ロシアがSu-57をアルジェリアに売ることが決まった。北アフリカ・東地中海のロシアによる安定化路線が大変興味深い。フランスの外交のみっともなさはこの裏返し。やっぱり思い返すにシリアの一戦は本当に大きかったと改めて思う。
ここらへんの話はまた後で。
今日のアメリカさんでは、トランプチームがシドニー・パウエルさんと距離を取ったという話が話題。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/f5/c552e5fc8bc6cd7eff42408bbf759f41.jpg)
左の背の高い女性がパウエル、汗ふいてるのがジュリアーニ。
トランプチームは、敗北してない、民主党は票を盗んだという主張をして訴訟戦略を取っていて、その代表者はジュリアーニなんだけど、いつのころからかシドニー・パウエルさんというおばさんが前に出てきて、かなり強い主張をして、それが故に多くのフォロワーが盛り上がるという経緯があった。
この人についてトランプチームは、シドニー・パウエルは自分の主張をしているのであって、トランプチームの訴訟チームではないという声明を出した。
— Jenna Ellis (@JennaEllisEsq) November 22, 2020
とはいえ、ここまでの間、ジュリアーニらと共に様々な会見に出てきて、トランプも彼女の活躍に言及していたんだから、あれれれれ?ではある。
彼女はDominionとSmartmatic という開票用の機械について追及していたんだけど、それについて、先週Foxのタッカー・カールソンが、質問したり証拠を出してといってもパウエルは出してこない、ないんじゃないか、追求したら彼女が怒り出したという話をして、一部で物議を醸していた。
また、その件で、パウエルがジョージアの州知事(共和党)がバイデンと共謀したと言い出してた。
ここから、共和党内で批判が出てくることは想像に難くないわけで、ここらへんが「距離を取る」ことになった理由かな、といった感じ。
Trump's legal team distances itself from Sidney Powell after she suggests that Georgia's GOP governor conspired to help Biden win
■ 私の感想
私としては、パウエルという人はマジもんのエバンジェリストだろうと見えたのでハラハラしてた。
トランプ大統領は圧勝したのです、みたいな言明が先にあって、そのイメージに従ってものを言っているタイプに見えたわけで、合理的に考えてあり得るだろうという状況から、証言や状況証拠を集めていく仕事には不向きだろう、この人って感じ。
しかし、そういうきっぱり何かを言う人が好きな人は世の中に一定数いるわけで、その人たちにとって彼女はまさしく「福音」なんだろうと思う。
日本の中でやたらにこのおばさんを持ち上げる人たちがクラスターになって存在していると見えるんだけど、それはつまりその線でしょう。
■ とはいえ・・・
とはいえ、投票の計算マシンが怪しくないかといえばそうではなくて、むしろ、私としては、もし本当にこのマシンと郵便投票を組み合わせて大統領選挙勝利を画策した「策謀」があれば、それはとても大がかりな集団に行き当たらざるを得ないだろう、って思ってる。
となると、この話は1回の大統領選挙では全く済まない、えらいこっちゃ状態なので、そんなことを現在のアメリカの体制は大勢として望まないだろう、つか、できないだろう、みたいに思ってる。
つまり、これがマジのカラー革命だとすれば、それはつまり常日頃カラー革命に関わっていた人々、集団が関わる話であり、もしそれを開けてみようと思えば、各国で暗躍している人たち、すなわち西側全体に張り巡らされたネットワークの中の人たちが暴露されるだろう、というロジックですね。で、そんな度胸あるの、アメリカに?ってこと。
トランプ陣営が、開票計算マシンのDominion Voting Systemがカナダを本拠地としているというあたりに疑問を持ったのは、事件の突破口としては大変良いわけだけど、誰がそのシステム組んで、どこにサーバーがあって、と探っていったら、カナダだけではすまない可能性があると思う。カナダだって外国だからその時点で問題だけど、全貌をみたらもっとすごいです、となるのがオチであるように思える。
そこで、そっちに行かないで、集票マシンを取り上げるにしても、こういうマシンは容易に改ざんされるから使うのはよくないです、というあたりで話を落としたいんじゃないのかな、って思う。
まぁそもそも、情報機関、軍の高官あたりが次々にバイデン支持を明確にしている状況から考えれば、トランプ周辺が掘り起こしそうなネットワークは、アメリカが持ってるネットワークそのものですよ、みたいな話ですね。笑えないけど。
それを超えてまで何かするほど共和党にガッツがないってのが痛いという話になるんじゃないかと思う。だけど、民主党にしたって、悪事をするほどガッツがあったところで何になるんだろうと考えると、笑うしかない。いずれにしても両方とも将来性がない。
■ アメリカの内部対立
