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アメリカはなぜヒトラーを必要としたのか |
草思社 |
過去10年ぐらいいわゆる「保守派」という名の下に、例えばチャンネル桜なんかを原動力にして、大東亜戦争、または第二次世界大戦東アジア戦線におけるルーズベルト米大統領をはじめとする、左派グループというのかユダヤグループというのかソ連シンパグループというのか、といった人たちの行動がよく取り上げられた。だんだん話がよくわかってきたのは喜ばしい。
しかし、おそらくそれでは話は半分なのだと思う。
思い返せば、その前の数年間には、主にブッシュ米大統領があまりにもずさんなイラク戦争を起こしたことを契機としてブッシュ一族とナチというテーマが頻繁に語られていた。この本もその頃出たもの。
正直なところ、私は実はこの2003年前後のブッシュとナチの話は、最初デマなのかとさえ思っていた。まさか?と思ってたから。しかし、よくよく考えるとフォードがナチシンパだったことは昔から有名だったし、なぜそこをもう少し考えなかったのかとあらためて思ったものだった。
というわけで過去約10年で第二次世界大戦時におけるアメリカにおける二大潮流みたいなものが語られたといっていいんでしょう。
つまり、コミンテルン派とナチ派。どっちも嫌(笑)。
といっても実のところ、思想的対立というより大金持ちのグルーピングのようにも思う。
日本では戦前からドイツとの絡みなのか上海での体験なのか知らないけどユダヤ関係の本はかなりあったようだ。しかし、おそらくナチ派は少なかったのでは?
今でも少ないように思うので、菅原出さんのこの本は貴重。菅原さんはナチはアメリカが作ったのだというのをオランダで聞いたことから調べはじめたということ。私はカナダで聞きましたが、上でも書いた通りそれでもまだ信じてなかった。あはは。
Amazonにあった内容紹介文が優れているのでペーストさせてもらいます。
1920年代からソ連邦の崩壊にいたるまで、アメリカの外交戦略には、明確なパターンがあった。それは「共産主義に対抗するために独裁者を援助し、育てる」というものである。この最初にして最悪の例がヒトラーのナチスだったといえる。第一次世界大戦で焼け野原となったドイツが、十数年後にはヨーロッパを席巻する軍事大国になれたのは、ブッシュ大統領の一族など、アメリカ政財界の親ナチス派の援助に負うところが大きかったのだ。戦後、この親ナチス・エリート集団は、反共工作のために各国の独裁者、麻薬王、そしてイスラム過激派とも手を組んだが、多くの場合、最終的にはみずからが育てた独裁者たちと対峙することになった。本書は、アメリカ外交の舞台裏で暗躍したこの黒い人脈にスポットライトをあてる、きわめて刺激的なノンフィクションである。
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で、最近思うに、日本の1930年代を知るためにはこちら側も詰めていく必要があるんだろうな、と思ってる。問題はユダヤだけじゃないだろう、と。