食・飲・読の日記

日々の食べたり読んだりを綴ります♪

あきない世傳 金と銀 十三 大海篇@髙田郁

2023-04-21 13:10:32 | 本(た)
  あきない世傳 金と銀 十三 大海篇@髙田郁 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
宝暦元年に浅草田原町に江戸店を開いた五鈴屋は、仲間の尽力を得て、一度は断たれた呉服商いに復帰、身分の高い武家を顧客に持つことで豪奢な絹織も扱うようになっていた。だが、もとは手頃な品々で人気を博しただけに、次第に葛藤が生まれていく。吉原での衣裳競べ、新店開業、まさかの裏切りや災禍を乗り越え、店主の幸や奉公人たちは「衣裳とは何か」「商いとは何か」、五鈴屋なりの答えを見出していく。時代は宝暦から明和へ、「買うての幸い、売っての幸せ」を掲げて商いの大海へと漕ぎ進む五鈴屋の物語、いよいよ、ここに完結。




シリーズ第十二弾、あきない世傳 金と銀 十二 出帆篇の読書感想文はこちら

今回もあれこれあれこれあって、はぁぁ、やっと完結。って感じだけど、幸にとってはこれからが勝負なのかな。
幸と菊栄の関係がすてき。お互いを思いあい、商売に関してはシビアな判断を見失わず、切っても切れない必要不可欠な関係のふたり。戦友かな。とにかくすてきだったわ。え? 惣次?? どうした??? ってところが今回の一番の肝だったわ。音羽屋との因縁もなんだか逆恨みみたいだけど、一応の理由付けがあって、一応納得。妹・結との関係は修復しなかったけど、結の心がしっかり定まってきたようなのが救い。最後の最後、昔のお客さんとの会話、つながりは、さすが五鈴屋、これが原点なんだなと改めて思って、ちょっとうるっときたな。残念なのはどう見たって両想いの幸と兼輔が主従の関係以上にならないこと。時代的にしょうがないのかなぁ。これだけが残念。幸、その周りの人々の相手を思う心、きずながすばらしかった。



ちょっとネタバレ。
最後は幸のアイデアで町内の地図を作り、おそろいの看板を出したり、これって、商店街って思ったんだけど、治兵衛のあきない講座や付録の双六を見ると、デパートをイメージしているらしい。どうしてもデパートとはつながらず、あれ?って感じだったなぁ。

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あきない世傳 金と銀 十二 出帆篇@髙田郁

2022-06-11 13:54:42 | 本(た)
  あきない世傳 金と銀 十二 出帆篇@髙田郁 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
浅草田原町に「五鈴屋江戸本店」を開いて十年。藍染め浴衣地でその名を江戸中に知られる五鈴屋ではあるが、再び呉服も扱えるようになりたい、というのが主従の願いであった。仲間の協力を得て道筋が見えてきたものの、決して容易くはない。因縁の相手、幕府、そして思いがけない現象。しかし、帆を上げて大海を目指す、という固い決心のもと、幸と奉公人、そして仲間たちは、知恵を絞って様々な困難を乗り越えて行く。源流から始まった商いの流れに乗り、いよいよ出帆の刻を迎えるシリーズ第十二弾!!




シリーズ第十一弾、あきない世傳 金と銀 十一 風待ち篇の読書感想文はこちら

江戸に店を構えてもう10年。びっくりね。今まであれこれあれこれあったけど、今回もあれこれあれこれあったけど、いつでも知恵と、人との信頼関係で困難を乗り越える幸。幸の知恵を仲間にじゃんじゃんさらけ出し、みんなが商売繁盛、って幸の器の大きさに毎度のことながら驚かされるわ。今回は実の妹・結とその夫・日本橋音羽屋の主と直接顔を合わさなかったので、剣吞な雰囲気がちょっと和らいでたな。きっちり邪魔をされたし、次回は直接対決かもって感じだけど。幸、菊栄、吉原の歌扇など、女性の社会進出がいかに難しいかが多く描かれていたような。今にも通ずるのかな。呉服を着ることのできる人、太物しか着ることのできない人、五鈴屋でそのコントラストが見えて、興味深かったわ。幸の元夫・惣次が出てくると、ピリッとがぜんおもしろくなる! 商売の波に乗って出帆した五鈴屋だけど、力士の反物の注文主が最後に言った「実はもっとも危ないのは、出帆して沖へ出るまで。」の言葉が気になる‥ 幸は40歳。9歳から五鈴屋に奉公した幸、まだ若いな。この物語はどこまで続くんだろう。どういう結末になるんだろう。なんだかまとまらない読書感想文になってしまった‥

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あきない世傳 金と銀 十一 風待ち篇@髙田郁

2021-12-23 15:44:46 | 本(た)
  あきない世傳 金と銀 十一 風待ち篇@髙田郁 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
湯上りの身拭いにすぎなかった「湯帷子」を、夕涼みや寛ぎ着としての「浴衣」にーそんな思いから売り出した五鈴屋の藍染め浴衣地は、江戸中の支持を集めた。店主の幸は「一時の流行りで終らせないためにはどうすべきか」を考え続ける。折しも宝暦十年、辰の年。かねてよりの予言通り、江戸の街を災禍が襲う。困難を極める状況の中で、「買うての幸い、売っての幸せ」を貫くため、幸のくだす決断とは何か。大海に出るために、風を信じて帆を上げる五鈴屋の主従と仲間たちの奮闘を描く、シリーズ第十一弾!!




