徒然なるままに…なんてね。

思いつくまま、気の向くままの備忘録。
ほとんど…小説…だったりも…します。

緑色のブーケ…紫陽花の咲き初むる頃…。

2007-06-12 18:28:18 | ひとりごと
 doveんちの紫陽花…ただいま天然のブーケ状態…。
ようよう開きかけたところで…花弁の隅々までピンと張り詰めた瑞々しい緑…。

                                             

 艶やかに色づき咲き誇る満開の紫陽花は言うまでもないが…この時期の紫陽花も凛として…花も葉も若く端正である…。
負けず…魅力的だと思う…。

このままで置いておきたい気もするが…それは叶わぬこと…。
時は進むのだ…。

 おそらくは…今年の紫陽花の色も白…。
白から…ほんのり薄桃色に…そして最後にまた緑に戻る…。
doveんちの紫陽花は…ほとんどの時期を緑で過ごす…。

 盛りを過ぎた緑は…点てたばかりの抹茶の泡のようだ…。
下手をすれば夏を越し…秋に葉が落ちるまで…それでも花の体裁を保ち…咲き続ける…。
それもまた美…。



 桜の如く潔くあっさりと散るも美…枝々にしがみついてしぶとく散らぬも美…。
人生も斯くの如し…か…。

 どちらを選ぶか…は天の決めること…。
斯くありたい…と思い…自ら選んだつもりでも…ままならぬのが世の常だ…。
良かれと選んだ道が必ずしも正しいとは…限らない…。
さりとて…間違いばかり…とも言い難い…。

…などと…今日は愚かにも余計なことを…口走ったか…。
ふふふ…まるで年寄りの説教ではないか…。





ただいま研究中…タイ風焼きそば(パッタイ)

2007-06-11 15:27:00 | 簡単手抜き料理
 この間のタイフェスティバルで仕入れたソースとナムプラーを使って、初めてパッタイ(タイ風焼きそば)を作ってみました。
これはまだまだ試作品…。
実は少し前にトムヤムクンのキットを買ってきて作ってみたりもしています。

 中華料理などの調味料はわりと手に入りやすいんだけど…タイ料理となると専門店に行かなければ…キットや麺くらいしか手に入らないので…そうそう簡単に素材から作ることができません。
香辛料や調味料など独特のものがあるのでなかなか手強い…。

 ソースやスープを代用品で作れないか…ただいま研究中。
手に入れたソースの味から…代用素材を考えます。

 パッタイは…もう2~3回作ってみたら…なんとか思いつきそう…かな…。
だいたい…ソースに使うものはあれとこれと…なんて見当つけています…。
まったく同じ味…なんてできっこないけど…できるだけ近い味にしたいなぁ…。

 難しいのは…トムヤムクン…買ってきたキットの中の香辛料をひとつずつかじって味や香りを考えているのですが…なかなか代用品が見つからない…。
それも、キットとインスタントでは、まったく味も違い、使ってある素材も微妙に異なるので、doveとしては涙もの…。

何で…ここで牛乳入れんの…? 本物だってココナッツミルク入れてないよ~…?
なに…ケチャップって…味違わねぇ…? トマトでいいじゃん…!
タマリンド…売ってねぇよ…。 チャッツネ使っちゃいかんの…?
こぶみかん…葉っぱ…どうするよ~? あの蜜柑じゃ甘い…この蜜柑じゃ苦い…?

                                             

…などなど四苦八苦…。

 できるだけ身近にあるもので、安く済まそうと思うと、なかなかに大変…。
ないんだよね~…ぴったりっていうのが…。

何とか…何とか…作りだしたい!

その前に…キットやインスタントじゃなくて…本物をもっと食べてみたいなぁ…。

こういうくだらんことに熱中するdove…。
毎度毎度…不出来な試作品を食べさせられる犠牲者doveちゃんず…。

えっ…?
もっと世に役に立つ研究をしろ…?

うひゃひゃ…役立つ研究なら…doveがやんなくても…ちゃんとプロがやってくれますよ…。
そっちゃの方が資本もあるし…。

doveの研究は…ボンビーが美味いものを食べられるように工夫するため…。
つまりは…dove家の赤字財政を救うためなんで…!




