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長谷川平蔵とか遠山金四郎とか徳田新之助とか

2017-06-02 20:09:12 | 太平洋情勢乱雑怪奇

小林よしのり氏とは様々な点で考えを異にする私ではあるのだが、この件に関してはほぼ同意。論旨も納得。

前川前次官の「貧困女性の実地調査」は本当だった

http://blogos.com/article/226634/


論旨として、まず、基本的には前川氏の問題は加計学園の問題での大きなブレークスルーとして捉えることがまず重要なんだから、プライベートの方は無視してもいい。

仮にどんな風俗に行っていようが、それは「私的」な問題で、「公的」に正しいことを言っているのなら、あくまでもその「公的」な警鐘に耳を傾けるべきだと、わしは思う。

あたしも「わし」に賛成。

が、政権側は読売を使って汚い手で、この人を中傷しようと仕掛けたんだから、それに反論することも必要かもしれない。

それよりも、読売新聞が政権からのリークで、違法でもない個人的なスキャンダルを報じて、権力の犬と化す醜態の方が、実に悪質、低劣で、ジャーナリズムとしては「恥」そのもの、報道機関の資格を失ったと言ってもいい。

あたしもそう思うよ。

ってんで、いろいろ見たら、どうもこの「まえだっち」は真面目に女の子たちと向き合ってるようじゃないのよ、という話。

■ 社会ってそうじゃないと困るの

で、これを、小林よしのり氏は、公務員の鏡のようじゃないか、と書いているけど、公務員の鏡じゃなくて、社会ってそういう感じになってないと困るのよ、とあたしは言いたい。

前川さんは、要するに、遠山金四郎とか徳田新之助とか長谷川平蔵みたいな人だと考えればいいと思うの。

「おまえさんもなぁ、足を洗うんだよ。身体に気ぃつけてな」とか、「困ったことがあったらあいつらに相談するんだぜ」とおまさの方を見やる長谷川平蔵(吉右衛門だが)、とかそういいう話でしょ。

つまり、行政府の上の方にいる人たちが、困ってる人たちの中に入って行って物事をみようとしなければ、世の中って上手く回らないものなのよという話じゃないっすかね。

遠山金四郎とか徳田新之助とか長谷川平蔵は事実をいくらか含んだフィクションだけど、日本の中では、この手のエピソードは結構あるでしょう。お殿様が領民がどう暮らしているのか知りたがってなんとかして変装して町に出てみる、みたいな話とか、農民の暮らしぶりを別系統で報告させるとか。

で、そういうのは当時の身分秩序から考えれば本来的でないからこそ彼らはお忍びでやる、と。だけどそういう話が漏れて後代にまで残されるのは、全体としてこういうのって望ましい、上に立つ人はこのぐらいの度量がなければ、という考えが権力側にも被支配者側にもあるからじゃないですかね。

こういうのを、温情とか人間味といってもいいんだけど、もっとプラクティカルに考えてみてもいいと思うのね。支配者側が自分の支配の結果として人々はどのようになっているのかを知らなければ、本当の有効性が見えないからやっているのだ、と。

だから、前川さんみたいな人がいることは、統治機構の側に、ああ、社会全体を見ようとする人がいてよかったな、って思って、あんまり大きく言わないぐらいでちょうどいいと思うのね。

だけどそれは公務員だけでなく、いろんな意味で社会階層の上の方にいる人にとってのある種のモラル的な義務なんじゃないかな、ってあたしは思うわ。

それなのに、それをわざわざ取り上げて、あろうことか誹謗中傷に使おうってんだから、現在の政権ってやっぱりバカ。あんたたちって、女と金とみればよだれしか出ない人たちだって自分で言ったも同然ね、って感じ。ああああ、気持ち悪い!

古い女の子としては、女の子は「よだれ」かちゃんとしたおじさんかを案外見抜くものなのよ、などとも言いたい。

 

■ 排他性 vs "all men are created equal"

で、この件でもう一つ思ったのは、安倍応援団回りの排他性は驚くばかりで、もはや危険水域なんだなってこと。

官邸のプロパガンダの方針は、出会い系なんちゃらという怪しいところに出入りする前川さんという見せ方をいきなり主要紙を使って仕掛けて来たわけだから、これは、「ああいうところ」に行く男を信じられない、と読ませようとしたわけですね。

しかし、「ああいうところ」にいる人たちも日本の誰かなんですよ。

そこに出入りするなということは、切ってしまえという発想ですね。あるいは、この政権に限らず歴代自民党政権が少なからずお世話になっていたであろうジャパニーズ・マフィアの「シマ」にしたままにしろ、ってことなんでしょうか。つまり、別世界だ、と。

それに対して、出かけていったことを否定していない前川さんは、どうなっているのか、なんで女の子たちがそこに行ってしまうのかに目がいく、話をしてみようとしたわけですね。心に垣根のないエリートがいたことを、私は嬉しく、かつ、心強く思います。

そして、去年から何度も書いている「all men are created equal」の話のような気がする、とも付け加えておきたい。

 



 


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2 コメント

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行脚 (ブログ主)
2017-06-03 20:03:26
大変結構なコメントありがとうございます。ローレライさん。
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『鉢の木』 (ローレライ)
2017-06-03 12:57:22
北条時頼の廻国伝説の謡曲「鉢の木」も昔から『見ている人は見てる』話として伝わる名作ですが最近では『プーチンの世界旅行伝説』も流されました。
返信する

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