いつものことではあるけど、アメリカがイスラエルを庇ってパレスチナの人たちの保護を求める決議案を葬った。
安保理「パレスチナ市民保護」を否決 米が拒否権
https://mainichi.jp/articles/20180602/k00/00e/030/241000c
【ニューヨーク國枝すみれ】国連安全保障理事会は1日、パレスチナ市民の安全と保護を求める決議案を否決した。米国が拒否権を行使した。米国はパレスチナ関連決議で拒否権を使い続けている。
内訳は、
決議案は、イスラエル軍との衝突でパレスチナ市民に多くの死傷者が出たことを受け、非常任理事国のクウェートが作成した。ロシア、中国、フランスの常任理事国3カ国を含む10カ国が賛成し、英国、オランダ、ポーランド、エチオピアの4カ国が棄権に回った。
英グループ vs ユーラシアの対立構造と同じですね。
でもって、米の方針は、ハマスこそ中東和平の障害だとかいうすっ飛んだ議論を、すっ飛んだあのヘイリー国連大使が展開。呆れるしかないんだがこの人たちはわざとやってるんじゃなくて、本気ですからね。
毎日の記事はここで終わりだが、実際にはもう一ラウンドあって、アメリカは独自提案を出したが、安保理15カ国中、11か国が棄権、ロシアともう2カ国が拒否して通らなかったようだ。これってつまりアメリカ以外誰も賛成しなかった提案だったということ。
During a second vote, when the US put forward its own rival measure, eleven countries abstained, while Russia and two others opposed it.
http://www.presstv.com/Detail/2018/06/01/563594/US-UN-Palestine-Israel-
ロシアTASSの記事によれば、アメリカしか賛成しなかったドラフトの方では、
ハマスとイスラムのジハードは、境界フェンス沿いの行動を含めあらゆる暴力的、挑発的活動を停止すべきだ、とあったらしい。
http://tass.com/politics/1007688
これはつまりまさしくイスラエルが自国領土の境界線からシリア側に多数配置していたISだのなんだりかんだりが、シリア軍(+ロシア+イランの将兵)の踏ん張りによって次々に拠点となってる場所を壊されてることから展開能力を失っていることに対する苦情でしょう。
■ なんとか形に出来るといいね
今後の見通しとしては、もしできればではあるけど、イスラム教徒の諸国がパレスチナの後ろについて、英米がイスラエルについて、という恰好でお見合いさせていく、って恰好ですかね。話し合う場を持たせるのはこの恰好しかないでしょう。
この不均衡を永続させないためにはアラブ or イスラム側も頑張らないとでしょう。イランだけでなくエジプトの奮起が求められる。
パレスチナ:保護者なしのツケを誰が払うのか不明
ロシアができるだけ中立的にいようとしているのは、諸々他にも理由はあるが、一人は大人が必要だからというのもあるでしょう。だってパレスチナ側に立っちゃったらアメリカと対決しないとならないわけで、それこそ行き詰まりになる(または人類的破滅になる)。
そしてこの話の開け方に、東部戦線におけるスラブ人、ユダヤ人、ロマ等々に対する極悪極まりない殺害事件と、それを隠したイギリスとその子分(カナダ)、アメリカの行動の問題は密接にかかわっている。だからこそロシア政府はここを解明しているんだと思う。前にも書いたけど、ロシア帝国周辺のユダヤ系ロシア人(あるいはポーランド人)といった人々は、100年前のイスラム国のようなものだという話。使われて、過激化した。
ネタニヤフとシオニズムと不滅の連隊
2カ月ほど前、ロシア財務省のザハロワ報道官は凄い、ビックリするようなブリーフィングをしていた。イギリスの政治的な犯罪について17ページのレポートを作って配布して説明してた。
それをアメリカのあるグループが目ざとくみつけてyoutubeで説明していた。下の画像はそのクリップ。右の女性がザハロワさん。
ざっと中身を訳すと
第二次世界大戦中、私たちは反ヒトラーの同盟だったわけですがUKの行動はいくつかの点で一環してるとは言えないかもしれないです。
いくつかの歴史的エピソードから、国際状況におけるUKの政策の本質には大きな疑義がつきつけられます。
例えば、ドイツのソ連侵攻前夜のルドルフ・ヘスによるUKへのミステリアスな飛行などがあげられます。
各国の歴史の中には不愉快なものが含まれるもので、それは将来世代が対価を支払って道義的責任を取ることになるんでしょ。しかし、英国のシークレットサービスは、この事案に関するすべての文書を100年間機密扱いすることにし、しかもしれが延長されています・・・
だそうです。
ザハロワ報道官の文書は入手したので、別途何か書こうと思う。いやなんか、すごいんですわこれが。
■ オマケ:ちょっとまとめ
このあたりの筋は、2016年にロシアでは大作のドキュメンタリーを作って放映していたようなので、証拠固めは終わってる件といっていいんでしょう。
ロシアのドキュメンタリー「ヨーロッパの解放」
「ヨーロッパの解放」雑感 (2)
で、その後、「開けられていなかったホロコースト」部分のウクライナのナチの存在がアメリカ側から開けれられた。
「UKRAINE ON FIRE」with オリバー・ストーン
と考えてくると、東部戦線の歴史解明はかなり進んでるし、現在に持ち越した腐った集団の特定も進んでいると考えるべきだろうと思う。だからこそ、UKは狂ってるし、ポーランドはもう外国軍の駐留を金払ってまで歓迎するという(日本みたいだが)ところまで落ちてきた、と考えれば辻褄があうと思う。