雨あがりに…。

2007-06-10 15:47:00 | ひとりごと
 よく降ったねぇ…。 
この3日間…風と雷…凄かった。

 少し前から陽が出てきたよ…。
気持ちいいから…散歩に行こうかな…とも思ったんだけど…。
 生憎…朝から頭痛…なんだか身体もだるい…。
風邪引いたかな…。

 キジバトの鳴く声が聞こえる…。
あの声が好きだ…。
 何もすることがなければ…あの鳴き声を枕に一日眠ってしまいたいもんだけど…。
日常はそれを許さない…。

栄養剤…今日は効かないみたいだ…。

 雨が上がると…雨の音で消えていたすべての音が息を吹き返す…。
巣に籠もっていた野鳥…。 絶え間なく流れる車…。 散歩道を走る靴…。
洗い流された新しい音で…。

 いま…バイクが通った…。
散歩する親子連れ…。 自転車の車輪…。

いらっいませ~! 有難うございました~!
タイヤ販売店の…オニイサンの威勢のいい声も響いてくる…。

 窓からいい風が…。
虫除けのユーカリの匂い…。
さっき庭に出たので…虫除けをしたんだ…。

雨が上がると…一斉に蚊が出る…。
線香…焚かなきゃ…。

このまま晴れてくれたなら…明日は散歩に行こうかな…。
洗濯して…掃除して…買い物が終わったら…川の周りを歩こうか…。

そろそろ夏の草…。
夏は…蔓ものが多い…。
もう…花は咲いてるだろうか…。

この辺り…今はちょうど端境期で…花芽をつけている野草が少ない…。
ひとつふたつでも見つけられるかな…。
そうそう…ヒメジョオンは満開だけど…他にも…咲いてるだろうか…。

痛くなければね…。
風邪引いてなければね…。
ちょっと歩いてきても…いいかな…。



 

今日の一品…帆立と海老のクリーム・シチュー…dove風…。

2007-06-09 16:31:00 | 簡単手抜き料理
 今日のメニューは特に目新しくもないし…多分…どの家庭でも作るようなものだけど…シチューはカレーと同じでメニューに困った時のひと品になるので便利です…。

これも市販のルーは使わないので…そういう味が好きな人は少しだけ市販のホワイトソースを入れてください…。

 牛乳はわりと魚介類の生臭みをとってくれるので、カキフライなんか作る時には前以て少量の牛乳に浸しておくといいそうです…。
試してみてね…。

 画像のシチューは帆立と海老のシチューだけど、鶏でも豚でも牛肉でも大丈夫。
鮭、アサリ、牡蠣などでも美味しくできます。
ベーコンだけでもOK…。

ちゃんと野菜や具を刻んで作った方が美味しいけれど…シチュー用の冷凍野菜…ニンニク…玉葱なんかを買い置きしておけば…時間に余裕のない時にもあっという間にできます。

簡単なので…夏休みに何か作ってみたい…というお子達にもいいメニューかもしれません。

えっ…載せるほどのメニューじゃない…?
本格的なのを前から作ってる…?

あらら…これは失礼をば…。

それでは…レシピは希望があったら…ということで…。

簡単手抜きのクリームシチュー…是非…お試しあれ…!







また…Hメールが着た…。

2007-06-08 16:00:00 | ひとりごと
 『お久しぶりです…。』
…だれが…。

 『美奈です…。』
…知らねぇし…。

 『メールくれたら…住所・電話番号送るよ…。』
…要らねぇよ…。

 『食事とかお茶でもして…。』
…だから…しねぇってぇの…。

 『突然過ぎます?』
…過ぎるよ…。

 『今日からでもいいよ…。』
…何がだよ…。

受信拒否…削除…。

この前は…男だったよな…。 その前が女…。
男名で来る時は…いい女いまっせ…みたいなメール…。
女名で来る時は…うちにメールしてね~…みたいなメール…。

迷惑メール防止の網に引っ掛からない…迷惑メール…。

最初の方の記事はすでに消してしまったので…ブログを開設して二年以上になるけど…全然減らない迷惑メール…。

いちいち開いていたらきりがないのでほとんど開かずに削除しているけど…。
読者さんからの質問などを貰ったこともあるので、すべてを開かないってわけにもいかないんだよね…。

…で網に引っ掛からなかったもののうち…気が向いたものだけ今日みたいに開けるんだけど…たいてい…これだね…。

お願いだから…真面目なメールください…。





庭の片隅で…。

2007-06-07 11:15:00 | 植物
 植物を育てるのがど下手なくせに…先月…通りがかりの花屋で買ってしまったゴーヤの苗…。
もともとひょろひょろで良い苗だとは思わなかったけど…観賞用ならいいか…とつい…。
花屋のおっさんが言うには…ゴーヤは大きく育って陽射し避けになるよ…虫もつかないし…だってさ…。

                         

 案の定…植えてすぐに花芽がついてしまい…多分…大きくは育たない…。
苗のうちに花が咲いちゃおしまいだ…。
おまけに葉っぱが虫食いだらけ…。
木酢で消毒する…。

 苗が丈夫で栽培条件が良ければ、確かにゴーヤは大きく育ち、日除けにもなる。
土も悪いし…面倒見も悪い…苗も弱いじゃ…あかんわな…。
まぁ…花が綺麗だから…良しとするか…。

