新型ウィルスが流行してしまっている話は知っているけど、現在知られている限り
歴史も証明。中国という国を滅ぼしかねぬ新型肺炎という「疫病」
https://www.mag2.com/p/news/436737
というほどではないと思う。黄文雄さんはいい商売に食いついたよね。何一つあたらなくても書く場があって金になる。
他方で、確かに患者数は増えているようだが、中国当局は軍医を投入して武漢を中心に封じ込めに尽力している。投入ユニットを6つ作って、ローテーションさせる準備をしているらしい。これはいい。代われるというのは心理的な支えとなり「前線」の医療従事者の負担を軽減することになる。頑張ってください!
Chinese authorities dispatch 1,230 medics to Wuhan closed over viral pneumonia outbreak
https://tass.com/world/1112919
各国が自国民を連れ戻してるみたいだけど、これもプラクティカルにはいいと思う。
そんな中、今日1月27日は、アウシュビッツが解放された日。1945年1月27日、ソ連赤軍の歩兵部隊がクラクフ周辺の解放作業の中で後世ナチの非人道的行動の象徴的な存在となる収容所を解放する。
‘People want to know the truth’: Red Army veteran speaks out on liberation of Auschwitz & distortions of history
https://www.rt.com/news/478990-soviet-veteran-auschwitz-liberation/
この間も書いた通り、ナチスがロシア欧州部に向かって侵略行動をかけたその動きそのものの中に、正視できないような惨い行動が多数あった。その犠牲者はユダヤ人だけではない。
また、強制収容所に入れられて非人道的な扱いを受けて死ぬのと、アインザッツグルッペン(ナチのデススクワッド)に襲い掛かられてその場で死ぬのとどっちがマシなのかと考えることに意味があるとも思えない。
「ホロコースト」犠牲者の4割はソ連市民
そして、それを前提として考えた時、ソ連軍の反攻が「解放」だったということは疑いもないではないか、と私は思うのだが、世の中どうしてもここを拒否しようと奮闘努力する人たちが多数いる。
で、そんな遠まわしのことを言わずとも、要するに、いつのまにかあられもない話がまかり通るようになっていた。
反ソ、反共というのは用心しないと、親ナチに持って行かれる。この認識をもっと早くみんなが持てばよかったんじゃないかと今になってみればそう思う。デマの構造を読み解けなかったことは、ウィルスの潜伏期間に意識が及ばなかったみたいな話だと思う。
そして、皮肉なことに良い知識をもった善意の人ほどこの防御策を妨害していたのではないのか、などとも思う今日この頃。
どうしてかというと、まさかそんな考え、ユダヤ人虐殺はなかった、ソ連とナチスは第二次世界大戦を起こしたので両方とも責任がある、みたいな話が主導権を握っていくようなことは、極端で例外的な人々であるのにすぎないとみなしがちだったからではなかろうか。
それでも欧州側には実地の体験者がいるので(あたかも免疫を持っているかのように)やすやすと乗らない人もいるので抵抗拠点が構成されているが、日本の場合、なにせ自分のところの戦線がどうなっていたのかさえ分かってない、教えない国だから、いわんや欧州戦線においてをや、みたいな感じなのでしょう。結果、東京新聞とネトウヨの差異がない。
その間現実には、
国連総会で、ナチ、ネオナチ等に対する賛美に反対する決議さえ、否認する国があるような事態となっている。
UN General Assembly adopts resolution against glorification of Nazism
https://tass.com/world/1100805
ナチ英雄化問題と西側はケツが拭けないお話
ついこの間までのカナダの外相は、クラクフでナチの協力者としてナチの犯罪に手をかしていて後にカナダに逃れた人の孫だった人。その人がバンデラ主義者が統治する現在のウクライナを強烈に支援し、反ロシア政策を取り続ける。
「西側ではナチズムが生きている」カナダ編
バンデラを称えるウクライナ&欧州ネオナチ同盟
実際、2014年のウクライナの動乱は、米+EUのクーデターなんだから、これはもう、1941年のバルバロッサ作戦のマイルド版のようなもの。
