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見ようとせずにここまで来たウクライナ問題 & ロシア打倒願望

2022-04-21 04:53:46 | WW1&2
ウクライナで何が起こっているのかについての優れた日本語の記事をネット上で発見した。日本語といっても、英語のものを翻訳したもの。

スイスの元軍事情報将校「ウクライナで何が行われ、何が起こっているのかを実際に知ることは可能なのか?」

3週間ぐらい前のものだけど、概略をつかむには今でも十分だと思う。

オリジナルは、BOYD D. CATHEYさんという元スイス戦略情報部員だった人の記事。
4月2日、The Unz Reviewというポータルに掲載されたもの。


で、中でも語られているけど、今般の失敗に至る直近の道は、どうあれ「ミンスク合意」を西側諸国が徹底的に無視したことですね。そしてこれが、東部の住民を邪魔者として殺してもいいと考える右派集団の志向とマッチしている。

著者はこんなふうに語っている部分が、ある種のまとめかなと思った。

今日、私たちが目の当たりにしている劇的な展開には、私たちが知っていながら見ようとしなかった原因がある

・戦略的なレベルでは、NATOの拡大(ここでは扱っていない)。
・政治的なレベルでは、ミンスク合意の履行を拒否する西側諸国の動き。
・そして作戦面では、過去数年にわたるドンバスの民間人に対する継続的かつ反復的な攻撃と、2022年2月下旬の劇的な増加である。


ということで、だから、

ロシアの攻撃を嘆き、非難することは当然できる。しかし、米国やフランス、EUを筆頭に、私たちは、紛争が勃発する条件を作ってしまった。私たちは、ウクライナの人々や200万人の難民に思いやりを示す。それはそれで結構なことだ。しかし、自国の政府によって住民が虐殺されていたドンバスから8年間ロシアに逃げた同じ数のウクライナ人の難民に対して、私たちがほんのわずかでも同情していれば、おそらくこんなことは起こらなかっただろう。
[この部分は私が今訳しました。機械翻訳が意味を拾えてなかったのだろう、と判断]


そうなんですよ。もし、西側諸国のどこかが、2014年から2016年ぐらいに、あるいはドン詰まりといえども2021年に、ドンバスで人が殺され続けてますねんで! それもナチですがな、と怒鳴りだしていたら、ミンスク合意の重要性は国連総会でさえウクライナ問題の唯一の解決法だと認めているものなんですよ、と毎日毎日新聞が書き続けていたら、今日の紛争はもっと別の形を取っていたことでしょう。


■ 伝えようとした人々

そして、こんなにたくさんの人々が8年間の戦争準備に付き合わされて、人質となり地下で暮らす必要もなかったでしょう。

パトリック・ランカスターというアメリカ人の現地張り付きジャーナリストのマリウポリからの最新動画が地下の様子を映していた。

Mariupol Residents Accuse Ukraine Of Firing On Civilians  

こういう様子は、部分部分、ランカスターだけじゃなくて、ドンバスに住み着いたテキサスの人とか、2014年にドンバス取材中に重傷を負ったグラハム・フィリップとか、いろんな欧米人がこの8年間ずっと取材してyoutubeやブログで様子を伝えていた。ドイツ人女性のものも、心を打たれた。というか切迫感に涙が出た。

西側主流メディアがまったく伝えない、存在を無視し続けたウクライナ東部にずっと光を当ててきた人たちのガッツは本当に素晴らしい。

そして、何度考えても、どうしてこんなことが許されるの?とまだ思う。そんなことを思ってみても始まらない、だって西側なんだから、と頭ではわかっていても、これらの動画やら記事を見るたびに腸が煮えくり返る。


■ ロシアを勝たせるわけにはいかない

そして、次第に否定しようもなく明らかになるのは、西側の目的はロシアの打倒だ、というあたりでしょうか。ウクライナはその戦場の1つだったにすぎない。

昨日、NATO/EU各国の首脳がオンライン会議をしたそうで、その席で、ドイツのショルツ首相が、

「EUとNATOのパートナーと共に、私たちは、この戦争でロシアを勝たせるわけにはいかないという意見で完全に一致している

"Together with our partners in the EU and NATO we are completely united in the opinion that Russia must not win this war,"

