ふと誰かのtweetを辿っていって731関係の記事が目に入ったので、ちょっと読んだ。
9月上旬にロシアが関東軍の731部隊周辺の文書を機密解除して、さらにハバロフスクでシンポジウムをやったことを、1週間ぐらいたって毎日新聞が書いたもの。
731部隊や関東軍の文書公開 ロシアが歴史問題で日本けん制か
まず見出しを見て思ったのは、なぜ、昔の文書の提示が、日本牽制か、になるのか?
世界各国それぞれ持ってる文書をしばしば解除するが、いちいち日本がらみの文書で、日本を牽制か、などと書いているか? むしろ、アメリカから出た場合など、我々にも対応が迫られる、みたいな恰好で、自らの過去隠蔽についてひとくさり語るのが、これらいわゆる「リベラル」などと称するメディアだったように記憶する。
だがしかし、ロシアだと対応が異なるものらしい。
もう1つは、そもそも、なんでロシアが日本を牽制しないとならないのだろうか? 日本とロシアの関係は非常に薄い。貿易関係も限定的だし、人的交流も薄い。日本が鉱物資源を買っていることが最も大きな取引、といったところだろう。そこで何を牽制するのだろうか?
プーチン政権は北方領土交渉で、「第二次大戦の正当な結果として北方領土の主権がソ連に移った」と主張するなど、しばしば日本に対し歴史問題を取り上げてきた。学術会議にオンラインで参加したナルイシキン氏も「日本が大戦の結果を認めることが、最も敏感な問題も含めて露日関係を新たな水準に発展させる基礎となる」と発言。ソ連軍による北方領土の不法占拠を訴える日本の立場をけん制した。
などとあるわけだけど、論旨がわけわかめだ。
で、北方領土交渉というのは一体何なのだろうか? それは講和条約未締結問題ではないんですか? もう何度も書かせるなよ、って話ですが、そここそ欺瞞ですからね。
つまり、日本は、ソ連を騙して国連加盟を達成したので(講和的なことにまではなった)、その後は勝手に「北方領土」などという名前を開発して、以降、ヤクザと共に日本国民にソ連の不法占拠を刷り込んで今日がある。
そこを変えないかとプーチン政権は何度もアプローチしたが、日本側はかたくなにデマ情報を流して適当に流した。だから、もう日本は第二次世界大戦について、ついに講和条約を締結できずに終わるでしょう。ロシアのラブロフ外相に、「第2次大戦の結果を認められない唯一の国」と言われたところで当面お終いでしょう。
第二次世界大戦の成り行きを知らない唯一の当事国
ということなので、ロシアの側にはこれ以上別に日本が何かしてくることを期待してはいないと思われる。
なんでもかんでも、日本が関係すると自分が牽制されていると考えるのは、もはや、思い上がりにすぎないのではないのか、などとも思う。なぜなら、極東戦線は日本人とロシア人しか関係ないわけではないから。知りたいと思う人は他にも多数いる。
■ 戦後のWWII解説は嘘が多すぎる
で、ではなぜロシアがこういう展示をしているのかといえば、それは単純なことで、第二次世界大戦について、西側が嘘ばっかりついてきたため、それを否定して、持ってる文書を公開してしっかりとした事実関係を確立する、という折りからの取り組みの一環でしょう。
簡単にいえば、ノルマンディーが分岐点でした、の類のマスコミが作っちゃった嘘話を訂正している。
WW2の決定的な勝者はソ連だよと人々が言うの巻
そして、ロシアは、従来、東は東、西は西で語られがちだった第二次世界大戦を全体として見てる。したがって、極東側の、東京裁判、ハバロフスク裁判も入れて語られるようにしている、ってところだと思う。
BS1スペシャル「731部隊 人体実験はこうして拡大した/隊員たちの素顔」
そんなことより、国内で主流となる事実関係を認めない人々が多数いる方を考えるべきでしょう。もちろん、全部ソビエトの嘘だというのなら、そう言えるだけの根拠を示すべきでしょう。
しかし、アメリカ人の方は、うちにデータがありました、と言ってるわけだし、たびたびいろんな文書開示もしている。
731部隊再放送「歴史的資料はすべて我々の元にあったのです」
まぁ、731はいわゆる宮田参謀の問題もあるし、そもそも総軍は天皇直隷であることから、日本側では触れたくない問題がここにもある、というのは理解するけど、いつまでやってるの?って感じ。
■ 細菌戦
で、もう1つは、言うまでもなく、一般人相手に細菌だのウィルスをまいてやれ、などと考えて研究に打ち込んだ集団について、もっときっちり記録を正そうと思ったんじゃないかと思われる。
