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食・飲・読の日記

日々の食べたり読んだりを綴ります♪

ひとり飲み飯 肴かな@久住昌之

2019-09-20 17:36:00 | 本(か)
  ひとり飲み飯 肴かな@久住昌之 

あらすじ(文庫背表紙より)
「孤独の飲み飯」「今夜もひとり居酒屋で」、実弟の久住卓也とのユニットによる「Q.B.B.の幼稚な大人漫画」……ひとり酒&飯の機微を、ファンキーかつリリカルに綴る! 文庫化に際し「これ喰ってシメ!」を新たに収録。食の「陣立て」にこだわるQUSUMIワールド全開のエッセイ集。




テレビドラマ「孤独のグルメ」の最後で、実際のお店にやってくる久住さんを見ていて、おもしろそうかなと読んでみました。テレビでの印象はやさしそうでのんびりおだやかなイメージだったけど、読んでみたら酒好き(←ここはテレビのイメージと一緒)、結構毒を吐くビリリとしたところあり、ダジャレ好き、博識、こだわりや、っていうふうに感じました。

部ごとのちょこっと感想。
第一部 孤独の飲み飯
 どのお酒に何を合わせて食べて飲むか、そんなことがつらつら綴られています。興味深かったのは「大相撲 de 焼き鳥ビール」。大相撲をこんな視点から見る人がいるのかと、ぜひ行ってみたいと思いました。共感したのは「シウマイ弁当 de 缶ビール」。久住さんは東海道新幹線で食べて飲むんだって。富士山が見えたり見えなかったりもあり、わかるわかる、そりゃ楽しいしおいしいわ。第一部のイラストは久住さんによるもの。とってもすてき。文章と合わさって、ますますいい感じでした。ちなみに文庫本のオビイラストは久住さんの弟によるもの。絵のタイプは違います。

特別収録 Q.B.B.の幼稚な大人漫画
 これは今ひとつおもしろさがわからなかった‥

第二部 今夜もひとり居酒屋で
 久住さんが居酒屋で見た光景が綴られています。吹き出しちゃいました。酔っ払いはおもしろい!

第三部 これ喰ってシメ!
 食べ飲みの締めから一生の締めまでさまざまが綴られています。締めの話じゃないけれど印象的だったのは「いい仕事してるなお前!」と友人に怒られた久住さん、やってること(この場合銭湯に入って安飲み屋で一杯やる)はいい仕事なのだけど、それを読んで面白い文章にするのは結構時間のかかる苦しい作業っす、とかっこ書きで綴られた久住さんの心境。なるほど、そりゃそうだと納得したのでした。
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チーズと塩と豆と@角田光代 井上荒野 森絵都 江國香織

2017-11-30 17:04:15 | 本(か)
  チーズと塩と豆と@角田光代 井上荒野 森絵都 江國香織 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
あたたかな一皿が、誰かと食卓で分かちあう時間が、血となり肉となり人生を形づくることがある。料理人の父に反発し故郷を出た娘。意識の戻らない夫のために同じ料理を作り続ける妻。生きるための食事しか認めない家に育った青年。愛しあいながらすれ違う恋人たちの晩餐ー。4人の直木賞作家がヨーロッパの国々を訪れて描く、愛と味覚のアンソロジー。味わい深くいとおしい、珠玉の作品集。




おいしそすぎるタイトルに惹かれ手に取りました。アンソロジーなのであっという間に読み切りました。

一話ずつのちょこっと感想。
神さまの庭@角田光代 主人公の周りに漂う気配が濃く感じられ、徐々に動き出し、ある瞬間に劇的に変化する。とてもおもしろいお話でした。やっぱり角田さん、好きだわ。

理由@井上荒野 これはねぇ‥ちょっと理解できませんでした‥

ブレノワール@森絵都 主人公の言うことが論理的でわかりやすかった。母の実の姿を垣間見た主人公、そして私、グッときました。

アレンテージョ@江國香織 人間、自然の動静、色の明暗、音の大小、描写が文字からあふれ、生き生きとしていてすばらしかったです。江國さんっぽいかな。
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やめるときも、すこやかなるときも@窪美澄

