京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

席題「素麺」

2016-10-21 08:38:33 | 日記
 席題「素麺」

突然の客に素麺茹でにけり       中野 硯池
素麺の白きが映へるガラス鉢     素麺の盛りに氷滑りけり       
せせらぎの音に流し素麺乗る
売りものの流し素麺貴船宿      
素麺を茹でて独居の昼餉かな
素麺の届く揖保より三輪よりも

そうめんや話題は小豆島へ飛ぶ     金澤 ひろあき
そうめんや身心脱落一すすり     
そうめんや相手に合わせている話題
そうめんのとろとろ加減かつおだし  
そうめんや寅さんひょっこり出て来そう
そうめんや留守番の家広いこと    
そうめんのあっという間の口あたり
冷やし酒そうめんネハンに入る前   
そうめんや口のわるい人だまる

嚔した拍子に鼻より嫋やかに      佐藤 駿司
たまには日焼けもしてみたい     
冷や麦とおれたちいつも間違われ
ご主人がつゆ買い忘れ出番なし    
鼻水のように鼻よりこんにちは
冷麺に今年も宣戦布告かな      
負けまじき去年のざるそば凱歌かな

そうめんや莫妄想の教えかな      青島 巡紅
そうめんも弁当になる保冷剤     
百円のそうめん今日も売り切れる
南中時流しそうめん食べる真似    
そうめんを飲む音勝てり外の雨
そうめんやゆでる間の汗食気増す   
喉ごしに負けてくやしいそうめんや
めん消えて鉢の氷に目の行く子

煮ぼしがよろしそうめんのつゆ     三村 須美子
夏野菜そうめんにのせてぶっかけつゆ 
そうめんのふぞろいの太さかな   
夏終わりそうめん残る二三束     
そうめんの産地で競う腰のよさ   
そうめん流し下までなかなか流れ来ず 
寒風やそうめんゆらすさおゆらす  
そうめんやこおりの上げ底えび並ぶ  
そうめんの定番メニューデイの七夕 
そうめんをすする音するすだれかな  
そうめんの残りはサラダに変わりけり
そうめんつゆ茗荷の歯ぎれにおいたつ 
お中元そうめん木箱もらいけり
たいのあらそうめんうかべすい物に

 そうめん作りは奈良の三輪山のふもとあたりの風物詩。すだれのようにそうめんを干しています。瀬戸内の小豆島も有名。一説によると、戦国時代のキリシタンが、イタリアのパスタ麺の作り方から学んだとか。