狷介不羈の寄留者TNの日々、沈思黙考

多くの失敗と後悔から得た考え方・捉え方・共感を持つ私が、独り静かに黙想、祈り、悔い改め、常識に囚われず根拠を問う。

裏付けとなる歴史を「大東亜戦争史観」で正しく知る事によって、自然と愛国心と日本民族としての自尊心が生じる事となる・・・「奪はれた歴史 未来ある国家観の再生に向けて」を読む。

2017-05-10 02:25:14 | 歴史修正
 次の本を読む。
 「奪はれた歴史 未来ある国家観の再生に向けて」(著者:小堀桂一郎氏、出版社:PHP研究所、出版日:2001/08/21)

 「歴史修正」とは、今一度検証し直して、本来の正しい歴史に戻す事である。東京裁判によって戦勝国に歴史を改ざんされ、戦後はマスコミに外国のスパイが入り込む事で、国民を嘘の歴史で洗脳して来た。
 自分の国の先祖・先人の方々が、他国に暴虐を働いて悪い事をした等と思い込んでいると、自尊心愛国心を抱く事が出来なくなる。自尊心・愛国心の裏付けとなるのは歴史であるが、それらを挫く様な内容に変えられてしまっている為に、逆に反日となり、革命的な考えになり、他国に対して卑屈になり、迎合する様になっている者が、戦後の日本人に多くなってしまっている。
 それ故、歴史を正しく直す事によって、自尊心・愛国心は回復する。特に近現代史の歴史を修正する事によって、つまり「東京裁判史観」から「大東亜戦争史観」に修正する事によって、回復させる事が可能になる。「大東亜戦争史観」を持つ事によって、日本が欧米の植民地支配からアジアの国々を解放させて独立させた事を知り、またその上での日本が主導した「相互協力・独立尊重」を理念としたアジアにおける大東亜共栄圏の構想を知り、その戦争がアメリカの入念な計画と挑発がきっかけであり飽くまでも日本国自身の安全保障の為の自衛戦争であった事を知り、そして「義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義・克己」「武士道精神」によるアジア外交と、米国の不義・不正に迎合せず立ち向って闘い精神面に於いては負けていなかった事を知り、その正義の道理を基にした日本精神と魂の強さを知る事となるのである。そしてそれらを知る事によって、先人の方々が祖国と民族、家族、伝統、文化、日本精神を守る為に犠牲になられた事に感謝する事が出来る様になり、先人の方々を尊敬する事が出来る様になり、靖国神社へも慰霊の為に参拝したいと思う様になり、自然と、愛国心や日本民族としての自尊心が生じる事になると思われる。日本の歴史の真実を知ることによって、強制されたり押し付けられたりせずとも、自然に心から生じる思いから、国家斉唱や国旗掲揚を重んじる様になると思われる。愛国心・日本民族としての自尊心を持つ様にする「根治療法」は、「歴史修正」である。
 著者は「明治の精神」の代表者として、夏目漱石、福沢諭吉、新渡戸稲造、内村鑑三、岡倉天心を挙げている。また、夏目漱石研究の第一人者としての江藤淳の名も挙げている。夏目漱石は、「こころ」をはじめとしたの作品の中で、世捨て人、隠者的な者を著したが、その世間と異にする隠者が社会の偽善とは無縁の存在であるとし、「原罪」を持つ人を信じずに超越者への信仰に拠り所を求め、そして超越者に従属した自我を確立して次元を上昇させる者であると言う。そしてそれは、天の道理に基づいた自己実現を意味するとし、自己抑制、自己犠牲、奉公となると言う。「武士道」の「克己」による、私心や私利私欲を抑えて、道徳的な公人となる事であると言う。

 福沢諭吉著「学問のすゝめ」より(本書経由)

 「独立の気力なき者は必ず人に依頼す、人に依頼する者は必ず人を恐る、人を恐るる者は必ず人に諛ふものなり、常に人を恐れ人に諛ふ者は次第にこれに慣れ、其面の皮鉄の如くなりて、恥づ可きを恥ぢず、論ず可きを論ぜず、人をさへ見れば唯腰を屈するのみ

 「・・・…天より人を生ずるには、万人は万人皆同じ位にして、生れながら貴賤上下の区別なく、万物の霊たる身と心との働を以て天地の間にあるよろづの物を資り、以て衣食住の用を達し……」

