1月27日、アメリカのジャーナリスト、ロバート・パリーが亡くった。12月に卒中で入院し、その後膵臓ガンにむしばまれていたことが判明したらしかった。12月末に、ペリー自身が、コンソーシアムニュースというサイトを支えてくれている読者の皆さんへ、という一文で自身が入院中であることを説明した。これが公表された最後の文章ということになるのだろうと思う。
パリ―は、APの記者から入って、レーガン政権時代のイラン・コントラ事件を暴いたことで知られるようになり、その後独立した、あるいは独立するしかなかった、という経緯を持った、丁寧な仕事をする、筋を曲げない、反骨心のあるジャーナリストとして、メインストリームは絶対にそうは書かないが、そのように認められている人。
コンソーシアムニュース(https://consortiumnews.com/)というサイトは、まぎれもなくペリーのサイトだが、この人一人が書いているのではなくて、メインストリームに載らない重要事項を丁寧に追っかけたい人たちが寄稿する場として結構認知されてきた。今日現在みるところではこのサイトがなくなるようなことはない模様。息子さんも編集に携わっているので志を継ぐのかもしれない。
最近、ウクライナのバンデラ主義者というナチの末裔集団は、ウクライナ危機の重要な問題の一つだと書いたばかりだが、このUKRAINE ON FIREも、ロバート・ペリーが携わっており、映像の中で重要な分析を披歴していた。
「UKRAINE ON FIRE」with オリバー・ストーン
この映像を見た時、この話題は非常に危険なテーマだと思えるわけだが、ストーンもパリ―も、ここを抜いたら戦後のCIAがもたらした極悪さを解明できひんという覚悟があるんだろうなと思ったものだった。このフィルムは本当に重要だ。
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オリバー・ストーン ロバート・パリ― |
ニューヨークタイムスやワシントンポストというメインストリーム中のメインストリームにも訃報記事が出ていたが、そこではなくて、ネット上で私がしばしば読む書き手の多くが、パリ―の死を悼み、そして本当に悲しんでいるのを知り、ここに緩やかだが固い、知と志のネットワークがあることを改めて確認した思いだ。
しかし、ロバート・パリ―の代わりになるジャーナリストがアメリカにいるのかと言われれば、私はネガティブにならざるを得ない。
その意味で、パリ―の死はアメリカが持っていたポテンシャル、すなわち、有権者にちゃんと真実が届き、考えるチャンスが与えられ、それによって有権者が行動するというストラクチャーを普遍化するというアイデアの終焉なのかもしれないなどとも思えなくもない。私はこれを良いことだとは言わない。
アメリカを愛するが故に、信じるが故に批判しているペリーのサイトを、オバマ政権は例の悪名高き、クレムリンの影響を受けているリストなる、批判者潰しのリストに入れた。それを報じたのはワシントンポスト。なんのかんばせあって、パリ―の訃報記事を書くのだろうとその俗悪さに唖然とする。
Robert Parry (journalist)(wiki)
Robert Parry, Investigative Reporter in Washington, Dies at 68(ニューヨーク・タイムス)
https://www.nytimes.com/2018/01/29/obituaries/robert-parry-investigative-reporter-dies.html
コントラの麻薬密輸を暴くなど権力の暗部を暴いてきたジャーナリスト、ロバート・パリーが死亡(櫻井ジャーナルさん)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801290000/
Robert Parry, Titan of Journalism, is dead(Alexander Mercouris)
http://theduran.com/robert-parry-journalisms-titan-rest-peace/
■ オマケ
この問題も、まだ決着がついていない。
この説は、2つの筋から出ている。一つは、ドイツの元ルフトハンザの操縦士(Peter Haisenko)による分析だ。ルーマニアの航空専門家も、似たような見方をしている。もう一つは、米国の記者ロバート・パリー(Robert Parry)が、米国の諜報機関の分析者たちの間で、ウクライナ空軍機の犯行でないかとの見方が出ていると指摘したことだ。元AP通信のパリーは、昔から米諜報界に食い込んでいる人で、コンソーシアムニュースの主筆をしている。
http://tanakanews.com/140824russia.htm