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「暴力革命」の否定と新左翼

2021-09-14 15:00:21 | WW1&2
前のエントリーでは「暴力革命」の話を実現可能性と反共右翼の問題から見たけど、こっちもあった。いやぁ、twitterにいっぱいあって面白い。


 


そう。六全協なるもので共産党が暴力革命路線を否定したというので、革命はどうした革命はぁ~といったタイプの人たちが「新左翼」として登場した。この成り行きは一般常識ではなかろうか。

wiki的にはこんな感じ。日本の新左翼

1950年代以降、欧米などの先進国を中心に既存の社会主義国や伝統的な社会主義・共産主義勢力などを「既成左翼」と呼んで批判する、「新左翼」(ニューレフト)運動が台頭した。日本でも1955年に当初の暴力革命路線の放棄を表明した日本共産党や日本社会党などに対し、より急進的な革命や暴力革命を掲げて、直接行動や実力闘争を重視した運動を展開した諸勢力が、特に大学生などを中心に台頭した。特に安保闘争やベトナム反戦運動などに大きな影響を与えたが、70年安保以降は内ゲバや爆弾闘争などのテロリズムもあり、大衆の支持を失い影響力は低下した。 

だから、ゲバ棒降ってた人たちが「代々木(共産党)」を憎んでたわけでしょ。俺は右翼とも戦ったが代々木とも戦った、みたいなのが新左翼の人たちの誇りだったらしい。

これって、政治史にとって重要な話じゃないかと思うんだけど、でも、知らない人は多い。

共産党は、右からは暴力革命の共産党と呼ばれ、新左翼からは、暴力革命を捨てた腰抜け扱いされるという、まことに奇妙な状態だった模様。

で、twitterで拾ったこの視線は重要だわ。

 

そうでしょう、そうでしょう、って感じだわ。

前から書いてるけど、新左翼ってコントロールのために作られたわけでしょ?そして、その中の赤軍派なんか、いかにも左の名前だけど、やってることやら志向しているものは戦前の大アジア主義者みたいなことだった気もする。

なんでそうなるかというと、時の政府、あるいは支配層からすると、とにかく、戦前を反省しろとか、解体しろとか言うのも迷惑だし、そこから、片面講和じゃなくて全面講和が正常だ、とか言われるのも嫌だった、親西側にせんといかんのだ、というのが骨子で、そのために反抗しそうな勢力を分散させていたんではないの?

特に、60年代ごろまでは、戦前の総括がないという点を怪しんでる人たちは世の中に普通にたくさん存在しているわけだし、個別具体的に旧軍関係者を恨んでいる人もたくさんいたと思う(名高い「ゆきゆきて神軍」などにみられるように)。

兵の命、国民の生活

にもかかわらず、実は、朝鮮戦争に参加してる元軍人はいるし、台湾で鉄砲撃ってる奴はいるし、と大多数の国民のあずかり知らぬところで、日本は戦争と縁を切ってはいなかった。おいおいこれはどうなんだ、どうも妙だと思う人がいても不思議じゃない。

別の言い方をすれば、300万人以上死なせて、そのうち半分が餓死、戦病死だったというとてつもない大失敗の戦争を「指導」した奴らにもう一度引っ張られたいと思う人は、そうはいなかった、だから潜在的に反発する人は多くいた。

そもそも、GHQが旧軍人を囲ったという構図も非常に問題だった。いわゆる731部隊、実際には防疫給水部という名で細菌、毒薬の研究をしていた陸軍のネットワークの件が常に伏せられきたのも、もってこの旧軍人ネットワークと米軍の結びつきのせいだと思う。これもまた、怪しさの醸成に一役買うに決まってる。


そこから、ここらへんを秘密にして、目を逸らせていく必要に駆られて、政権だか支配層だかは、次第次第に、国際的反共チームに乗っ取られていく、って感じでしょうか。


そして、出ました勝共連合。統一教会ですがな。1989年の「思想新聞」のコピーだそうです。

 


私としては、一定数反天皇がいたって全然問題ないし、日本の近代史からいえば昭和天皇の無罪放免を喜ばない人が多数いたとしても不思議とは思わない。そして、逆に、なりませぬ、なりませぬ陛下の御心を、とかいうタイプの人が一定数いるのも理解するし、それもまた風情かな、みたいな気はする。大多数の人は、実のところ関心がないんだけどね。

どっちにしても、統一教会カルトの文鮮明に「国民感情」を心配されるいわれはない。

自民党は、真面目に政治に関心を持った人々を悪質な宗教団体に放り込むがごとき行為をしたことを、詫びるべき。

実にまったく、困った戦後だったと思う。おかげで、全然歴史事象の整理が進まない。

はては、奇妙な認識を持った高学歴の元公務員という人まで出現していた。人間万事塞翁が馬といえども、思い出すだに嘆かわしい。

ヒトラー、ムッソリーニ、ヒロヒトなわけだが


■ オマケ:右の方がはじけてた

ここ30年ぐらいは、歴史修正主義者が跋扈しているので、なんだか左翼こそ問題だったのだ、みたいな話がたくさん書かれているけど、現実の日本では、常に一貫して、右翼の暴力性の方がよっぽど問題だったのではなかろうか?

しかも、右翼勢力は旧軍関係者が絡んだりするので、妙にリアルだったりする。

1960年
6月 日本社会党顧問河上丈太郎襲撃事件
10月 社会党委員長浅沼稲次郎暗殺事件

1961年
2月 嶋中事件
12月 三無事件

そして1970年11月には、三島事件。

非常に政治的で、政治闘争に武力、しかも軍を使ってなんとかして政治的方針、外交方針に影響を与えようと騒ぎを起こし続けたのは、右翼 でしょう。

結局、あまりにも右翼が危険すぎるので、憲法改正どころではなかった、というのが戦後政治史の基本部分の正しい記述ではなかろうか。


■ 関連記事

日本独自の路線みたいに思われていた動きは、しかしながら、西側先進国に結構共通してました、みたいなのも組み合わせて考えたい。

そしてナチリベ(≒ユーロコミュニズム)とエバンジェリカルが残った



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4 コメント

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右翼カルトに残る大本教の野望! (ローレライ)
2021-09-14 19:38:34
右翼カルトには統一やオウムに旧大本教の野望が受け継がれているのも日本韓国を超えた病である。
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妄想 (ブログ主)
2021-09-15 17:01:53
ローレライさん、

いやほんとに。なにかずっと同じ「派」だと思う。多分、独創性のある人はもういないから、過去のマテリアルを再生産しているうちに、みんな似たものになっていくのではなかろうか、と一応仮説してます。
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Unknown (特命希望)
2021-09-15 19:15:09
ヨーロッパでも「赤い旅団」とか「バーダー何とか」が暴れまわってましたね。
あれらも戦前からのナチリベやらロシアヘイトによる、偽左翼を使った社会主義中傷作戦なんでしょうか?
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グラディオ作戦 (ブログ主)
2021-09-15 19:45:38
特命希望さん

全部かどうかは知らないですが、冷戦下の西側欧州各国で偽旗作戦が行われていたことは、冷戦終了後すぐから隠しようのない事実だと思われます。

いわゆる「グラディオ作戦」。

当時は、BBCがイタリア人を出してきて詳細なレポートを作っていた。みんな、こんな時代は終わりだと思ったんだろうと思われます。
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