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対ロ経済制裁と日本のジレンマ――制裁で変化するアジアのパワーバランス

2014-09-13 02:04:29 | アジア情勢複雑怪奇

対ロ経済制裁と日本のジレンマ――制裁で変化するアジアのパワーバランス 

フォーリン・アフェアーズ リポート 2014年9月号

http://www.foreignaffairsj.co.jp/essay/201409/Ratner.htm

イーライ・ラトナー  ニューアメリカンセキュリティ研究所シニアフェロー
エリザベス・ローゼンバーグニューアメリカンセキュリティ研究所シニアフェロー

ウクライナ危機がさらに深刻化すれば、ワシントンはモスクワに対する制裁措置をさらに強化するかもしれない。しかし、ロシアを孤立させるための経済制裁 は、必要以上に大きなコストをヨーロッパだけでなく、アジアの同盟国にも強いることになる。そうした対ロシア関係のバランスの崩壊にもっとも苦しんでいるのが日本だ。

ワシントンは、ウクライナ危機をきっかけにロシアと中国が関係を深めていくことを懸念している。しかし、そのような事態を避けたいのなら、インド、日本、ベトナムなどの中国を潜在的敵対国とみなしている諸国が、ロシアと良好な関係を育んでいけるように配慮すべきだ。いかなる尺度でみても、「弱体化した日本」と「強固な中ロ関係」という組み合わせが、アメリカにとって好ましいものになることはあり得ないのだから。

小見出し
ロシア制裁は同盟諸国を追い込む
中国と韓国の立場
日本のジレンマ
対ロ制裁とアジアのパワーバランス
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出てきましたねぇ、いろいろと。

ミアシャイマーさんが現行のウクライナ問題で、悪いのはロシアじゃなくて西側のNATO拡大政策だ、だからこんなバカな取り組みを止めろと示唆したことが、世界情勢的にある種の通奏低音的に響いている中、別の、ロシアを孤立させるな論というところ。

悪いのはロシアではなく欧米だ /ジョン・ミアシャイマー

とりわけ日本がバランスシフトに苦しんでいるんだから、ロシアとの良好な関係を築けるよう配慮しろ、というのがキーでしょうね。というのは、インド、ベトナムは元々ロシアとの関係は濃いので、いくら米+日本がこっちに来いこっちに来いといったって、100%移動ってことはない。50%がマックスというもので、それでいい。

一方日本は事実上アメリカに押しつぶされ、その上で実際には米中で転がされてきているのが過去20年。これを放置したら、弱い日本を同盟国にする、アメリカにとってうれしいかそれ状態だろう、というもの。

結局、リアリストグループは過去数年間ずっとこの体制を作ってきたってことなんですよね。で、ロシアもプーチンの言動を冷静に観察すればわかる通り、決して、一元化反米じゃない。米の妙な陰謀論グループ(ネオコン+民主介入主義者)と戦っているだけ。で、アメリカも、私の観察では欧州にあるNATOはこのネオコン組に頭くらくらにされていると思うけど、本体の米軍はそれほどでもないとみえる。一応やってるけど。

妄想になるけど、クリミアをロシアに取ってもらってよかった思ってるグループさえいるんじゃないかと思う。軍港があるということの重要性を完全に無視して、あれをゲームの「賞品」みたいに扱ってるグループを喜ぶ米軍でないことを祈りたいという希望から出た私の妄想かもしれないけど。

そういえば、RT(ロシアの国際テレビ)でも、軍関係の経歴のあるアナリストが、他の出演者がアメリカはロシアを潰しにきてる~、NATOはロシアを敵にしたくて仕方がないんだ、ずっと敵なんだ云々と発言していたところで、概略こんなことを言っていた。

「私はそうは思わないですよ。アメリカのプランAは様々なところでロシアを西側と一緒に行動させようとしていた、ただ、ロシアの立ち位置が西側の中に入るのか、出てるのか、そのへんで話がずれてきた・・・・」

実際、アフガニスタンでもイランでもロシアとアメリカは協力してる。というか、プーチン政権の希望は、ロシアはロシアだ、俺らを不必要に脅すな、内部に手を突っ込んで革命を起こそうとかいう取り組みをやめろ、ロシアを崩すとかいう願望を捨てろってことでしょう。他国の利益を尊重しろ、と年中言ってるのはそういうこと。そこを全然聞き分けないで、狂ったようなプーチンバッシングをやっているのが欧米+日本。はっきり言ってこっち側が妄想の中にいる。

ということは、ネオコン+民主介入主義者は米リアリストグループとロシアの共通の敵だということじゃないかと思ってみる。こう考え来ると、ブキャナンを代表とするAmerican Conservativeグループ、すなわちアメリカ共和党孤立派系統がロシア敵視は馬鹿げているという論調を静かに一貫してやっている意味もわかる。ここは共和党ではあるが反ネオコン陣営だから。

そういえばケリー国務長官はブッシュ息子の方と同じ例のスカル&ボーンズとかいう秘密結社なるものの一員だと一時期大騒ぎになったことがあった。だんだんこう、それ系の異常な力を持った集団が団結して乗り込んでいると考えるのも合理的なんじゃないかと考えるようになった。だって、ナチス親衛隊残党の子孫を味方につけてクーデターやって、その政権は住民をテロリスト扱いするような異常な政策を敢行する、こういう事態に対してアメリカ議会の500人ぐらいいる議員が誰一人大声で疑問を呈することもない、って普通じゃないでしょ? しかも主要国の政府首脳が誰一人疑義を呈することもできない(最近少し緩んできた気配はある)。凄いことなんですよ、これって、と誰かが大声をあげたらそれこそ「裸の王様」状態なので怖くて誰も言えないし、諸国民の命にかかわりそうだし、ってことですかね。自分で書いてて信じられない。

 

で、私はやっぱり、それはそれとして、ネオコン+民主党介入主義者とチャイナは組んでいるという考えを捨てられない。3月からず~っと思ってる。チャイナはチャイナでウクライナ利権があったわけだし。そしてそう考えるとドイツは少なくとも一部はこっちの関係者だった可能性はあるよな~と思うわけです。

ドイツとウクライナとブレスト-リトフスク条約

もしそうなら、そういう試みがあろうがなかろうが大枠の戦略を崩さずに対応しているロシア政府は冷静というか、心が丈夫だな思うしかない。

さてしかし、日本政府の出方が見ものになってきた。


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