マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

モンゴルの17歳の少女、女流王座戦に登場

2019年06月09日 | 将棋

 モンゴル出身の17歳の少女トゥルンフ・ムンフゾルさんが、女流タイトル棋戦の一つ女流王座戦の一次予選に登場し、5月11日に渡辺弥生初段と対戦した。

 私は大学時代将棋部に所属し、卒業後は通信教育でチェスを学んだことがあった。将棋とチェスはルール上細かい違いはあるがそのルーツは一緒、ということもあり、日本では将棋とチェスの両方を楽しむ人が多い。将棋の
プロにしてチェス界で活躍する棋士もいる。羽生九段などその最たる例だろう。
 
NHKスペシャル『天使か悪魔か 羽生善治人工知能を探る』で羽生九段が天才科学者と呼ばれるデミス・ハサビス氏とチェス対戦をする場面を観た人も多いだろう。その羽生九段は1999年~2000年代中盤頃には積極的に海外の大会へ参加し、FIDE(国際チェス連盟)マスターを獲得していた。2014年には元世界チャンピオンガルリ・カスパロフ氏と対戦したこともあった。(写真:左ハサビス氏、右羽生九段)
 この対局を見たのがきっかけでチェスに興味を持ち、僅か1年でチェス全日本快速選手権で優勝した将棋棋士が青嶋未来四段。1年間で選手権優勝と言う快挙に、将棋プロの天才振りが窺える。

 逆にチェスを始めてから将棋に興味を持ったり、チェス界で活躍中にも拘わらず将棋を始めたという外国人もいる。
 2017/9/2のブログに登場させた、ポーランドからの外国人女流棋士カロリーナ・ステチェンスカさんは漫画『NARUTO-ナルト』の登場人物が将棋を指し、取った駒を使えることに興味を抱いたのが切っ掛けで将棋にのめり込み、2012年日本にやってきた。大変な修行の後2017年2月に晴れて日本将棋連盟の女流棋士となったのだ。

 さて、お待たせしました。これから書こうとするのが、モンゴル生まれの17歳の少女のこと。名前はトゥルムンフ・ムンフゾル。チェスではウーマンFIDEマスターの称号を持っている。その少女、父が読んでいたロシア語の本から将棋に興味を抱いた。彼女はインターネット将棋対戦サイト・81Dojoで行われた海外招待選手選抜大会で優勝し、たった一つ用意されていた女流王座戦参加の枠に滑り込んだ。(写真:右北尾まどか二段、左ムンフゾルさん)


 私はその一戦をライブ中継で観戦していた。振り駒の結果先手となったトゥルムンフさんは積極的に攻めていき大乱戦となったが、渡辺初段の巧妙な受けの前に108手で投了。無念の敗退となった。
 井出四段の解説「ムンフドルさんの工夫が凄かった。
プロも感心する指し回しで、これはもしやと思わせましたが、最後には渡辺女流初段が勝ちきりプロの貫禄を見せました」。(写真:ムンフゾルさん投了の場面)






 終了後にインタビューを受け、彼女は「将棋を覚えたのは12歳です。チェスと違って取った駒を使えるのが楽しいです。81Dojo(ここの4段)や本で学んでいます。来年も参加したいです。チェスではグランドマスター、将棋ではプロになりたいです」と語っていた。新星現るの観がする。
 かって日本のお家芸と言われていた囲碁・相撲・柔道などで日本は後れを取ってしまった。将棋でも外国人が活躍する時代がやって来ないとは限らない。ステチェンスカさんやムンフドルさんの登場が初めの一歩となるか否か。こちらからも目が離せない。


チェックメイトを楽しむ

2019年06月05日 | 将棋

 将棋の”詰め将棋”に相当するのがチェスの”チェックメイト”問題。最近ではスマホで毎日チェックメイトの問題を数題解いているが、実はそれには訳があった。

 タブレットiPad上の「日本将棋連盟ライブ中継」でほぼ毎日将棋を観戦している。それには毎月550円ほどかかる。その費用の支払い方法は何種類かあるらしいが、私はApple社のプリぺードカード「App Store  & iTunes」を購入して来て、iPad内蔵のカメラでコードを読み取らせている。主として3000円のカードをコンビニで購入している。(写真:昨夜羽生九段が永瀬叡王に勝ち、勝利数1434で単独1位となった瞬間の局面)