2014年5月2日にオデッサで起きた、一般住民を建物に集めて生きたまま焼いたケースは、このクーデターの主体者がどんなものたちなのかを象徴していたとしたら、この恐ろしい事件を直視できなかった西側各国および主要メディアは、1939年から1945年までドイツとロシアの地面の上で何が起きているかに大した関心も向けなかった人たちのために働いていることをはしなくも表しているのかもしれない。
といった状況にあって、それに対してロシアが自前のメディアとロシア系の人を中心にしっかりこの問題にフォーカスをあてて連帯して反発していることは、私には、彼らは今度もまた自力で「解放」しているかのようだ、と思える。
そういう意味で、全体としては解放ならぬ快方に向かってるといったところはあるものの、で、置き去りにされる西側諸国はどうなるんだろうと考えると暗い。
■ ナチ問題は絶対に他人事ではない
西側諸国と書いたけど、実は日本はそのグループの中では、突出して現在ただいままでナチ度が高い国というべきでしょう。
ホロコーストが糾弾されるのは当然だが、他方、どうして日本の阿片問題は放置されていいいんだろうかと私はしばしば考える。阿片を吸わせて人を廃人にして金にしようと発想し、実際に実行したことを日本人は正面から問題に出来ていない。
あと、ドイツにおいて国防軍とは別に特殊部隊があったように、日本も軍とは別に特務機関をたくさん持っていた。この人たちの活動の中に阿片もある。
そして、ドイツにおける特殊部隊、日本における特務機関の両方から人材、情報をスカウトして後のCIAがある、ってのが「アメリカの時代」の一つの真相だと思う。
基地問題だけが対米問題ではない。
■ イスラエル要因
で、「ホロコースト」(この用語には私は賛成してないが)なんかなかったんだという主張がにわかに活気づいたのは、イスラエルの非道っぷりも一つの大きな導入路になっている。
イスラエルの振る舞いこそホロコーストだ、といった主張が、ユダヤ人は嘘を言っている→「ホロコースト」などないのだ、に流れていった。
この話は、こうやって考えてみればわかる通り、何も実証性はない。イスラエルが悪い振る舞いをしていることと、1945年までの何年間にユダヤ人が多数殺されたことに直接の関係性はない。
イスラエルの行動を正したいのなら、アメリカ合衆国の外交方針を責めることこそ王道だと思う。なぜなら戦後一貫してイスラエルの傍若無人な振る舞いを、ありとあらゆる国連決議において庇い続けたのはアメリカ合衆国だからだ。
そして、パレスチナを丸裸にしたことを誰も難詰しない。
パレスチナ:保護者なしのツケを誰が払うのか不明
奇妙なことに、「イスラエルこそホロコースト」派にはそういう発想はない。逆に、イスラエルがアメリカを支配している、といい、仕方がないんだユダヤに支配されてる、占領されてる云々と続く。諦めを促すように。
支配されたくないのなら、アメリカがイスラエルに送り続けている継続的な多額の補助金を出さなければいいというだけの話で、これもまたアメリカ合衆国の国内問題として外交方針を論ずればいいではないか。だが、これが盛り上がることもない。
ということなので、「イスラエルこそホロコースト」派というのは、現実から目を背けさせるために西側の上の方が考え出したトリックなんじゃないのだろうかと私は思ってる。
で、この話に盛大に寄与していたのがイランだった。2000年代、ホロコーストなんかないんだ運動をやってた。ドイツに乗り込んで国際会議もやってたと記憶する。これは一体どういう意図だったのだろうか。そして、どう落とし前を付ける気なんだろう?
だがしかし、イランによるイスラエルこそ悪のキャンペーンには、興味深い副産物があった。
シオニストといえばユダヤと考えるのは間違ってます、クリスチャンシオニストの方が古くて大きいのです、とデカい声でいいまくって所属集団から発言を禁止された英国国教会の牧師さんがイランがやってるインターネットTVに登場した。
よくよく考えれば、ユダヤ人のシオニストはクリスチャン・シオニストの動きの中で出て来たもので、人数的に考えればクリスチャン集団の方が大きいし、アメリカで暮らしてりゃ、彼らがものすごく活動をしているのも見える。本とかテレビ説教とか集会とか。
にもかかわらず、そこに目を向けようとしない、それは「elephant in the room」ではないか、と指摘したのは、誰あろうアングリカンチャーチ(英国国教会)の牧師Stephen Sizerさん。
現地人とスポンサーと「部屋の中の象」
この人の指摘が重要なのは、クリスチャンシオニストは1800年代のイギリスで流行りだしたもので、それはずっと続いている、というところ。
カーター、レーガンがこれらの団体に強力にプッシュされてたとか、イスラエルへの「帰還」を促すという意味でソ連のユダヤ人をイスラエルに移住させる活動に寄与していたのもこの人たちだ、という指摘も重要。