何はともあれ、ザポロージャの原発が無事であることを祈りたい。ウクライナの中には妄想をこじらせている人たちが多数いて、その人たちが火力を持ってる。これを制止するというのは、プロパガンダ屋にはできない。
ということを思ってみれば、1945年の日本の敗戦というのも、なかなか難しいものだったんだろうと思う。
妄想を拗らせてる人たちが多数いて火力を持ってるわけだもの。
ということを思ってみれば、1945年の日本の敗戦というのも、なかなか難しいものだったんだろうと思う。
妄想を拗らせてる人たちが多数いて火力を持ってるわけだもの。
そう考えてくると、日本の最強部隊でほぼ無傷で残っていた大部隊、関東軍をソ連が決定的に叩いたことは、敗戦成功プロジェクトの大事な要素だったというしかない。
1945年8月ソ連軍満洲侵攻作戦 by 駐日ロシア大使館
この戦いについての本は非常に少ないが、アメリカの有名な戦史家のグランツさんの手になるのがこれ。
このへんで書いた通り、そして当時生きてる人がみんな知ってた通り、関東軍は住民避難をおろそかにするどころか、むしろ置き去りにして、ソ連軍を迎え撃ったことは撃ったが、負けて、ソ連軍によって武装解除された。
関特演と1945年ソ連満洲侵攻作戦
武力持ちの集団が、エライ人が声をかけたら「はいそうですか」と言うことを聞くと思ってる人は、天皇の軍隊を勝手に動かして他国侵入をしちゃう人たちのことを思い出すべきでしょう。
日本軍は規律が悪いというより、重要なところで規律できない軍だった。なんでかというと軍そのものも問題だが、政治家、財界、皇室といった勢力に規律を通すべきだというはっきりした認識がないから、どうやっていいのかよくわかってないから、というべきじゃなかろうか。
河本大作がもっとしっかり処分されていたら、越境将軍が軍法会議にかけられていたら、と考えてくると、それをしないのは軍の問題だけでないことがわかる。
■ 失敗の本質の本質
とか書いてて、まさにそのことをお話になっている動画があったことを思い出した。
失敗の本質の著者の一人として有名な戸部良一先生が、自民党の公開講座みたいなところで50分ぐらいお話されている。
その中で、もしこうなっていたら歴史は違ったものになっていたのではないのか、という事象を4つお話されている。
講師:戸部良一 防衛大学校名誉教授/テーマ:「失敗の本質」【第8回まなびと夜間塾】(2020.8.14)
1. 張作霖爆殺事件
2. 統帥権干犯問題(ロンドン海軍軍縮条約)
3. 満州事変
4. 国体明徴運動(天皇機関説問題)
岐路における政治の失敗とでもいったものか。
2. 統帥権干犯問題(ロンドン海軍軍縮条約)
3. 満州事変
4. 国体明徴運動(天皇機関説問題)
岐路における政治の失敗とでもいったものか。
動画のレジメはここ。
どれも非常に重要なんだけど、有名なところでは3か。この事変は、関東軍の一部と朝鮮派遣軍etc.が仕組んだもので、進行中に軍中央は朝鮮(派遣)軍の動きを止めている。にもかかわらず、朝鮮軍は独断で国境を超える。
参謀総長はあわてて、事後だが陛下の許可をもらおうとか言い出す。この時点でこの人もだらしないわけだが、事態はさらにあさっての方に向かい、天皇は不拡大方針を言うんだが、聞かれてない。若槻首相は経費支出に同意しちゃう。
さらには、この無断で軍を動かし、勝手に他国に入って行った(当時、朝鮮は日本、満州は他国)、越境将軍林銑十郎は、事後に認められたからOKとかいって、お咎めもなく、それどころか1937年には内閣総理大臣になる。

戸部さんはこうおっしゃる。
私は、もし浜口(雄幸)がテロに遭わないで首相を続けていたならば、どうなっただろうとよく考えるのであります。浜口ならば毅然として経費支出を拒んだのではないだろうか。そうすれば歴史の展開は変わったかもしれません。本来ならば、天皇の許可を得ない外国への出兵は陸軍刑法に触れるはずでありまして、軍法会議に付される可能性が高かった、そういう案件であったと思われます。しかし、林銑十郎・朝鮮軍司令官は軍法会議に付されるどころか、ご承知のように越境将軍として世の喝采を浴びることになります。
そう。そしてここに、意思の強い重要人物が暗殺されてきた歴史が重なる。

日本の統治は、シベリア出兵という名の介入戦争、あるいは平たく言って他人の混乱に乗じた「土地泥棒の企て」以降、思えば、ずっとゆるゆるだったと言っていいんじゃないかと思う。
そうであるのなら、一体、どうやってその連続の果ての1945年において、満州事変から15年後、越境将軍がまだ喝采を浴びていた頃から10年も経たない時点において、天皇が声をかけたらものごとが収まりよく収まるなどということがあり得ただろうか?
結局、陸でソ連、海でアメリカにぼこぼこにされたからこそ、一つの時代の幕を下ろすことができた、というのが公正な評価であろうと私は思う。武装集団は武装が役に立たないことを認知するまで、なかなか終われない。
ナチのドイツも、カルト支配の日本も、自分の力では体制を壊せなかった。ここが非常に重要だったと思うわけですよ。そういう意味では、名著「失敗の本質」はテクニカルな問題に終始しており、ホントのホントのところは語れてなかったなと思う。それよりも上の動画の方が本質的。
で、戦後の50年ぐらいというのは、こういうことを一つずつ解きほぐして、まぁそういうところだと納得しつつ、しかし今の私たちはそうではないのだというところに誇りを持つようにする、ってのが理想だったんだろうと思う。
そして、そんな感じになっていたところもあるにはあったんじゃないかと思う。だがしかし、結局それは甘かった。日本の中には、靖国カルトが途切れなくはびこり、統一/勝共の怪しい動きがあり、生長の家やらなにやらの宗教団体と名乗る諸団体が、日本は正しいの一点張りで異論を認めさせない仕様で存在していた。まぁ、嘘つき連合みたいなものだが、仕様がカルトなので理性では説き伏せられないところが大問題。
■ ISみたいなもの
でもって、国内のカルト仕様の連続も問題だが、これが生きてきたことには、別口の養分のようなものがあった、という点への理解がなかったことも悔やまれる。
アメリカとかCIAの介入というのは表の話。アメリカ覇権のやばいところは、その表の仕様を認めさせるための受け手も養成してくる。
世界反共連盟 (World Anti-Communist League、略称WACL)はやばかった。
そしてプロパガンダが残った (4):官製デマクラシー
これは、インチキ史観というか、狂ったものの見方を推奨し続ける装置になってたんだなと思う。要するにウクライナナチがおかしいように、日本の反共屋もおかしいことにはちゃんとした連結があった。しかしほぼ見過ごされていた。
これこれ。表はセックス邪教なんだけど、世界的反共連合を通して、ナチ優位のインチキ史観を埋め込まれる(e.g. 東欧はソ連に侵略された→実際にはナチが負けて、多くの人はむしろナチに解放されたわけだが)
— DEEPLY JAPAN (@DTJTakumi) August 17, 2022
平たくいえば、歴史を知らない馬鹿になる https://t.co/Dy5DLDsfbP
✕ナチに
〇ナチから