 観戦有効期間が過ぎ、再度支払いのため
2ヶ月ほど前コンビニに出掛けカードを購入して来た。帰宅してそのカードをよくみると何とグーグル社の「Google play」だった。この頃よくあるミスだが、要はボ~ッとしている時が増えているのだ。そこでそのカードを買い取って貰おうと「大黒屋」に出向いたが「それは出来ません」と言われた。意外だった。「どうして?」食い下がる私に、「そのカード既に読み取られてしまったものかどうか確認出来ませんから」と言われ、納得した。







 そのカード1ヶ月ほどは財布の中で眠っていたが、ふと気が付いた。私のスマホのOSはandroid。グーグル社が開発したOSだ。こちらに読み取らせることも可能だと気が付いた。そこでスマホの方に”入金”し、さてどんなアプリを購入しようか考えた。
 この頃図書館で『チェックメイト次の一手』
などを借りてきて問題を解き始めていたから、それに相当するアプリはないか捜すとあった。「Chess Tactics Pro」とかいう960円のアプリだった。使い始めて分かったが、問題はレベルが1~3まであり、問題は全部合計するとで3500題も載っていた。

 そのうちのレベル1とレベル2の問題を解いている。そのほかに「DAILY」問題が毎日6題更新されるから、問題数は尽きることは無い。バスの車内で解くことが多いが、これに関しては本よりスマホの方が便利だ。初心者に向いてるアプリで解くのが楽しい。
 
 今日の一葉:上野公園噴水前広場で。
 

 


藤井聡太七段昇級の可能性は?

2019年03月05日 | 将棋

 将棋の今季C1クラスの最終順位戦が2時間ほど前に開始された。
 藤井聡太七段は2月5日(火)に行われた対近藤誠也五段との一戦に敗れ、順位戦連勝が18で終わっただけでなく、B2クラスへの昇級も厳しくなってきた。そのことを心配する方から「藤井少年の昇級の確率はどのくらい?」と尋ねられ、紙と鉛筆のないところでは上手く説明出来なかった。
 その後、表を作成すれば一目瞭然で、可視化することにより、他の棋士の昇級確率やその他の事象の確率も求めやすいと気が付き、エクセルで下記表を作成した。
 
 昇級の可能性のあるのは、近藤・杉本・船江・藤井の4人に絞られ、4人とも8勝1敗で並んでいるが、最終結果によりこのうちの2名のみが昇級できる。相星(勝数負数同じ)場合は順位順に昇級者が決められる。どの棋士も相手に勝つ確率を1/2として確率を考えた(表での可能性は皆同じと考えた)。
 4人の勝と負の可能性は表にあるように16通り。そのうち藤井七段の昇級は青印と赤印の4つの場合のみで、その場合の数は4だから、確率は4/16=1/4 で、近藤五段のそれは12/16=3/4 、杉本八段のそれは10/16=5/8 、船江六段のそれは6/16=3/8。4人の確率合計が1にならないなと訝しく思っている方がいるかも知れないが、昇級者は2名なのでこの場合の確率合計は2となる。
 杉本・藤井の師弟コンビが両者ともに昇級を果たすのは赤印の場合のみで確率は1/16となる。
 この最終結末は明日になるかも知れない。果たして鑑定やいかに、ではなくて果たして昇級やいかに。興味津々と深夜まで行方を追いましょう。


広瀬新竜王のこと

2018年12月23日 | 将棋

 広瀬竜王は『広瀬章人の一喜一憂ブログ』(http://blog.livedoor.jp/henry12/)と題するブログを書いていて、私は毎日そこを訪問している。更新は毎日ではなく、平均して4・5日に一度。それを読んだ感想は「謙虚で控えめな人」。例えば2016年暮れには入籍結婚されていたが、2017/1/27のブログで「ネットのニュースにある通り本日将棋連盟の方に結婚したことを報告させていただきました。実は昨年末に入籍を済ませていたのですが昨日に師匠とご一緒させていただいたタイミングで発表することにしました」と、そのことを紹介しただけで、派手になりがちな結婚披露宴を開いてはいないはず。
 最近出来た叡王戦という新タイトルのトーナメント戦にも登場し、白鳥士郎氏のインタビューを受けていて、その中で編集部は次の様にコメントしている。
 「将棋界一の心優しき男。広瀬八段というと”いい人”というイメージがあるが、まさにそのまんまである。初対面の相手でも気遣いができる大人の中の大人だ」と。人間的には素晴らしいのだが、勝負師としてはそれで大丈夫だろうかと、失礼ながらファンの一人としては心配し続けてきた。

