宝満山研究会(山岳宗教遺跡の保全と研究)

大宰府の北東に聳える宝満山の歴史的価値を掘り起こし、山の保全を考える会です。

本谷礎石群の宝塔跡

2007-12-06 | Weblog

高野山金剛三昧院の多宝塔 承応2(1223)年建立

次回の例会は今週土曜日の12月8日におこないます。
また、夕刻18:00から二日市温泉の「こまつ千寿」にて
懇親忘年会をおこないます。
多くのかたのご参加をお待ちしております。

例会は「最澄遺記の六所宝塔院」と題して
事務局より発表をおこなう予定です。
先に下草刈の作業をした「本谷礎石群」は
まさにその六所宝塔のうちの「安西塔」に擬される遺跡です。
事前の調査では3間四方の礎石の配置が予測され
柱間は240+300+240cmの一辺780cmの規模に想定されます。
心礎があるとの意見もありますが
中心部分には石祠の基礎(動かした転用礎石か)があり
存否は不明な状況です。

上の写真は高野山金剛三昧院の北条政子が発願という
現存する多宝塔の遠景です。
国内でも残されたものとしては滋賀の大津石山寺に次ぐ
最古級のものとされているようです。
外側の縁の規模で一辺約800cm、身舎は宝満と同じく
3間四方でその規模は約600cmです。
もし、宝満の礎石が宝塔であり
形状が多宝塔であれば心礎は必要なく
その大きさはこの写真よりも
若干大きな形状をしていたものと思われます。

基壇のある場所は「妙見原(みょうけんばる)」という
奈良時代からの祭祀土器が散布する
山内の祭祀場の一つであった平地から
(現在は近代につくられたため池「南谷池」になっている)
南側に見上げた丘の上に位置します。

つづく