雨の日に拾われた猫の話

2006年初夏、しとしと降る雨の夜に拾われた二匹の子猫。
リツとコトと名付けられOL一人との同居生活が始まった。

311回想 ~その4~

2011-04-25 22:21:47 | リツ
原発から20キロの避難区域内の家畜が殺されてしまうという衝撃の報道。
まごころこめて育てた牛や馬や鶏を、そんな風にされて大丈夫な畜産家の方はいないだろう。

私の高校の隣にあった大学では馬・豚・ヤギ・ヒツジ・鶏・犬・ウサギ…などなど沢山の家畜(?)を飼育していた。
あの学校が福島第一原発のちかくにあったらどうしただろう。
私が高校時代溺愛していた馬、パーフェクトワールド(牝馬 鹿毛)が避難区域内にいたら、私はどうしていただろう。
あの子に毎日会えないなんて、生きていく価値がないと思えるほど大好きだった馬。

畜産家の方々の心を思うと、私まで張り裂けそうだ。










さて、先日の続き。
荷物を引き上げクライアント先のビルを出てまず向かったのは、徒歩10分以内にある新幹線の仙台駅。
どうしてもはずせない予定が11日の夜にあったため、なんとしても東京に戻りたかった私。
しかし、駅の周辺は人がごった返していて近づくことができなかった。
それでもなんとか駅に向かってにじり寄っていると、正面から来た男性が親切に教えてくれた。
「駅には入れないよ。新幹線もしばらくは無理だ。」と。
その頃から強い風と雪が舞い始めた。











とにかく、情報収集&安否連絡をするために落ち着ける場所を探そう!ということになり、
たどり着いたのが仙台駅から徒歩5分のシティホテルの外のスペース。
街路樹の周りにベンチがあり、とりあえずそこでパソコンを開くことにした。
携帯はすべて利用できなかったが、パソコンの通信に使用しているEmobileの電波は生きていて、
取り急ぎ職場にはチームメンバー全員無事であることを連絡できた。











そうこうしているうちに雪で視界が白くなり、キーボードを打つ手がかじかんできた。
それでも、カフェもショップもコンビニさえ開いておらず、寒さをしのげる場所はない。
途方に暮れかけた時、シティホテルのスタッフさんがホッカイロとバスタオルを配ってくれ、
それから1時間もしないうちに、安全確認の取れたホテルロビーに招き入れてくれた。
電気は通っていないが、雪と風と寒さをしのげるだけで、そこは本当に天国のようだった。

そして、そこが私たちチームと、一緒に避難することになった大勢の人たちのつかの間の我が家となった。
















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