と言ったそうだ。

Scholz says Russia can’t be allowed to win in Ukraine



一体、何をしているんでしょうか、この人たちは。

前から言ってますが、ドイツとフランスはミンスク合意をウクライナ政府に飲ませられなかった、または、その気が最初からなかった、そういう政府なので今般の事案の重大な責任者。

他方、ドイツの生産者物価指数は、3月の統計で対前年度比30.9%の上昇だそうですが、こういうのもみんなプーチンのせいで収まるんだろうか。

 


ロシアを勝たせるわけにはいかない、というのは、思えばゲッペルスの
総力戦演説のようなもの。



戦局が完全に行き詰まっているが、ドイツが負けるわけにはいかないのだと戦争の継続を国民に訴えるのと、ロシアに勝たせるわけにはいないのだと戦争の継続を語るのは表裏だ。

どちらも価値やイデオロギーが優先してる。

ということで待っているのは、経済戦争続行。石炭はもうやったので、石油、天然ガスの全面禁輸でロシアに金を落とさない!だろうか。ロシアの冶金産業にも制裁を課して禁輸ぽいことをしている。一体全体、どういう制裁なんだろうかと不思議でならない。

そういえばドイツは水素にかけるそう。これは、人造石油があれば大丈夫だ、に近いものを感じる。ナチスは人造石油には成功しているし使ってもいた(日本は自分ができると思ったほどの工業力がなかった)。

だがしかし、人造石油は今に続かなかったことを見ても結局効率性などの問題でホンモノ石油に勝てなかったんだろうと思われる。水素と石油・天然ガスも、なにかパラレルではなかろうか・・・・。

とてもへんな世界にいると思う。冗談にしたいほど。


■ 参考記事

スローモーションのバルバロッサが失敗したわけだが




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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
西側の総意でミンスク合意無視の結末! (ローレライ)
2022-04-21 09:16:57
西側の総意でミンスク合意無視のドンバスジノサイドか継続されてロシア文学挑発も継続した!西側はミャンマーやウイグルでのジノサイドを非難するより我が身を非難するべきだ。
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意図して無視されたドンバスジノサイド (ローレライ)
2022-04-21 12:46:50
西側ナチス諸国は意図的に無視したトンバスジノサイドはイスラエルナチスのガザ虐殺のパターンであった!ロシアのドンバス救援軍を非難することはウクライナ国にも西側ナチス諸国にも正義はない!
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Unknown (一読者)
2022-04-21 13:14:36
OHCHRやOSCEの作成したウクライナにおける人権侵害のレポートを読んで戦慄しました。
ウクライナでは軍・警察・情報機関・検察・裁判所が一体となって親露派に対する拷問・強姦・処刑が行われています。
親露派の戦闘員だけでなく無関係な一般市民まで突然拘束・拉致され拷問を受け不具にされるか「失踪」(処刑)させられるのです。
74歳の老婆が「テロリスト」として拷問を受けたり息子が拷問を受けている場に父親を連れてきて悲鳴を聞かせたりさせていると言います。
親露派を釈放した裁判官は右翼の圧力を受け命令を撤回させられた上クビになりました。
なぜこんな国が我々の仲間なのですか?なぜこんな政府を支援しなければならないのでしょう?
「独裁者」ヤヌコビッチを追放し「民主化」した結果がそうだとするならウクライナの一般大衆も同罪です。
西側諸国はシリア難民を拒否しウクライナ難民を歓迎しましたが逆でしょう。
シリアは独裁国家でウクライナは民主国家だと言うならシリア人は独裁の犠牲者と言えるかも知れませんがウクライナ人はファシスト政府の加担者です。
ウクライナ難民にこそこう言うべきなのです。「お前らの自業自得だろ」と。
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Unknown (kiyo)
2022-04-22 00:28:13
祝、マリウポリ解放。ナチ封じ込め。
「ウクライナの戦闘員は、確かに民間人を撃つことが許されている。<…> この国は、8年間ずっと同調させられていた。ドネツク、ルガンスク、ロシアは敵で、アメリカは兄弟だと言っていた。そうして、すべてのチャンネルがちょっとでも違うことを言い出したら、すぐにブロックされる」と捕虜になった軍曹が言ってます。

