京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

交流誌より 「蒼天」138号

2016-10-25 08:13:26 | 日記
【交流誌より】
「蒼天」138号  発行 野谷真治 神奈川県

もう骨になってしまった父の空  野谷真治
笹舟美しいをめざして流れる   小鈴
刺されて痒く嬉しい二人蚊帳   日高見
てのひらで将軍面の兜虫     マルト
おやすみのメールに微笑息白し  金澤 ひろあき

神奈川県の野谷さんとは古いつきあいになります。実直な方で、出版社をやっておられます。
自費出版などをお考えの場合、相談してみて下さい。良心的にとりくんで下さります。
 先日御父君を亡くされたとのこと。ご冥福をお祈り申し上げます。

16年8月句会の記

2016-10-24 08:10:13 | 日記
京都童心の会 16年8月句会記

 今年の夏も暑かったですね。連日、35~36度になりました。ただ、朝夕が涼しかったのが助かりました。でも、五山の送り火の日が大雨で、行事はやったそうですが、よく見ることができず、心残りですね。
  送り火や雨ニモ負ケズちょっと点く   ひろあき
 句会を阪急長岡天神の東口、アーバンでやり出して数回目ですが、懐かしい人が再び来て下さっております。8月は箕面より、葛城裸時様が参加されました。音楽などを続けられていて、お元気でなによりです。さて、句会作品です。
  異次元のビキニ売場に迷い込む     金澤 ひろあき
 大阪に行った時、いつもはビル地下街の通路広場のところが、ビキニの特設売り場になっていました。あんな人通りの多い所で!びっくりです。
  胸濡らす 想いはそっとアコヤガイ   青島 巡紅
 冠句の題「胸濡らす」で造られた句。アコヤガイは真珠貝。胸の中に真珠のような夢、想いを抱き続ける。すばらしいイメージです。
  寝ぼけ前甘い心の青蜜柑        葛城 裸時
 「甘い心の青蜜柑」は、すっぱさもまじっていて、何かしら切ない感じです。
  履歴書に兵歴二行敗戦日        中野 硯池
 重い現実を体験した人が書いています。その人にしか書けないものがあります。ちょうど、私の父母の世代の、激動の時代を生きてこられた体験。重い体験ですが、未来の人々に向かってのメッセージにもなっています。
  絵扇子のかすかな風と化粧の香     三村 須美子
 「色香」ということばがありますが、「色」と「香」が一体となって作り出す雰囲気がありますね。皆さんはこの句から、どういう女性をイメージされますか。
  春元気夏ぺったんここの身体      坪谷 智恵子
 本当に夏はつらい。でも、例年のことで乗り越えてこられていますから。お元気になって下さいね。
  賞品を抱えて眠る坊やかな       岡畠 さな子
 この坊やの得意顔。満足した顔が思い浮かびます。思い浮かぶ句って、いいですね。
  願い事忘れた笹舟の作り方       野谷 真治
 ピュアな思いとそれをかなえる手だてのない切なさと。そんなことを思います。
 他、投句で8月らしい句。
  原爆の落ちた日父の誕生日       内薗 日出杜
  月見草たおりて一人師を想う      増澤 美奈子

鬼太郎の里

2016-10-23 09:21:12 | 日記
 鬼太郎の里
   金澤 ひろあき
 鳥取県の言えば、漫画家水木しげるさんの故郷。
 水木しげるさんの『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズは大好きだった。
 10月は神無月で、日本中の神様が出雲に行ってお留守。鬼太郎は妖怪なので、
出雲に行くのかだろうか。微妙だ。
 10月21日、その鳥取県で大きな地震があった。天災は避けられぬとはいうものの、
ご無事を祈りたい。
 名産の梨のシーズンなので、大変ではなかろうか。
  神の留守鬼太郎の里大地震  ひろあき

骨の太さ

2016-10-22 09:49:14 | 日記
 骨の太さ
     金澤 ひろあき
冷やし酒うそだとわかって聞く話   
蓮の花風の休憩するところ
夏やせの骨の太さよ試着室      
戸の向こう異界か蓮の花

 唐崎神社 一句
      金澤 ひろあき
琵琶湖から風参加するみたらし祭

 今年の夏の暑さもおさまって、秋深まるという感じです。ここにあげているのは、みんな夏の句です。
一つ前の季節を惜しむ気持ちが、ちょっとわいてきます。
 伝統世界では、春と秋が最高で、夏冬はいやがられるようですが、私自身は夏も嫌いではありません。
夏休み等で、ちょっとした旅に出たり、なつかしい人に会えたりするせいでしょうか。
 夏の曲も好きですしね。
 なお唐崎神社は、琵琶湖の西岸。芭蕉の句にも詠まれた松とやらもあります。何代目かだそうですが。
 みたらし祭のときは、神社のお隣のみたらし団子屋さんが、大繁盛です。

席題「素麺」

2016-10-21 08:38:33 | 日記
 席題「素麺」

突然の客に素麺茹でにけり       中野 硯池
素麺の白きが映へるガラス鉢     素麺の盛りに氷滑りけり       
せせらぎの音に流し素麺乗る
売りものの流し素麺貴船宿      
素麺を茹でて独居の昼餉かな
素麺の届く揖保より三輪よりも

そうめんや話題は小豆島へ飛ぶ     金澤 ひろあき
そうめんや身心脱落一すすり     
そうめんや相手に合わせている話題
そうめんのとろとろ加減かつおだし  
そうめんや寅さんひょっこり出て来そう
そうめんや留守番の家広いこと    
そうめんのあっという間の口あたり
冷やし酒そうめんネハンに入る前   
そうめんや口のわるい人だまる

嚔した拍子に鼻より嫋やかに      佐藤 駿司
たまには日焼けもしてみたい     
冷や麦とおれたちいつも間違われ
ご主人がつゆ買い忘れ出番なし    
鼻水のように鼻よりこんにちは
冷麺に今年も宣戦布告かな      
負けまじき去年のざるそば凱歌かな

そうめんや莫妄想の教えかな      青島 巡紅
そうめんも弁当になる保冷剤     
百円のそうめん今日も売り切れる
南中時流しそうめん食べる真似    
そうめんを飲む音勝てり外の雨
そうめんやゆでる間の汗食気増す   
喉ごしに負けてくやしいそうめんや
めん消えて鉢の氷に目の行く子

煮ぼしがよろしそうめんのつゆ     三村 須美子
夏野菜そうめんにのせてぶっかけつゆ 
そうめんのふぞろいの太さかな   
夏終わりそうめん残る二三束     
そうめんの産地で競う腰のよさ   
そうめん流し下までなかなか流れ来ず 
寒風やそうめんゆらすさおゆらす  
そうめんやこおりの上げ底えび並ぶ  
そうめんの定番メニューデイの七夕 
そうめんをすする音するすだれかな  
そうめんの残りはサラダに変わりけり
そうめんつゆ茗荷の歯ぎれにおいたつ 
お中元そうめん木箱もらいけり
たいのあらそうめんうかべすい物に

 そうめん作りは奈良の三輪山のふもとあたりの風物詩。すだれのようにそうめんを干しています。瀬戸内の小豆島も有名。一説によると、戦国時代のキリシタンが、イタリアのパスタ麺の作り方から学んだとか。