夕べからずっと雨が降っている…。
肌寒いことは確かだが…この時期にしては温かい…年明けだとは思えないくらいだね…。
今年は暖冬…と言ってしまってもいいのかな…。
スキー場にも雪がないという話しだし…これも地球温暖化の影響だろうか…。
雪…で思い出すのは…昔…そうだな…小一の頃だったかな…飼っていた真っ白なうさぎ…。
経緯はまったく覚えていないが…近所のおばさんがくれたうさぎ…。
ふわふわの毛が可愛かった。
今みたいに小動物を飼うためのグッズなんて充実していない時代だから…親父が何か別の用途のものを利用して金属の柵でできた小屋を作ってくれた。
その頃住んでいた家の玄関は広い土間になっていて…その隅っこに新聞紙を敷いたうさぎ小屋を置いた。
餌はキャベツなど家で食べている野菜…。
小屋掃除の時に庭に連れて行って…自由に庭の草を食べさせることもあった。
うさぎじゃないから食べ比べたことはないけれど…うさぎを見ているとキャベツよりは自然の草の方が好きだったみたいだ…。
庭に出ると表情のないうさぎも何となく楽しそうで…あっちのそのそ…こっちのそのそ…逃げ出すこともなくのんびりと過ごしていた。
お日さまに照らされた…草の中の白いふわふわの身体は…本当に愛らしかった…。
うさぎ専用の給水装置まで作られている昨今じゃ考えられないことだけど…当時は…うさぎに水を飲ませたら死ぬと言われていた。
それを信じて水をやらなかったから…できるだけ餌を多めに与えていたような気がする…。
近所に住んでいた朝鮮系の女の子がわざわざ見に来てくれて…うさぎはトッキーというのだと教えてくれた…。
それ以来…彼女の本名を知らない親父はその子をトッキーさんと呼んでいた…。
何度か一緒に遊んだおさげ髪のあの子は…今…どうしているのかなぁ…。
何人かお姉さんも居たよなぁ…。
大きな目が魅力的な…本当に可愛い子だった…。
すぐに引っ越して行ってしまったけど…。
うさぎは鳴かない動物だから…鳴き声が近所迷惑になることもなく…ペットに最適だと言われている…。
確かに…うさぎは滅多に…鳴かない…。
まったく聞いたことがないという飼い主も多いだろう…。
それが…ある晩…突然…うさぎが鳴いた。
キィーッ!…という…何とも言えない悲鳴のような声…。
そう話してくれたのはオカンで…残念なことに…一緒に居たはずの自分には記憶が残っていない…。
まだ…自分が小さな子供だったからかも知れないが…耳にした音としては…はっきりしない…。
ただ…慌てて親父が飛び出していったのは覚えている…。
どうやら…猫に襲われたらしかった…。
戸締りの甘い昔のことで庭の方からいくらでも猫は侵入できた。
猫がどう頑張っても親父の作った金属の檻はどうにもならないが…うさぎにとっては恐怖だったのだろう…。
うさぎが鳴く…ということを知ったのはこの時だった…。
猫が入らないように親父が工夫してくれたので…その後は無事だったが…しばらく後で…自分たちが引っ越すことになってしまった。
ある日…学校から戻ったらうさぎが居なくなっていた…。
うさぎは…とオカンに聞くと…オカンは…あんたがいいって言ったんでしょう…と答えた…。
何のことか分からなかった…。
何も聞いてないし…返事だってした覚えはない…。
けど…何も言えなかった…。
それが…最近になってようやく分かった…。
新しい家に引っ越すまでの間…近くの小さな部屋を借りるので…うさぎを飼っておくスペースがない…ということだったらしい…。
そんな説明を受けた覚えはないのだが…聞いた話では祖母が近所のうさぎ屋に引き取って貰ったということだから…黙って勝手に連れて行ったに違いない…。
オカンには…多分…自分がOKしたから…などと言っておいたんだろう…。
時々…あの祖母にはそんな目に遭わされていたから…40年ぶりにやっと謎が解けた…ってところ…。
いえいえ…話すと孫が可哀想だからなんて考えるような…殊勝なお方じゃござんせん…。
そういうところのある人…だったんだ…。
けど…それも過ぎた話…。
理由も分からず急にうさぎを失って…いたく傷ついたけれど…それも今はそんなことがあったなぁ…って思い出のひとつ…。
空っぽになった檻は…静かで冷え冷えとして…寂しかった…。
たとえ鳴かないうさぎでも…命がそこにあるということは…温かい…。
柔らかな毛も…小さな手足も…。
命は…温かい…。
