何やら奇妙な記事が出てきた。
【ワシントン共同】米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長が、トランプ前大統領の暴走による米中戦争突入を懸念し、中国軍高官に「米国が中国を攻撃することはない」と告げていたことが明らかになった。米メディアが14日、近く出版される米著名記者ボブ・ウッドワード氏らの著書の内容として報じた。
ロイター英語版はこれ。
大将トップが、トランプが戦争を引き起こすことを恐れて、中国に秘かに電話してた
U.S. top general secretly called China over fears Trump could spark war -report
私としては、別に驚かない。こういう時のために、米ソにホットラインってものがあったわけでしょ。その代わりと思えば変でもない。
つまり、政治状況によって、特に西側のメディアはまったく無責任に、戦争を煽るからこそ、こういう仕組みが冷戦期にできた。
悪意プロパガンダによって、その真意がどこにあるのかわからずに、それが本当の敵意だと認識されていくと、まったく予期せず核戦争になり得る、それは割に合わなすぎる、だからホットラインが設置される、という経緯。
現在のロシアとアメリカも、トランプが子ブッシュ同様、INF条約という米ロ間の枠組みをぶち壊し、唯一残ったSTARTという枠組みも時間切れで壊そうとしていた。しかし、バイデン政権がそれを拾って、米ロ間で話しが可能なチャネルが残った。
チャイナとアメリカの間は、米ロ間のように、よくも悪くも様々なことをやりつくした関係ではないので、現在構築中でしょう。
他方、統合参謀本部副議長は、最近、
ロシアと中国と戦争をするということは、世界を壊すこと、そんなことは望んでない、とアメリカの著名シンクタンクの講演で語っていた。
War with Russia & China would 'destroy world' & America must find ways to make peace with its Eastern rivals, top US general warns
■ シビリアンコントロール
で、予想通り、冒頭の、中国にお電話問題については、これはシビリアンコントロールの点からどうなんだ、みたいな意見を持った人々がtwitter上に出ている。
その人たちは、偶発的核戦争よりもシビリアンコントロールの方が大事だ、と考えているんだろうか?
結局、それらの、リアルな交戦を思い起こすことができない一般人が多数だからこそ、実は、ホットラインが必要だということですよね。
もし、それら一般人の声に従ってたら、冷戦期に地球は無くなってる。
シビリアンコントロールは魔法の杖ではない。
シビリアンコントロールは、ある程度の知識経験と、何よりもまず、破壊願望がない人がリーダー層として存在する時、方針は平和的解決へと向かう、ということでしょう。
稲田朋美のように、国民の生活第一などという政治は間違っていると言い放つ政治家がトップに立っていない時、シビリアンコントロールは期待される成果を確保できる。考えるだにはらわたが煮えくり返る。
兵の命、国民の生活
■ 軍人の方が冷静になってる世の中
で、近年、こういう事例が続いてますね。今年の春にもあった。
ロシアと戦争したがる愚行を強烈に非難する軍人
2016年の、ヒラリー派によるシリア攻撃の時の一幕は、とりわけ印象的だった。上院の公聴会でこんなやり取りがあった。ダンフォード将軍とは米軍のトップの人。シリアにロシア軍が出てきている中で、ヒラリーを含むリベラル勢が、シリアにno-fly-zone(飛行禁止区域)を設定しろとメディアを使って騒いでいた。しかし、飛行禁止区域を設定するとは、つまり、制空権を奪えということ。そこで、
上院議員:シリア上空を支配するというオプションはどうですか?
