第6回 徳政一揆
1455年8月、義政(市川新之助→海老蔵)と富子(松たか子)の婚礼が行われる。御今(かたせ梨乃)は、富子は気が変になっているという噂のあることを義政に告げるが義政は信じない。
一方、勝光(草刈正雄)&日野重子(京マチ子)の日野家繁栄第一主義連合は、富子の状況が改善していることを願いつつ、御今打倒の決意をあらたにする。
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重子「これもまた戦じゃ」
勝光「まこと。本日は富子の出陣の門出でございます」
一休和尚(奥田瑛二)が嫁ぐ前に富子に会いたいと登場するが、勝光にさえぎられる。日野家と縁浅からぬ人だからと勝光はあらましを述べる。一休和尚は、そんな状態の富子を己の栄達のために利用する勝光をなじる。しかし、御所への道中に筒井右門(草薙幸二郎)の計らいで一休和尚は富子の顔を見る。その目は狂人のものではなかった。
いよいよ婚礼となり、義政は富子と対面する。自分を見て喜んでくれるとばかり思っている義政だったが富子姫には反応がない。式、宴を済ませ、義政の寝所で二人切りとなったところで、義政はあの冬の日からこれまでどれだけ待ちわびたかと語りだすのだったが、富子はこれが初対面であるとさえ言い出す。二人の背後の襖絵は、義政がこの日のために書かせた夢の中と同じ五条の橋がただ静かな佇まいを写していた。義政は、富子を対屋へと戻す。
その頃、都では土一揆が発生しており、土民たちが都を襲い、土倉(質屋)などを襲撃する騒ぎが起きていた。幕府は対応に手をこまねき、管領細川勝元はふがいないと評される事態となる。勝元は、土民は徳政を求めており、これは誰かのさしがねではないのかと疑ってもいる。実際、畠山義就と御今が勝元を貶めるために画策していた。富子と義政の婚礼がうまくいかないのも、世情が不安なのも勝元のせいだ、というわけだ。
そんなある日、富子が突如相国寺への参詣に連れていってくれと直訴する。義政は聞き入れる。
義政「御代が行きたいと申しておるのだ。花の御所に来てはじめての御台の頼みごとだ、聞き届けてやりたい」
二人は、相国寺で宿泊すると言い出す。二人きりとなった富子は、ついに「夢にまで見た五条の橋のお方をどうして忘れたりなどできましょう」と語りだし、花の御所に来て以来正気を保っていたことを打ち明ける。
■感想
松たか子、市川新之助の組み合わせは本当に素敵。池のほとりで二人で佇む姿も、五条の橋の思いねの夢のシーンも、この二人なればこそ。『花の乱』はすみからすみまで全部好きだけど、この回は特に好きかも。
このあたりは富子vs義政が、三田佳子vs市川団十郎ではなく、松たか子 vs 市川新之助(後の海老蔵)。富子の夢の中で過去を思い返している設定部分で、若い頃の自分(義政=団十郎)が自分の本当の息子(新之助)というのは後でよく見ればみるほどよかった。確かによく似てるんだもの。松さんと三田さんの組み合わせは、好みの分かれるところだろうけど。
思い返すに、こういう組み合わせは今なら結構なボリュームの記事が出回ってブログ界でも話題になるような話しだと思うし、マスコミ業界もことさらに騒ぐのじゃないかと思うのだが、当時、マスコミに出てるものでここに焦点があてられていた記憶はない。歌舞伎好きな人々が非常に喜んで、毎回ホクホクしながら楽しみにしていたのははっきり記憶しているが。思い出として記録しておく。
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