本日、福岡市博多区冷泉町の
博多遺跡群第172次調査事務所にて
第137回博多研究会がおこなわれました。
ご発表は福岡大学の桃崎祐輔氏で
「福岡平野周辺の中世山岳寺院について
ー糟屋郡・糸島郡の事例を中心としてー」
というテーマでのご発表でした。
時間の都合もあり残念ながら氏がおこなっている
二丈町一貴山での調査の詳細などはふれられませんでしたが
糟屋郡久山町での白山の調査事例などに触れられ
山岳寺院と貿易都市博多の成立背景、
ヒンターランドとしての農耕地の発達、
中国系貿易商の活動拠点としての
山岳信仰地の開発など
広範囲な視点からのアプローチでした。
山岳の寺院が社会的になぜ成立しえたのか
その存立が困難とおもわれる山岳寺院が
なぜ同時期に近い場所で発生するのか
ということに言及され興味深い話題提供でした。
ストーリーが先行して処々の事実認定に異論がありますが
基礎研究をする研究者が少ない分野であり
ぜひ続けていたきたいものです。
ようやく宝満山も考古学分野で比較できる
近くのフィールドが知られつつあります。