マックス・ブルーメンタールの「”裏切り者が一人減った”  ゼレンスキーは、政敵の暗殺、誘拐、拷問キャンペーンを監督した」の翻訳。
https://quietsphere.info/zelenskys-crimes/
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Unknown (kiyo)
2022-04-23 13:08:34
ネオナチ、テロリスト、頭のおかしな連中を片付けてくれているロシアにありがとう、と言いたいです。
テレビとか新聞しか見ない人は全く別の現実を見ているわけで、話がかみ合う訳がありません。
ところで、アゾフスタル地下、換気はどうなっているのでしょうか。ふさげば、、、内輪もめで殺しあっていたりして。
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何時まで続くアホな、非道な戦争。 (地球戦国)
2022-04-23 16:19:27
ドイツが負けるわけにはいかないのだと
結果は敗北。

ロシアに勝たせるわけにはいないのだと
「あれ~、買わない路線じゃないのぉおおおお?」(DEEPLY JAPANさんのTW)

ロシアを叩き潰すために、非道の限りが。西側の人々は真実を隠され、非西側の人々の多くは真実を知っているんでしょうかね。ロシアの勝利とは真実を世界に向けて暴露する事ですかね。そうあって欲しい。狂った西側、日本も含めて、と思う次第。

ロシアのガス無しで、欧州は今の生活を維持は出来ないでしょう、その事を指導者層は絶対に自覚していると思うのです、経済制裁は己の首を絞める、これ私の実感です。買い物リストを妻が作成し、私がスパーに出かけました。ですが今は妻が出かけ、値段を見ながら安い物を購入し、その食材で料理を作る。食べたいものを作る、そんな事もう難しい現実。ケーキを焼く小麦粉すら十分に手に入らないのです。
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悲惨、悲惨そして悲惨 (地球戦国)
2022-04-24 18:21:27
DEEPLY JAPANさんがリツイートされたKUMIさんのツイートの一部、

「ゼレンスキーの女房と子どもらはここに来て地下室に隠れてみろ。チェレムスキの子どもたちがそうしたように、水道水じゃない、下水の水を飲んでみろよ。」
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ロシア中銀 (眠り葦)
2022-04-25 13:49:07
 爾来すべての記事タイトルに顔をそむけるようになっていた日経ビジネス・オンラインにあった記事について報告します。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00122/00167/?n_cid=nbpnb_mled_mpu
 2022年04月19日の上野 泰也、みずほ証券チーフMエコノミストによる記事です。記事タイトルは気に入らないのでスキップします。

 対ドル・対ユーロで一時急落していたロシアの通貨ルーブルが反発し、ロシア中央銀行は、自国通貨防衛のために発動していた緊急措置の一部を解除した。2015年にユーロマネー誌が今年の中央銀行総裁に選ぶ、有能ぶりが米欧金融界で知られているエルビラ・ナビウリナ総裁が手腕を発揮した結果として認めざるを得ないという話です。目を見はったその内容は、次のようです。

 米欧が対ロシア経済制裁に動く中、為替市場でルーブルが急落したため、通貨防衛を目的に、9.5%から20%への緊急大幅利上げに中銀は動いた。通貨が弱すぎると輸入品が値上がりしてインフレ率が高くなり、庶民の暮らしが圧迫される。ナビウリナ総裁は記者会見で、「外貨準備などの利用が制限されることになった」と、外貨売りルーブル買いの為替介入が難しくなったことを事実上認めた。だが、「現在、ロシアの金融システムと経済は全く異常な状況にあり、中銀は柔軟に必要な手段を講じていく」と、ナビウリナ総裁は述べた。

 20%への急激な利上げは市場で投機的なルーブル売りがかさむのを抑止する効果がある。空売り目的でルーブルを調達すると非常に高い金利が課せられるので、ルーブルのショートポジションを長く抱えているわけにはいかない。