 「人は生れながらにして貴賤貧富の別なし。唯学問を勤て物事をよく知る物は貴人となり富人となり、無学なる人は貧人となり下人となるなり」

 「一身独立して一国独立する事」

 「天の道理に基き、人の情に従ひ、他人の妨を為さずして我一身の自由を達すること」

 内村鑑三 墓碑銘(本書経由)
 「我は日本国のために、日本国は世界のために、世界は基督のために、遂に万物は神のために」

 「国家」には国民や家族も含まれるのだが、その「国家主権」意識の再生により自前の歴史解釈権を取り戻して東京裁判を今一度検証し直し、北朝鮮による拉致被害者の人権回復、靖国神社の公式参拝の実現を訴える。戦中・戦後の占領政策、検閲、教育、偽善・欺瞞・身勝手な欧米列強主義、靖国参拝や教科書検定等に対する内政干渉・外圧、南京事件等の検証を促す。一例として、国民党政府宣伝広報局が、第一次世界大戦の時にフランス政府の新聞報道局に在った「合成化学写真部」を見習い、日本軍を悪に仕立て上げる写真の偽造を上海にて行っていた事を挙げる。
 朝日新聞による虚偽の歴史問題や靖国、教科書等に於ける反日煽動が、支那(中国)や韓国の内政干渉の端を発し、世論誘導・世論操作を行って来た事実を挙げる。社説であるべきはずのイデオロギーや意見、感情、宣伝に過ぎない内容の物を一面トップに掲載し、社説と同様の内容の一般読者からの「声」、「投書」を多用する事で、逃げ口上を確保している事を挙げ、それらが背徳行為であると批判する。
 かつての冊封体制、アジア華夷秩序の中華覇権主義の復活に対し排除を訴える。日本の外務省の中に存在するチャイナスクール、売国奴、漢奸の朝日新聞、反日宣伝、外圧検定、内政干渉、事大主義、不法入国、尖閣諸島、海底資源、シーレーン、排他的経済水域への侵入、外交敗北等っを挙げる。またアメリカについても支那(中国)と同様に「厄介な隣人」と言う。
 安全保障について、自衛隊の国際比で相対的に弱体化と法制面での制約の多さ、緊急事態法等の有事法制不備、スパイ防止法の欠如、原発テロ、永住外国人への地方参政権付与、男女共同参画基本法、人権教育推進法、国際化などの危険性を挙げる。
 靖国参拝についての支那の内政干渉に対し、1978年に締結された日中平和友好条約にて内政不干渉が謳われている事から条約違反を挙げる。靖国神社参拝は、「民族全体の霊的生活に関わる不可侵の領域」と言う。また純粋な慰霊・祭祀に当たり政教分離問題には当たらない事を挙げる。1953年(昭和28年)には遺族援護法が改正され、A~C級戦犯の区別無く恩給年金が支給される事となり、A級戦犯とされた方々も合祀された。

 1979年(昭和53年)に総理大臣として参拝された大平正芳氏の答弁、「『A級戦犯』及び大東亜戦争に対する審判は歴史が下すのに任せる、人がどう見ようと私は私の気持ちで参拝に行く」

 この参拝に対して、支那からは抗議は無かった。参拝への気概の無さを批判し、また国旗・国歌の法制化を訴える。
 教育権は国家主権の一部であると言う。地方分権により市民が重視されると、国民が軽視されて国家主権意識の低下に繋がると懸念を示し、飽くまでも教育は国家の権利とする事を訴える。「国民」とは「国家の民」と言い、その国家の教育による国語や古典等の伝統・文化の継承と、個人・自由の行き過ぎで欲望が増す事からの道徳の退廃にならない様に制約を加える。2006年に改正される前で本書出版当時の旧・教育基本法が、空疎・理想・下心で道徳的に退廃に繋がる等と酷評する。
 政治家の党利党略と私利私欲、市民の政治への無関心、そのどちらもが責任感が鈍っていると指摘する。その「市民的常識に基づく次元」による国民主権や首相公選制等の危険性を警告する。

 「東京裁判の不正を暴いた人々」

 ・清瀬一郎弁護士・・・日本人弁護団副団長。東京裁判の法的正当性についての疑惑を、弁護側冒頭陳述によって厳しく指摘した。裁判所はこの問いかけに対してその場で答えず、回答を後日与えると称しながら、結局最後まで答えなかった。

 ・ラダビノート・パル判事…インド。判事団唯一の国際法学の専門家。同様に法的正当性への根本的疑問を突き付ける。『時が熱狂と偏見をやはらげた暁には、また理性が虚偽からその仮面を剥ぎとった暁には、そのときこそ、正義の女神はその秤を平衡に保ちながら過去の賞罰の多くに、その所を変へることを要求するであらう』

