食・飲・読の日記

日々の食べたり読んだりを綴ります♪

ウズタマ@額賀澪

2018-06-04 17:36:10 | 本(な)
  ウズタマ@額賀澪 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
周作(28歳)は、シングルマザーの紫織との結婚を控えたある日、唯一の肉親である父親から、謎の通帳を渡される。“誰か”が自分のために振込を続けてくれていたことはわかったが全く心当たりがない。唯一の真相を知る父は、脳梗塞で昏睡状態に。そうなって初めて、父の過去や自分の過去も詳しく知らないことに気づく。その“誰か”を探し始めた周作は、25年前のある傷害致死事件に行く着くのだが…。小さな希望が灯る、新しいカタチの家族小説。




いきなり傷害致死事件。その真相はこうだろうなっていうのがじわじわわかって、それが結末かと思ったら、物語はまだ3分の2程度。そこから本当の家族とは何なのか、血のつながりがなければ家族になれないのか、考えさせられます。主人公・周作は事件当時3歳。28歳になった今、事件を調べていくうちに当時の記憶を思い起こし、そこには傷害致死事件とは真逆の温かなものが確かにありました。不思議なつながり、温かな絆に心癒される物語でした。
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どこかでベートーヴェン@中山七里

2017-04-12 16:56:24 | 本(な)
  どこかでベートーヴェン@中山七里 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
ニュースでかつての級友・岬洋介の名を聞いた鷹村亮は、高校時代に起きた殺人事件のことを思い出す。岐阜県立加茂北高校音楽科の面々は、九月に行われる発表会に向け、夏休みも校内での練習に励んでいた。しかし、豪雨によって土砂崩れが発生し、一同は校内に閉じ込められてしまう。そんななか、校舎を抜け出したクラスの問題児・岩倉が何者かに殺害された。警察に疑いをかけられた岬は、素人探偵さながら、自らの嫌疑を晴らすため独自に調査を開始する。




岬洋介シリーズ第四弾です。
第三弾 いつまでもショパンの読書感想文はこちら
前3作に登場する岬洋介の高校時代の半年間の物語です。岬洋介は転校生、容姿端麗、もちろんピアノは超一流の腕前。やることなすことかっこいい。そういう人って一目置かれるけど、何かあるといじめの対象になったりしやすい。そう、岬洋介もそういう状況になっちゃった。はぁ高校生のいじめ、えげつないわ‥ だけど、才能と努力、自分たちが手に入れたくても絶対に手に入れられないものを持つ人つまりは岬洋介の前に立った時の己の無力さを痛感する高校生の気持ちもよくわかる。岬洋介にとっては唯一の味方、鷹村亮がいたのが救いでした。救いって私にとってもかも。だけど鷹村亮は岬洋介のことを「音楽以外のことは小学生並みのレベル」と何度も評するけれど、そのたびに「え?ちがうけど?」と思う私。最後に岬洋介の純粋さをわかってくれたけど。いつも通り音楽を文字で表しているのもすごかったです。が、ミステリーというよりは、岬洋介の家庭環境、耳のこと、音楽科の先生の話す才能と努力について、などが興味深かった1冊でした。そしてエピローグの最後の一行、「え!!!」と、びっくりし、読み返したのでした。
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静おばあちゃんにおまかせ@中山七里

2015-09-14 16:58:34 | 本(な)
  静おばあちゃんにおまかせ@中山七里 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
一見頼りなげながら、つぎつぎと難事件を解決する捜査一課の若手刑事、葛城公彦。でも、彼のお手柄の裏にはある秘密の存在が…。。