シリーズ第十弾、あきない世傳 金と銀 十 合流篇の読書感想文はこちら

始まりはお梅どんの結婚から。お梅どん、コミカルでかわいらしくて、何回もくすくす笑っちゃいました。惣次は人が変わったようにかっこよくなってる! 菊栄は前向きでやり手で大阪っぽいおもしろみもある! 今作はこの3人に楽しませてもらいました。苦難が襲うものの幸は相変わらずすごいし、手代の兼輔も相変わらずすごいし、五鈴屋の面々はますますパワーアップしてました。浅草太物仲間との深い縁が結べたのが一番の五鈴屋の強みとなったかな。もちろん幸のおかげでね。幸の心の中で兼輔の存在が増しているような!? 愛!? 気になるわ。とにかく読み終わってホッと一安心、そんな一冊でした。

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あきない世傳 金と銀 十 合流篇@髙田郁

2021-06-02 15:12:12 | 本(た)
  あきない世傳 金と銀 十 合流篇@髙田郁 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
呉服太物商でありながら、呉服仲間を追われ、呉服商いを断念することになった五鈴屋江戸本店。だが、主人公幸や奉公人たちは、新たな盛運の芽生えを信じ、職人たちと知恵を寄せ合って、これまでにない浴衣地の開発に挑む。男女の違いを越え、身分を越えて、江戸の街に木綿の橋を架けたいーそんな切なる願いを胸に、試行錯誤を続け、懸命に精進を重ねていく。両国の川開きの日に狙いを定め、勝負に打って出るのだが…。果たして最大の危機は最高の好機になり得るのか。五鈴屋の快進撃に胸躍る、シリーズ第十弾!!




シリーズ第九弾、あきない世傳 金と銀 九 淵泉篇の読書感想文はこちら

型染めの図案を考える兼輔、型彫り師の梅松と誠二、型付師の力造とその女房のお才、型彫り用のこれまでにない紙を調達する千代友屋、幸をはじめとする五鈴屋の面々、みーんなで一致団結して作り上げた浴衣地。用意周到に売り出すまでにかけた時間はなんと2年。幸は商売はもちろん、それ以上に人を大事にし、だからこそ商機を、勝機を、つかむことができるんだろうな。お見事! 大阪から越してきた菊栄も幸のいい相談相手になりつつ、自分の商売も着々と準備中。お見事! お梅どんも大阪からきて、お竹どんとのコンビが楽しめました。最後の最後にお梅どん、おめでとう! ハラハラしたり、イラーッとしたり、そんな嫌な感情が全くなく、それは幸の妹の結が嫁いだ音羽屋が出てこないからだね。ホッ。がんばれがんばれ、と応援し続けて読み終えました。ホッ。ここで終わりでもいいじゃないかと思うけど、まだ続くみたい。気になるのはその音羽屋が今後どのように絡んでくるか、菊栄の商売の行方、幸と兼輔の関係。もう厄介ごとはごめんですが‥
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あきない世傳 金と銀 九 淵泉篇@髙田郁

2020-12-17 14:05:48 | 本(た)
  あきない世傳 金と銀 九 淵泉篇@髙田郁 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
大坂から江戸に出店して四年目、まさにこれから、という矢先、呉服太物商の五鈴屋は、店主幸の妹、結により厳しい事態に追い込まれる。形彫師の機転によりその危機を脱したかと思いきや、今度は商いの存亡にかかわる最大の困難が待ち受けていた。だが、五鈴屋の主従は絶望の淵に突き落とされながらも、こんこんと湧き上がる泉のように知恵を絞り、新たなる夢を育んでいく。商道を究めることを縦糸に、折々の人間模様を緯糸に、織りなされていく江戸時代中期の商家の物語。話題沸騰の大人気シリーズ第九弾!!




シリーズ第八弾、あきない世傳 金と銀 八 瀑布篇の読書感想文はこちら

結の所業のすごいこと‥ かわいい弱い妹じゃなく、完全に強くてしたたかな女! 幸と結、血のつながりがあるからこそのむずかしさがひしひしと伝わりました。結の裏切り、さらには商いが普通にできなくなる!? ピンチを通り越してどん底に落ちた幸と五鈴屋‥ そんな中でもひとつひとつ積み重ねてきた人とのご縁はつながっています。幸だけでなく五鈴屋の面々、形彫師や染物師が知恵を絞り状況を打開しようとします。大阪の五鈴屋の面々、治兵衛さんに孫六さん、たくさんの仲間がいます。幸の元夫である惣次は的確なヒントとアドバイスをくれます(←惣次、いい男になってる!)。そんな人とのつながりの中で、亡き兄を知る人に出会ったのもご縁。いろんなご縁が幸と五鈴屋を温かく包んでいるように感じます。いろんなご縁があるから、どん底の幸と五鈴屋は立ち上がれないほどのどん底よりちょっと上にいられたのかな。ほんのり明るい兆候が見えたところで物語は終わり、ほんのちょっとホッとしました。これからラストスパート!? がんばれ幸! がんばれ五鈴屋!
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