 4月11日にロシア中銀から議会への年次報告で明らかになったことだが、ロシア中銀は外貨準備のドル比率を一段と引き下げていた。1月1日時点でドルが1年前の21.2%から10.9%、ユーロが1年前の29.2%から33.9%、人民元が1年前の12.8%から17.1%である。

 ロシア財務省とロシア中銀は資本規制を導入。輸出企業に対し、対外貿易売上高の80%に相当する外貨を強制的にルーブルに換えることを義務付けた。輸出企業が外貨のまま抱えていることを許容せず、為替市場で実需の外貨売りルーブル買いが大量に出てくるように仕向けたわけである。銀行による外貨販売禁止、外国銀行から送金された資金を市民が口座から引き出す場合はルーブル建てに限定する措置がとられた。

 4月8日、政策金利は17%に引き下げられた。ロシア中銀は、当面の間は金融の安定が脅かされるリスクは高まっていない、今後さらに利下げする可能性はあると説明した。次回政策決定会合は4月29日に予定されている。資本規制は緩和され、個人による現金での外貨購入が認められたほか、証券会社を通じて外貨を購入する際の手数料12%が廃止された。

 ・・・そうです。

 ナビウリナ総裁はロシア軍ウクライナ進出後に辞意を表明したのをプーチン大統領が拒否して引き留めたと3月23日にブルームバーグが報じ、ロシア中銀報道官は否定したそうです。三期目の続投をプーチン大統領が提案したことは18日に明らかになっていたそうですが。
 ウォール・ストリート・ジャーナルは4月11日にナビウリナ総裁特集記事を掲載、ロシア軍が動いた数日後にロシア中銀のスタッフ向けにビデオで演説し、疑念は脇に置いておき「ロシア経済を救うと」いう職務に焦点をあてるよう促したという。

 ・・・ブルームバーグとWSJは、彼女個人は政府が軍を動かすのに賛成ではなく、プーチン大統領に辞意によって抵抗したという話を入れたいのでしょうが、ウクライナ事案をロシア内の経済的社会的動揺による政変に変えるのが目的であるMI6とCIAの経済戦争戦略を阻止するのに重要な役割を果たしたのを、プロフェッショナリズムのあり方として称賛せざるを得ないのに苦笑しました。
返信する
ウィルソン・センターらしいですが (特命希望)
2022-04-25 17:25:43
ウクライナとロシアの歴史的関係や政治的意見を述べてる人のスレッド(日本語訳)を見つけましたが、皆さんどう思われますか。ソ連当局に「弾圧」されて亡命してきた人を「最後の偉大な」詩人とか、アメリカのシンクタンクであるウィルソン・センターとか、背景に注意が必要だと思いますが。
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飲水 (地球戦国)
2022-04-25 18:17:06
遠い昔、マラソンやクロスカントリー界で素晴らしい選手がいるのだろうかと不思議でならず、ケニヤに行った。滞在先は主にナイロビだった。大学のグランドへ行ってみた、グランドの角に水が湧いていた。よく見るとそれは水道管が地面と同じ高さで流れていて、それが湧き水の様相をなしているのだった。喉を潤すために、動物の様に四つん這いになり、飲んでいた。びっくりした。こんな環境で世界のトップクラスの選手が誕生していたのだ。水道水を飲水として利用する先進諸国の人々、水利用全体の極微量だろう。風呂やトイレ、洗濯炊事、工場での製品洗浄等、飲み水以外の用途として非常に大切なものだ。マサイ族の子供たちにとっても大きな日課は水汲みだった、それは飲料水として。ヒ素を含んでいるかも知れ長い、だが新鮮な水がどこかで手に入っていた。

それを思うと、地下に閉じ込められ、下水の水入を飲んで生き延びてきた人々。なみだがあふれる。
誰が閉じ込めた、そして誰が開放した。ロシアやプーチン大統領がさらに人間の同胞を開放してくれることを!!!!

戦争ジャーナリズム、もう糞の糞。
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