 結婚された頃から快調に勝ち始め、2017年には「朝日杯将棋オープン戦」決勝まで勝ち進んだ。その時の対戦相手が藤井聡太少年だった。この対局はマスコミに大きく取り上げられたから知っている方も多いだろう。その対戦は藤井少年ばかりにスポットがあたっが、広瀬八段に注目した記事もあった。藤井聡太七段のファンでもある私は藤井勝利を喜んだが、広瀬ファンでもある私はその記事を読んでそれも嬉しかった。少し長い文だが引用しておきたい。(写真:決勝を終えての公開感想戦での二人)   
 『・・・
公開で行われた決勝の感想戦では敗戦の直後にも関わらず、広瀬は心境を隠さず明かして何度もファンを喜ばせた。「(対局中、解説担当の)佐藤名人に代わってほしかった」・「藤井さんを応援している皆さんと、ひとりぼっちの私」と自虐気味に話し爆笑を誘う。「多くの棋士がいつ藤井さんと当たるかという心境かと思うんですが、こんな大役を担う感じになるとは思わなかった。私には荷が重かったかなというのが正直なところ」とはほぼ本音だろう。この日は結果として名脇役を演じることになった広瀬だが、同時にその実力とキャラクターで多くのファンの心をガッチリつかんだ。いつか8年前のように、いやそれ以上のスポットライトを浴びるときが来るだろう』と。その予想は早くも実現しての竜王。新竜王は「妻の支えあってこそ」とコメントしていた。その言や良し。

 羽生さんが無冠となり八大タイトル保持者は、二冠の豊島王位を含め七人に分散された。40代が一人、30代が3人、20代が3人の7人である。マスコミは群雄割拠とか戦国時代とか表現している。そこへ10代のタイトル保持者がいつ登場するのか、今後の棋戦を観戦するのが楽しみだ。
 2016/06/07のブログで私が好きだと紹介した3人の棋士は、3人とも30代のタイトル保持者となった。(写真:佐藤天彦名人誕生を祝う会で。仲良しの、左から佐藤名人・渡辺棋王・広瀬竜王)

  追記:新竜王は”鷹揚”と揮毫したそうだ。このことについて、広瀬は「落ち着いて悠然としているという意味なので、私自身の性格を表すという意味を込めました」と述べた。成程鷹揚な性格がピッタリかと感心した。


広瀬八段、新竜王へ

2018年12月22日 | 将棋

 広瀬章人八段、竜王位獲得おめでとうございます。羽生さん、捲土重来を期待しています。
 羽生永世七冠のことは好きで、尊敬もしていて、著作も数冊読んでいる
。しかし贔屓の若手にタイトルをとって欲しかった。  
 広瀬八段を初めて知ったのは2015年11月10日の読売新聞の記事だった。「未来開けた進路相談」と題する記事で、彼は母校「成徳大学高校」を訪問し、かっての担任と再会していた。棋士の道一筋に歩もうか、大学と将棋の二本立ての道を進もうか迷っていた彼に、担任は強く大学進学を勧めたそうだ。そのアドバイスに従い彼は早稲田大学教育学部理学科数学専攻へ。それが結果的に良かったと、報告方々感謝の気持ちを担任に伝える為の母校訪問だった。卒業後初めての訪問だったと記憶している。元教員としてはこの様なことを知ると嬉しくなる。(写真:竜王戦第7局を終え、感想での左広瀬、右羽生)
 大学で学ぶ数学は高校時代とは違い証明が多くなる。それもあってか勉強から一時遠ざかったりはしたが2年遅れで大学卒業。大学入学とほぼ同時に将棋のプロとなった彼は大学6年生時(2010年)に将棋タイトルのひとつ王位を獲得。大学生のタイトル獲得は史上初だった。彼が大学で数学を学んだ事を初めて知り、それ故、彼のファンになったのだと思う。(早稲田卒の二人。左広瀬、右中村)

 彼の得意戦法は穴熊だった。飛車を定位置から他の位置に振る”振り飛車”。穴熊振り飛車を引っさげて高い勝率をあげ、王位を獲得。だから”振り穴王子”が彼の愛称だった。そのころ”〇〇王子”という呼び方が流行っていた。ハンカチ王子もいた。しかし振り穴王子は、翌年の王位防衛戦で羽生永世に敗れた。穴熊戦法では羽生永世には通じないと悟った彼は振り飛車戦法から、飛車を定位置に置いて戦う居飛車党に転向。しかしなかなか新たなタイトルは獲得は出来なかった。(続く)