アメリカの内部対立は現在民主 vs 共和で進んでいるわけだけど、でも、2016年にトランプが、いや正確にはサンダースとトランプが巻き起こした旋風の核心部分は、エスタブリッシュメント vs 庶民、あるいはグローバリスト vs 各国の国民みたいなところ。そこから、自由貿易批判がきてTPP、NAFTAとか要らないという話になったり、大学の授業料は無償にするべきだ、一生懸命働く国民がそれで食えないのならそれは経済システムが間違ってる、みたいな話になったりしてた。2020年の現在からみると、すごいラジカルな言論だったわけですよ。
これは、正義だろうがなんだろうが、今までアメリカが中心になってやってきた同盟国ネットワーク全体を揺るがす話。
エスタブリッシュメントは、トランプが出てきた時からここに注意を払って、こうならないようにトランプを悪魔化し、同時に、民主党の中から、支配を握ってるのは0.1%の人間だ~とかいう人たちを出してこないようにした。
前にも書いたけど、サンダースには本人がおそらく気づいていないような爆発力がある。あの人は、使いようによっては現代のトマス・ペインになってたかもしれない。アメリカというのは、悪辣なド金持ちの画策だけがアメリカなわけではなくて、欧州でくたびれ果てた一般人を大量に迎え入れて、人は生まれながらの地位によって定められるものではない、能力とやる気こそ大事なんだという考えや希望を広める場でもあった、と一応言えるわけですよ。サンダースは、彼とその両親、その周辺の人たちそのものがそういう20世紀を体現してる人。皆の衆に訴え、皆の衆に届くメッセージを流布し得た存在。
トランプは金持ちのドラ息子だけど、アメリカの政治スペクトラムの外部の人間で、芸能人で知名度も高いので、党にお伺いを立てないと生きていけない人じゃない。
結果として、エスタブリッシュメントの策略はあたって、左右の対立が本当であるかのような構図になった。共和党側は、共産主義は敵だ、社会主義こそグローバリスト云々という冷戦モードに入り、民主党側はロシアこそ敵だという、ぼやけた冷戦路線をひた走り、最後にはトランプはヒトラーだとまで言い出した。
結果的に、現状では、4年かけて、エスタブリッシュメント側、すなわちグローバリスト側が勝ったんでしょう、多分。
だがしかし、これは一体何の勝ちなのだろう? 何の価値もない気がするわけだが、ってところ。
世界経済フォーラムのリセット野党にしても、リセットして、だから何?なわけで、そこには理念もなければ必然性もないし、リソースの計算もない。上ずった調子の妄想が述べられているような代物。ということで、これは結局単なる破壊になるのではあるまいか、と思ってみたりする。
まぁ不確実性の時代なんだわな、と思っておくことにする。
ここはスターリンでしょう。
仲間だったけどロシアのためにならない人たちを次々と処罰していって、嫌な仕事を全部引き受け
その上で、生産力を増強させて大戦争勝たせたのがスターリン。
だからこそ西側はスターリンを悪魔化する。毛沢東は別に悪魔化されてないでしょ。
国家議員や、裁判所の役人の中の不正をも暴く必要から、利益相反を避けるために、敢えて独立させて、捜査しやすくした、というのが真実かと。
ただ言えるのは、各州の裁判所も最高裁もとても政治的だということです。
とヒヤヒヤしてました。選挙がどーの、のレベル超えてますもん。本当だとしてもガセだとしても、もう想像の埒外ですね。
結果的に、と...4年も良く持ちこたえたトラ氏やはり勝てなかったのでしょうか。
オバマは「ホワイトハウスにシールズ入れて奴を引き摺り出す」と吐いたという、あの厚顔には誰も敵いませんね。
実態は、共和、民主両党メインストリームVS反エスタブ。
バーニーは自分のポテンシャルを十分すぎる程、自覚している。だけど、この男に三度目の正直はない。民主党メインストリームと左派の確執が話題になるが、私はこれもプリテンドだと思う。
反エスタブのエネルギーが、トランプと星条旗に収斂する以外ないのが、今のアメリカ。しかも、その星条旗ときたら、グローバリズムによって、穴が開き、擦り切れてるとくる。
>ロシアがSu-57をアルジェリアに売ることが決まった。
これは本エントリで初めて知りましたが、驚きつつも喜ばしく感じています。
同機はアメリカの第5世代戦闘機F-22に比肩しうる性能の機体として知られています。
で、そのF-22は戦略的優位性とデリケートすぎる設計から海外への供与も認められず、自軍配備の機体もアメリカ国内の基地でしか運用が許されていません。
それをロシアのSu-57は周辺国に供与するというのですから(当然、本国配備の機体より性能を落としたモンキーモデルでしょうし、乗員の錬度にも差があるのでしょうが)、これは米軍の航空戦略に対してはっきり無視できない楔を打ち込むことを意味するでしょう。
兵器は究極のところ所詮「オモチャ」であり、そのカタログスペックに過剰にこだわるのは本末転倒ですらあると私は考えます。
必要な装備を、一定水準で、充分に揃えること——これはロシア世界が大祖国戦争で得た「血の教訓」なのではないでしょうか。
いやしかし、中東、地中海は毎日が戦争ですから、冗談で売ってるわけではないですよ。
シミュレートして撃ち合ってるわけですから、実際にはずっと戦争してるようなものだと私は思ってます。特に空軍は。
あと、結局こうやって最上位の戦闘機、潜水艦持ってるところが持ってるテクノロジーがその時点での最高位じゃないでしょうか。一般消費者が気が付かないものばかりですが。