なぜなら、結局、こいう行為を是としてきたことは、今後にとって良い指標ではないからだと思われる。過去のことではないでしょう。これは折りからのコロナの含みもあるし、シリアがらみで明らかになった通り、化学兵器禁止機関を政治的に使う英米をなんとかしないとならない、と真剣に思ってると思う(ナワルニーのケースはこれがらみでもある)。
twitterをみてたら、日本人の人のtweetでこんなのがあった。
731部隊ってのは人類史的な恥なわけで、その直系の後輩をセンセーセンセーと崇めてるなんてのは頭のおかしなことなんで。
— マンヤオベガススタイル (@Nishimuraumiush) September 18, 2021
戦争責任がどうのこうのとか諸外国に対してどうのこうのって話がしたいんじゃないですよ。「俺たちは秀才だから歩兵や政治家と違って戦犯にならない」って態度がマズいのです
私もそう思う。
百万歩譲っても1945年までの行動を正常だとみなすことは難しいが、でも、それを上回る恐ろしさは、それを隠して、わざわざ人体実験データを米軍との取引材料にして我が身の保身を図った集団を、その事実さえ確定させず、放置していることでしょう。まさに恥。そして、危険だ。
■ 731関係のドキュメンタリー
去年2020年には、ロシアRTが、731関連のドキュメンタリーを作って放送してた。これはyoutube版。
Japan's secret Unit 731 – where biological warfare was conceived | RT Documentary
[youtubeからは見れなくなったが、RTのサイトからは見られる]
歴史的映像資料も使われていて見ごたえがある。個人的には、1945年8月のソビエト侵攻時の映像は初めてみたものばかりだった。(28分あたりから)
それ以外では、この取り上げ方で、おそらく多くの視聴者にとって新しかったと思しきは(このブログじゃ始終言ってますが)、WWIIの終わりに、ドイツから多数の科学者、技術者、スパイ、そして明らかに惨い犯罪を犯した多くの人を勝手に許してアメリカの協力者にしたことと同様に、極東でも、これらの恥知らずの実験をしていた人々をアメリカは協力者として匿った、と描いたこと。
ソ連は731部隊の上層部の出頭を求めたがアメリカに拒否されたことも言及してる。
アメリカがなんでNAZIの犯罪者の楽園になっていったのか、という本を書いたアメリカの著者が出てきて、ナチとの対比をまとめていた。
この本は2014年に出版され、結構衝撃的に迎えられたと記憶する。
今、Amazonでこの本を見たら、297もコメントが付いていた。こんなスケールでこんなことが起こっていたとはと、そりゃやっぱり知った順にみんな驚く。
ということで、731の話は、日本人とロシア人と中国人だけの話じゃないわけです。
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ほんとに、なんてか、いくらなんでも、よりによって、悪い奴ばっかりそんなに集めてどうするんだろう?って感じ。
一般アメリカ人は怒っていい。
この事を誤魔化すために様々な理屈を並べていますが,その一つにソ連は講和条約に署名していないというのがあります.実に便利な片面講和です.しかしたとえそうだとしても,一度は南千島を放棄したという自覚があったという事実は覆せません.また,それは外務省が講和に向けてアメリカに提出した非公開文書の中に書かれていると考えられます。これらが未だに非公開なのは日米にとって不都合だからでしょう.
しかしこれらのことはむしろ付加的なことであり,日本は1945年9月2月にソ連に対して降伏したという事実が先に認識されるべきでしょう.この事実を日米が黙殺し,日本国民に歪曲して教育したことと,アメリカが日本の戦争犯罪を不問にしたこと,そして日本がアメリカの原爆投下という戦争犯罪を不問にしたことは深く繋がっていると思います.
何年か前、ブルーバックスで「水とは何か」という本を読んだ時、1952年に日本生理学雑誌に京都府立医大の教授が発表した論文について書かれていました。この教授は731部隊で低温生物学か何かの研究をしていたらしく多くの若い中国人を実験に使ったそうです。学童、赤ん坊、生後三日の新生児までです。少しの後ろめたさも反省もないようです。この本の著者が物凄く批判していました。
日本人て何なんだろう?すぐにナチス化カルト化しそうな民族なのでしょうか?
このブログで、今まで疑問に思っていた事、そう言うことだったのかと理解出来、心から感謝しています。しかし、家族は誰も理解しませんね。孤独になりますが、それでも真実を知りたい。
この本に「現在でも適当な名目の下に色々な形で人体実験が行われている」と書かれていました。