ダンフォード将軍:シリアの上空すべてを今支配するということになると、それは私たちに戦争することを求めます。シリアとロシアに対してです。それはかなり根本的な決定です。ですからもちろん私は決定できません。
宴の始末(13) 「飛行禁止区域設定するって、ロシアと戦争だよ」by 参謀本部議長
https://blog.goo.ne.jp/deeplyjapan/e/79c86b7edf2223d2a25343c87491b62
ダンフォード将軍:シリアの上空すべてを今支配するということになると、それは私たちに戦争することを求めます。シリアとロシアに対してです。それはかなり根本的な決定です。ですからもちろん私は決定できません。
宴の始末(13) 「飛行禁止区域設定するって、ロシアと戦争だよ」by 参謀本部議長
https://blog.goo.ne.jp/deeplyjapan/e/79c86b7edf2223d2a25343c87491b62
と、ダンフォードは正直に語ったわけです。CNNに出てるネオコンのおばちゃんなどは、それでもあきらめず、どうしてできないの?どうして、どうして、ユーゴスラビアではできたでしょ?、などと食い下がっていたが、大勢は、そんな危険なことをする意味がない、で終わった。
あらためて思い出して思うのは、日本の戦時中のことを思い出すと、これで下がれるアメリカ人は、総じていえば、まだかなり健全なところがある。つか、頭が勝ってる。
日本の1930年代後半なんかだったら、何をいいやがる、戦争できないんだったら職を辞するべきだ、ダンフォードの腰抜けめ、とかいう人たちが後を絶たず、大変な騒ぎになっていたでしょう。
いやいや、核戦争ですよ、と言ったところで多分だめ。日本人の場合、「そんなことはやってみなけりゃわからない」という、頭が勝たない論法が通ることが非常に多い。
日本が内包する異常な好戦性はなんとかせないかんと思う。
もう1つ、はっきりわかるのは、どこもかしこも、国ごとに一枚岩ではなく、ナチ&カルト日本みたいなタイプ(→ナチリベ&ネオコン)と、それは危険だと認識する集団が常に争っておるのだな、って感じ。
水戸学・国学とマルクス主義 ―自民党と共産党への提言
https://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/92fadbd321e1ce32330ae584f6bd1ed3
>絶対的に正しいと信じ込める「普遍的な理論」があると、それを認めず、その理論に反する行動をとるような人びとを、右派は「売国奴・国賊」、左派は「反革命・人民の敵」など呼び方は異なるものの、いずれも存在してはいけない人間と考えるようになり、極端にいくと「殺してもかまわない」と考えるようになってしまうのだ。理論の中身は違っても、思考のロジックは同じである。
この極端が、日本を支配してきた。
ていうかこういうアホが跋扈する日本社会は、実は「低学識社会」かもしれない。
そういうレトリックをいくらいじくっても、これは敗戦の否認とカルト支配という事実問題が先にある話なので、どうにもならないと思います。冷戦期はそれで足りたかもしれませんが。
日本の唯一の宗主国で国軍のクーデターが極悪戦争屋のアメリカ民主党やリベラルメディアなど知的エリートと組んで、密かに決行されたのですから大問題。捨て置けない
正当な選挙で選ばれた文民の政府を尊重するのが民主主義のイロハのイ。軍部が独走するなど弁護の余地がない。
リビアのカダフィをなぶり殺しにしたオバマやクリントンに比べればですが、グラマー美女大好きな助平で暴言王で大富豪トランプの方が良いとアメリカの知的エリートではない一般市民が考えたが、胡散臭い新コロ騒動ともっと胡散臭い郵便投票で選挙結果をひっくり返す。明らかにクーデターが勃発した
軍部のクーデター(反シビリアンコントロール)でも必ず悪とは断定できないことは明らかで、例えばパキスタンなど民間政治家よりも軍部が一番まとも。選挙で民間政治家のエリートを選んでも私利私欲で動くだけ。政権の腐敗が蔓延する
大学を出てもまともな仕事が無い。必然的に一番良い人材が集まるので軍部が一番革新的なので、アジアアフリカでは軍のクーデターでは民衆の願いである世直しが行われるが、それは、あくまで低開発国限定。
日本やアメリカなど先進国でシビリアンコントロールの否定は即アウト。
これは今問題となっている日本共産党「敵の出方論」云々と同じで、WW2直前のスペイン内戦には当てはまるが、敗戦後の日本では一言でも喋ったら即アウトなのです。これは60年以上前の昔話だが、今の共産党執行部は自己批判が足りないのですよ。お馬鹿タレント弁護士を批判する暇があったら、過去の党幹部を批判するのが先です。