京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

うどん

2016-10-11 08:25:36 | 日記
うどん
     金澤 ひろあき
 北九州市の八幡という製鉄の色に染まった町に生まれた。
 その後、郊外の福間という町に越したが、父は八幡に勤め続けた。
 ある時、父は母に、「珍しい人に会ったよ。」と言った。その人は、元同僚の
男だったが、何かの理由で会社を解雇されたらしい。
 「奥さんとも別れて、生活は大変だが、夕食にうどん屋に連れて行くと、子どもが
おいしい、おいしいと喜んどる。どんなになっても生きていけると彼は言っておったよ。」そんな話だったと思う。ちなみに父はまじめな人で、定年までしっかり勤めあげた。
 今もうどん屋に入ると、父の話を思い出す。
うどん屋に浪士の如く入りにけり    ひろあき