そこにあるだけで…温かい…。
肌寒いことは確かだが…この時期にしては温かい…年明けだとは思えないくらいだね…。
今年は暖冬…と言ってしまってもいいのかな…。
スキー場にも雪がないという話しだし…これも地球温暖化の影響だろうか…。
雪…で思い出すのは…昔…そうだな…小一の頃だったかな…飼っていた真っ白なうさぎ…。
経緯はまったく覚えていないが…近所のおばさんがくれたうさぎ…。
ふわふわの毛が可愛かった。
今みたいに小動物を飼うためのグッズなんて充実していない時代だから…親父が何か別の用途のものを利用して金属の柵でできた小屋を作ってくれた。
その頃住んでいた家の玄関は広い土間になっていて…その隅っこに新聞紙を敷いたうさぎ小屋を置いた。
餌はキャベツなど家で食べている野菜…。
小屋掃除の時に庭に連れて行って…自由に庭の草を食べさせることもあった。
うさぎじゃないから食べ比べたことはないけれど…うさぎを見ているとキャベツよりは自然の草の方が好きだったみたいだ…。
庭に出ると表情のないうさぎも何となく楽しそうで…あっちのそのそ…こっちのそのそ…逃げ出すこともなくのんびりと過ごしていた。
お日さまに照らされた…草の中の白いふわふわの身体は…本当に愛らしかった…。
うさぎ専用の給水装置まで作られている昨今じゃ考えられないことだけど…当時は…うさぎに水を飲ませたら死ぬと言われていた。
それを信じて水をやらなかったから…できるだけ餌を多めに与えていたような気がする…。
近所に住んでいた朝鮮系の女の子がわざわざ見に来てくれて…うさぎはトッキーというのだと教えてくれた…。
それ以来…彼女の本名を知らない親父はその子をトッキーさんと呼んでいた…。
何度か一緒に遊んだおさげ髪のあの子は…今…どうしているのかなぁ…。
何人かお姉さんも居たよなぁ…。
大きな目が魅力的な…本当に可愛い子だった…。
すぐに引っ越して行ってしまったけど…。
うさぎは鳴かない動物だから…鳴き声が近所迷惑になることもなく…ペットに最適だと言われている…。
確かに…うさぎは滅多に…鳴かない…。
まったく聞いたことがないという飼い主も多いだろう…。
それが…ある晩…突然…うさぎが鳴いた。
キィーッ!…という…何とも言えない悲鳴のような声…。
そう話してくれたのはオカンで…残念なことに…一緒に居たはずの自分には記憶が残っていない…。
まだ…自分が小さな子供だったからかも知れないが…耳にした音としては…はっきりしない…。
ただ…慌てて親父が飛び出していったのは覚えている…。
どうやら…猫に襲われたらしかった…。
戸締りの甘い昔のことで庭の方からいくらでも猫は侵入できた。
猫がどう頑張っても親父の作った金属の檻はどうにもならないが…うさぎにとっては恐怖だったのだろう…。
うさぎが鳴く…ということを知ったのはこの時だった…。
猫が入らないように親父が工夫してくれたので…その後は無事だったが…しばらく後で…自分たちが引っ越すことになってしまった。
ある日…学校から戻ったらうさぎが居なくなっていた…。
うさぎは…とオカンに聞くと…オカンは…あんたがいいって言ったんでしょう…と答えた…。
何のことか分からなかった…。
何も聞いてないし…返事だってした覚えはない…。
けど…何も言えなかった…。
それが…最近になってようやく分かった…。
新しい家に引っ越すまでの間…近くの小さな部屋を借りるので…うさぎを飼っておくスペースがない…ということだったらしい…。
そんな説明を受けた覚えはないのだが…聞いた話では祖母が近所のうさぎ屋に引き取って貰ったということだから…黙って勝手に連れて行ったに違いない…。
オカンには…多分…自分がOKしたから…などと言っておいたんだろう…。
時々…あの祖母にはそんな目に遭わされていたから…40年ぶりにやっと謎が解けた…ってところ…。
いえいえ…話すと孫が可哀想だからなんて考えるような…殊勝なお方じゃござんせん…。
そういうところのある人…だったんだ…。
けど…それも過ぎた話…。
理由も分からず急にうさぎを失って…いたく傷ついたけれど…それも今はそんなことがあったなぁ…って思い出のひとつ…。
空っぽになった檻は…静かで冷え冷えとして…寂しかった…。
たとえ鳴かないうさぎでも…命がそこにあるということは…温かい…。
柔らかな毛も…小さな手足も…。
命は…温かい…。
そこにあるだけで…温かい…。