刑事らしからぬ刑事・葛城公彦、きちんとしたお嬢さんで正義感の強い大学生の高遠寺円、そのふたりが事件を解決していくストーリー。とはいえ、実は円のおばあちゃんが円から事件の話を聞いただけで解決しちゃう、ものすごいおばあちゃんの存在が肝! 葛城公彦と高遠寺円の初々しい感じが物語にさわやかさをプラスしています。スカイツリーとか、宗教団体とか、冤罪とか、外国人労働者とか、実際に存在するものや事件を類推させる記述が、物語にリアル感を持たせていて興味深かったです。
ミステリーを読むのは好きだけど、犯人を見つけるのは全く不得手の私、この小説では、犯人が全く分からないもの3話、犯人はわかるけど小道具の存在意味までは分からないもの1話、だいたい全容が分かったもの1話でした。たぶん理解しやすいミステリーです。
最後の最後、静おばあちゃんと葛城公彦が会うんだけれども‥‥‥ はぁそうだったんだとここだけファンタジーテイストを感じました。
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さくら@西加奈子

2015-05-11 18:00:35 | 本(な)
  さくら@西加奈子 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
ヒーローだった兄ちゃんは、二十歳四か月で死んだ。超美形の妹・美貴は、内に篭もった。母は肥満化し、酒に溺れた。僕も実家を離れ、東京の大学に入った。あとは、見つけてきたときに尻尾にピンク色の花びらをつけていたことから「サクラ」と名付けられた十二歳の老犬が一匹だけ。そんな一家の灯火が消えてしまいそうな、ある年の暮れのこと。僕は、実家に帰った。「年末、家に帰ります。おとうさん」。僕の手には、スーパーのチラシの裏に薄い鉛筆文字で書かれた家出した父からの手紙が握られていたー。二十六万部突破のロングセラー、待望の文庫化。




物語前半は、幸せな家族のキラキラ輝くような生活が描かれていて温かい気持ちになりました。物語後半で兄ちゃんが大けがをしてからは読むのもつらい‥ どうしてこんなことに‥ と思いつつそれでも何とか読み進むと、少し光が差し込んできて、前を向いて歩いていこうという希望が感じられます。常に家族のそばにいる犬のサクラ、その在り方に癒されました。
読んでいて、色や音やにおいといった気配が感じられるような表現がとても印象的な物語でした。(余談:GWを挟んで読むことなってしまった、自分の本の読み方が気に入らなかったです。)
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切り裂きジャックの告白@中山七里

2015-02-20 12:06:20 | 本(な)
  切り裂きジャックの告白@中山七里 

あらすじ(「BOOK」データベースより)
東京・深川警察署の目の前で、臓器をすべてくり抜かれた若い女性の無残な死体が発見される。戸惑う捜査本部を嘲笑うかのように、「ジャック」と名乗る犯人からテレビ局に声明文が送りつけられた。マスコミが扇情的に報道し世間が動揺するなか、第二、第三の事件が発生。やがて被害者は同じドナーから臓器提供を受けていたという共通点が明らかになる。同時にそのドナーの母親が行方不明になっていたー。警視庁捜査一課の犬養隼人は、自身も臓器移植を控える娘を抱え、刑事と父親の狭間で揺れながら犯人を追い詰めていくが…。果たして「ジャック」は誰なのか?その狙いは何か?憎悪と愛情が交錯するとき、予測不能の結末が明らかになる。




事件そのものは臓器をすべてくり抜くというグロテスクなもの。でも物語の中心にあるテーマは臓器移植。ジャックは誰?と思いつつ、臓器移植の問題点や倫理観、お金にまつわることなどについて強く考えさせられます。いろんな考え方の医療関係者、ドナーやレシピエント、その家族、政治家がいて、何が正解なのかはなかなか判断がつきません。ただ今の時点では臓器移植でしか助からない命がある、それが現実だということを思い知らされました。 iPS細胞についての記述があり、 iPS細胞が活用できるようになれば臓器移植は必要なくなるとあります。そこに希望があり、期待します。
ミステリーの部分では、刑事2人が全くちがうタイプにもかかわらず、お互いを補ういいコンビでした。犯人についてはね、この人だと目星を一応つけてましたが、ま、いつも通り当たりませんでした。それどころか、納得したところでどんでん返しあり! ぇえっ! 気にも留めていない人でした。ただ殺人の理由がちょっと納得いかないというか。それだけ追い詰められ、精神が病んでいたってことかな。とにかくどんでん返し、見事騙されました!
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