 ・アンリ・ベルナール判事・・・フランス。裁判の審理過程全般に、多くの手続き上の不備が生じた事を指摘し、その為に裁判全体が有効性を失っていると論じた。

 ・ベルト・レーリンク判事…オランダ。占領軍最高司令官マッカーサーの行政命令に過ぎない「極東国際軍事裁判所条例」の合法性に疑義を呈し、法廷がその合法性についての審議をせぬままにそれに拘束されている事の不条理を鋭く突いた。

 ・ベン・ブルース・ブレイク二弁護人…アメリカ。裁判進行中に、その犯しつつある誤りを指摘して、厳しく糾弾した。「国家の行為である戦争の責任を個人に対して問うという法理は無い、戦争での殺人は刑法上の罪では無い、この法廷は罪にならないはずの行為を罪として裁くという誤りを冒そうとしている、もし戦争に於ける殺人が罪に問われるというのならば、先ず裁かれるべきは広島・長崎に原子爆弾を投下した責任者ではないか、その責任を有する参謀長の名も、投下を認めた国家元首の名も、挙げようと思えば挙げてみせるぞ」。戦争に於ける殺人は犯罪ではない、勝者側のみが一方的に敗北者の戦争行為を殺人罪として裁くと言うのは普遍的な正義の原則に反する、現行の国際法にはこの法廷の被告を裁く法的根拠はない、と、完全に法的・論理的な指摘に及んだ。

 ・ウィリアム・ローガン弁護人…アメリカ。アメリカのオレンジ・プランこそが日本より遥かに早い段階での戦争計画であったと論じ、日本の戦争は、日本に対する挑発となる経済的圧力が異常に強化された結果、安全保障に迫られての自衛手段に他ならなかったと論じた。『その後種々調査、研究をしているうちに私どもがアメリカで考えていたこととは全然逆であって、日本には20年間一貫した世界侵略の共同謀議なんて断じてなかったことに確信を持つにいたった。したがって起訴事実は、当然全部無罪である。しかしこれは弁護人である私が2年半を費し、あらゆる検討を加えてようやくここに到達した結論である。したがって裁判官や検事はまだなかなかこの段階に到達しないだろうと想像される。』

 ・ジョージ・フロスト・ケナン外交官…アメリカ。マッカーサーの日本占領行政の過激さ、日本社会弱体化に厳しい批判的意見を懐いた。また裁判についても復讐であると延べ、成立させる法的基盤が全く欠如している事を鋭く突いた。

 ・ウィリアム・O・ダグラス米連邦最高裁判事…アメリカ。法的根拠を持たない、司法手続きとしての裁判では無く、政治的復讐装置であり抑々裁判とは言えないものなので再審請求も成立しようがないと述べる。

 ・チャールズ・ビアード博士・・・アメリカ。歴史学・政治学。日本による真珠湾攻撃の数ヶ月前に、ルーズベルトがアメリカ軍の海外における秘密の軍事行動を指令していたと指摘し、国際法学界の定義からの、先に敵対的軍事行動に出たアメリカこそが侵略戦争を起こしたのだと言う事を想起させた。

 ・ハンキー英枢密院顧問官・・・イギリス。論著「戦犯裁判の錯誤」にてパル判決への全面的支持。イギリス国際法学界がパル判決が正しいと結論付け、パル判決を定説として認めた。

 ・チャールズ・アンドリュー・ウィロビーGHQ参謀第二部部長…アメリカ。裁判は史上最悪の偽善と語る。日本と同じように生存を脅かされる立場に立たされたら、アメリカも戦いに立ち上がっただろうと意見した。

 ・ヘレン・ミアーズ女史…アメリカ。東洋史学者。「アメリカの鏡・日本」著。日本の歴史と文化を研究した結果、二千年余り、内向きで穏和な安定した法治国家であったとし、近代化において欧米の模範に倣って戦争を挑むに至ったと結論付けた。そして、近代文明の教を守って文明化した意味において、日本はアメリカの鏡で自分たちの姿が映っているとした。

 ・ダグラス・マッカーサー連合国軍最高司令官・・・『日本が潜在的に擁している労働力は、量に於いても質に於いても、私がこれまで接した中の最も優秀なものです。日本の労働力は、労働の尊厳とでも呼ぶべき何かを発見してゐます。それなのに彼等は労働の価値を実現すべき原料・資材を持たない。日本には蚕以外に固有の生産原料は殆ど無いのです。日本人はもし海外からの原料供給を断たれたら、一千万から一千二百万の失業者が生ずるであろうことを恐れてゐました。ですから日本人が戦争にとびこんだ動機は主として安全保障(※又は自衛のための必要に迫られてのことだったのです。』




「奪はれた歴史 未来ある国家観の再生に向けて」 「奪はれた歴史 未来ある国家観の再生に向けて」
   (著者:小堀桂一郎氏、出版社:PHP研究所、出版日:2001/08/21)


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