狷介不羈の寄留者TNの日々、沈思黙考

多くの失敗と後悔から得た考え方・捉え方・共感を持つ私が、独り静かに黙想、祈り、悔い改め、常識に囚われず根拠を問う。

精神的に自立した本当の職人は「自分のやり方」を持つ・・・頑固、寡黙、目利き、そして「他人のやり方」を尊重する

2017-03-29 15:48:10 | 鉄工所・職人・町工場
 職人とは、「自分のやり方」を持つ者の事を言う
 他人と同じ方法で作るのでは無く、他人を真似したやり方で作るのでも無い。
 例え図面通りに物を作るにしても、その物を作り上げて仕上げていくまでのプロセス、過程が、職人によって異なるものである。例え単品物では無く量産品であっても、同様にプロセス、作り方は、職人によって異なる。
 職人は、そのプロセス、製作過程、製作方法に自分のオリジナル性を発揮し、その独自性に誇りを持つものである。
 また、プロセスには「段取り」もある。図面を見てイメージし、製作手順や製作方法を考え、それに応じた材料を揃え、必要な工具・機械を用意する。更に加工には前加工、組み立てにも先組がある様に、各職人によって一つの物を作り上げていく上でのプロセスは細かく異なるものである。
 もしもその「自分のやり方」に対して他人から干渉・介入を受けたり、他人のやり方を押し付けられ強要されたりすると、その自分のアイデンティティは壊され、自尊心・誇りは踏みにじられる事となる
 職人は、精神的に自立し独立した存在である。「自分のやり方」を持って他人のやり方に依存せず、独自性、自尊心、誇りを持っている。自分自身がその様であるので、他の職人の独自性、自尊心、誇りを尊重する。故に、例え会社で雇われる身であるとしても、本当の職人は、お互いにその精神面の独立を尊重しながら共存するものである。
 勿論、日々成長する上での改良は必要である。反面教師も含めた他人のやり方を参考にする事も必要である。しかしそれらも、他人からの押しつけでは無く、自分で、自分の努力で改善するのである。独立意識、自立意識とはそういうものである。
 また職人は目利きを持つ。人や物事だけでは無く、果てには時事問題にまで「見る目」を持つ者もいる。
 職人は1度しか言わない。見習いに対し、一つの事に対して1回しか教えない。1回教えて理解出来ないのは、センスが無いか、馬の耳に念仏、猫に小判、豚に真珠、馬耳東風であると捉える事が出来る事もあるからである。
 職人は寡黙である。仕事中、黙々と作業を行う。それだけに、仕事に集中し、熱中する
 職人は頑固である。他人の干渉に対し安易に「自分の考え」を曲げない。自分の内に堅い信念を持つ、つまり「自信」を持つ。

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  ・2013/10/27付:「私の鉄工所・町工場での経験と照らし合わせて……・・・「THE 中小零細製造業 町工場・鉄工所の解体新書 」を読んで」
  ・2014/05/17付:「職人と単なる労働者とは異なる・・・本当の喜びと誇り・・・『職人学』を読んで」
  ・2014/05/17付:「儲けよりも誇り・意地を大事にし、名を売らず謙虚に『清貧』を貫く職人たち・・・『職人』を読んで」
 
 参考・関連文献






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    THE 中小零細製造業 町工場・鉄工所の解体新書
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