三島から修善寺方面へと延びている鉄道の名前を駿豆(すんず)線と呼ぶことは今回の旅行で初めて知った。実はこの線に過去に2度乗車していた。最初は1967(昭和42)年3月の、大学の卒業旅行で、7人の友との観光旅行だった。もう一度が2014(平成26)年、山仲間との天城縦走からの帰路に利用した。いずれの旅行でも天城トンネルを潜らずにトンネルの上を越えて行った。5月19日(土)に放映された「ブラタモリ」で、タモリ一行は天城トンネルを潜っていたが。 その駿豆線の時刻表を調べていた時に、「無料の踊り子号」が一日に2本走っていることを知り、鉄道マニアの、指圧をお願いしている水野さんに話した。まさか知らないだろうと思っていたが先刻ご存知で、「東海道線から駿豆線に乗り入れる為に三島駅のホームは少し抉れているのです」と教えてくれた。そのことは今回の旅行で是非確かめようと考えていた。
9時丁度に東京を出発した踊り子105号は熱海で、下田へと向かう「特急踊り子105号(10両編成)」と修善寺へ向かう「私鉄無料特急105号(5両編成)」に分離する。後者は東海道線の熱海→三島間の特急料金と指定席は有料だが、三島から先の特急代金は無料なのである。通勤・通学客への配慮なのか、観光客を多く受け入れたい鉄道会社の思惑なのかは知らない。
ともかく、無料で踊り子号に乗車したいとの思いよりも物珍しさに惹かれて、5月21日(月)10時過ぎに三島の駅の4番線ホームで踊り子号の到着を待っていた。 その間に「抉れているホーム」を見にいった。まずホーム下の線路配置を見た。右写真の如く線路は沼津方面を走れるような線路配置になっている。その辺りのホームをしかと見ると、抉れているではないか。こうしておかないと5両編成の最後尾の車両がホームに当たってしまうことが理解出来た。あえて、線路工事に携わる人に、抉れている理由を聞くと、水野さんの話の通りだった。
待つこと数分で踊り子号到着。先頭に乗車し、発車寸前の一瞬に、線路配置を見ると右写真に見る如く、列車が駿豆線方向に進める様に配置が変えられていた。
まさに”ミクロ”の世界であるが、こういう細かいことに拘るのは私の性質だと思っている。旅が面白さを増すときでもある。