2017-10-05 10:44:53 | 本(か)
  やめるときも、すこやかなるときも@窪美澄 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
家具職人の壱晴は毎年十二月の数日間、声が出なくなる。過去のトラウマによるものだが、原因は隠して生きてきた。制作会社勤務の桜子は困窮する実家を経済的に支えていて、恋と縁遠い。欠けた心を抱えたふたりの出会いの行方とは。




わりと最初から、こういうふうになるんだろうなと思いつつ読みました。それでも壱晴と桜子の日常と心情の変化は興味深く、何よりふたりのそばにいる人たちがすてきでした。壱晴の高校時代の友人でおもしろくて温かい堀内、大学時代の友人で面倒見のいい心の広いはっきりした物言いの妙子、明るくほがらかなお母さん、壱晴のことをいろんな意味で見抜いている師匠の哲さん、みーんな個性的で、壱晴のことを大事に思っています。桜子は突拍子もないけどいつでも真剣で一生懸命、そんなところがかわいらしかったです。生きるって大変、死ってなんなの、などと思いましたが、この物語には終始人の温かさが漂っています。人の温かさって何かを救ったり、励ましたり、守ったり、後押ししたり、癒したり、心を満たしたり、人生において大切なものだなと改めて実感しました。
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中野のお父さん@北村薫

2017-02-11 09:43:04 | 本(か)
  中野のお父さん@北村薫 

内容情報(「BOOK」データベースより)
出版界に秘められた“日常の謎”は解けるのか!?体育会系な文芸編集者の娘&定年間際の高校国語教師の父。




はつらつとした主人公の美希、その娘を愛するやさしいお父さん、その会話はとってもほほえましいもので、こちらまで笑顔になっちゃいそう。そんな会話の中でお父さんが謎を解いちゃう。時には誰も謎だとも思ってなかった謎まで掘り当てて解いちゃう。するどすぎるお父さん! 国語の先生というだけあって文学の知識も豊富なお父さん!
日常生活での謎解きは面白かったけど、文学にまつわる謎解き(例えば「闇の吉原」という作品)はなんだか国語の勉強をしているみたいでちょっと難しかったです‥
そして作者北村薫さんの知識の広さ深さが全体ににじみ出ているように思いました。
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鴨川食堂@柏井壽

2016-09-01 17:56:26 | 本(か)
  鴨川食堂@柏井壽 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
鴨川流と娘のこいし、トラ猫のひるねが京都・東本願寺近くで営む食堂には看板がない。店に辿り着く手掛かりはただひとつ、料理雑誌『料理春秋』に掲載される“鴨川食堂・鴨川探偵事務所ー“食”捜します”の一行広告のみ。縁あって辿り着いた客は、もう一度食べてみたいものに出会えるという。夫の揚げていたとんかつを再現したいという女性、実母のつくってくれた肉じゃがをもう一度食べたいという青年など、人生の岐路に立つ人々が今日も鴨川食堂の扉を叩く。寂しさも辛さも吹き飛ばす、美味しい六皿をご用意しました。京都のカリスマ案内人、初の小説!




目次には、鍋焼きうどん、ビーフシチュー、鯖寿司、とんかつ、ナポリタン、肉じゃが。うん、全部食べたくなる。そして読んだらもっと食べたくなりました! 思い出の料理を探し作ってくれる鴨川食堂。初めてのお客さんに出すおまかせ、いろんな京料理が詰め込まれていて、読んでいるだけでうっとりしちゃいます。器もすばらしいみたい。○○焼きとか○○塗とかバカラまで。お料理もさることながら、思い出のお料理を探す鴨川流れの探偵っぷりもお見事。その人の抱えている心のもやもやも解きほぐしていきます。そして各章の最後には流が亡くなった奥様に対する愛のこもった言葉を発するのです。これまたすてきなのです。印象に残った登場人物は食堂の常連の妙さん。見事な京料理に舌鼓を打ちつつ、いただけないところは鋭く指摘、そしてお会計8000円のところ10000円を出してお釣りは受け取る様子も見せない。お上品なのに男前で魅力的でした。って8000円のお料理ってそこにもびっくりでしたけど‥
テンポのよい京都弁と愛の詰まったおいしそうなお料理が心地いい一冊でした。中の猫のイラストもかわいかったです。表紙はちょっとイメージがちがうかなぁ。流の娘こいしなんだろうけど、もっとボーイッシュな感じがいいような!?
コメント (2)
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