性達は、どのやうなおそろしい深い体験の持主であったことだろうか、例へ彼女の経験が、多彩で苦難にみちつゝも、すべてみな情事のものであったとしても、それが男子の思ふ一大事と、どこに何の差異があろう。」
(保田興重郎「みやらびあはれ」『日本に祈る』)

では「みやらびあはれ」を書いた保田興重郎とはそもそも何者か? 橋川文三の証言を聞いてみよう。

ーーー日本ロマン派、とくに保田与重郎は、ある時期の一部の青春像にとって、トータルな意味を持った精神的存在であった。そのトータルという意味は、それがその世代のものにとって、自分達の存在様式を保証し、正統化する意味をもったということである。
 一昨年の春、特集「文芸春秋」の一冊として出された「赤紙一枚で」のグラビア・ページの中に、人はその歴然たる証拠の一つを見ることができる。そこには「学徒出陣」の際に東京帝国大学総長内田洋三から贈られた日章旗の写真があるが、その旗に記された幾多の寄書の中に、一きわ鮮かに墨痕をとどめているのは、「尊王攘夷保田与重郎」の文字である。
 (橋川文三『日本浪曼派批判序説』あとがきより)

 尊王攘夷の思想が安政七年(1860年)の桜田門外の変を引き起こした。映画「桜田門外ノ変」は、その大老井伊直弼暗殺事件の現場指揮者であった水戸浪士関鉄之助を主人公とする物語であり、ヒロインいのはその関鉄之助の愛人という設定である。関鉄之助を思ういのの心境がこの映画の主題歌のモチーフとなっている。

さて、保田興重郎の「例へ彼女の経験が、多彩で苦難にみちつゝも、すべてみな情事のものであったとしても、それが男子の思ふ一大事と、どこに何の差異があろう」という言葉が、この映画とその主題歌の正確無比の注釈となっていると感じるのは私だけであろうか?

 alan / 悲しみは雪に眠る

 

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