                         

 doveんちの野菜は観賞用…。
ジャガイモもサトイモもさつま芋も…全部そうだ…。
保存中に芽が出たり、堅くなってきた芋たちを植えて花や葉を楽しむ。

小さな芋もできるけど…収穫するほどでもない…。
収穫する気で育てているわけでもない…。
だから…もっぱら見て楽しむ…。

ジャガイモの花は…園芸用の花に負けてないくらい綺麗だし…葉っぱの濃い緑が最高に好い…。
植え替えの時に去年の芋の子がコロコロ出てきた…。
可愛いから…そのままにしておいた…。

                        

サトイモの葉は秀麗で面白い…。
雨の上がった後などに…葉っぱの上にコロンコロンと露玉が乗っているのがなんとも言えない…。
今年は葉が大きくて…去年の方が形や葉脈の出方がよかったな…。
まだ…幾つか芽が出てくるだろうけど…。

さつま芋は…今年はまだひとつ芽が出てきたばかり…。
他のイモより芽が出るのがかなり遅かった…。
おそらく…根の方を先に張っていたんだろう…。

収穫できないような育て方しかしないずぼらな主を…この子たちは如何思ってるのかなぁ…。
捨てるよりは良かれと思って…植えてるんだ…。
うちには畑がないから…庭の片隅を利用して…何とか生き延びてもらってるんだけど…。

そんな悪条件でも…サトイモは毎年…芽を出してくれる…。
有り難いな…。









猫の爪

2007-06-06 09:04:42 | 生き物
 玄関脇の植え込みの前に白っぽい羽がいくつも落ちている。
雨に濡れて歪んでいるのもあるから、おそらく二日前のもの…。
家の脇にある物置の扉の前にさらにたくさんの羽が散っていたが…本体がないところを見ると…ひょっとしてdoveのお願いが通じて全部平らげてくれたのか…。

まあ…後始末までしてくれるなら…ここでの狩を許可してもいいかな…。
あいつも食わなきゃ生きていけないし…。

そんなことを思った翌日…朝からけたたましい鳥の鳴き声…。
それに共鳴したか…他の鳥の声もする…。

ちょうど洗濯を干しに庭へ出るところだったので、ハンガーにかけた洗濯物を抱えて庭に降りた。

すると…庭の片隅の物陰からまん丸な目がふたつ覗いている。

あいつだ…。

狩りの得意な縞模様の猫…。
口許にまだ生きている小鳥が一羽…。

少しの間固まっていたが…猫は小鳥を銜えて急いで逃げていった。

おまえの御飯なんか取りゃぁしないよ…。

そんなことを思いながら洗濯を干した。

 これで…doveが気付いただけで5羽…気付かないのもあるわけだから…この庭でかなりの数…狩をしているに違いない…。
この辺りの猫の中でも相当な腕前…(口前か)…だと言える…。

おまえのお母さんも狩が上手かったよ…。

                   

 それは…まあ…いいとして…。
doveんちの一番の困り事…画像を見て貰うと分かると思うのだが…。
猫害による庭木の惨状である…。

ご存知の通り…鳥は地面よりは木の上とか屋根の上に居ることが多いわけで…猫もそれをよく心得ていて狩りのために高い所へと登る。

そのたびに傷を受けるのがdoveんちの庭木…。

その上…猫は爪を砥ぐ…。
いくらでもコンクリートや石やレンガがあると言うのに…わざわざ庭木で爪を砥ぐ…。
御蔭で木の幹がボロボロになってしまうのだ…。

猫は好きだし…可愛いとも思うが…ここまで来ると…正直…頭が痛い…。

 猫が悪いというよりは…元はと言えば捨てた人間の責任…。
この猫の母親ノラはおとなしくて人を怖がらない猫だったから…多分…大きくなるまで何処かの家で飼われていたんだろう…。
最後まで面倒見てやれよ…ってぇの…。

 猫自身は生きるためにやってることなんだから責めるわけにはいかんわな…。
あいつが何年生きるか分からんが…それまではどうしようもないかも知らん…。
庭木がそれまで枯れないことを…願うばかりだ…。






今日の一品…牛すね肉の煮込み…dove風…。

2007-06-05 11:30:00 | 簡単手抜き料理

 牛のすね肉が特売の時に作るのがこの料理。
普通の筋肉で作っても美味しいですが…筋肉は切り込んであるので見た目のインパクトが弱いですね。
すね肉はなんとっても塊ですから…それなりに豪華…!

 やってることは同じだけど…たまには御馳走らしいものをテーブルに…。
…なぁんて…実はエンゲル係数の高いdove家のお財布事情を救うため…だったりして…。

まぁ…お財布に自信のある方は高いお肉の塊を使って下さい…。

 作り方は単純ですが…煮込み時間がかかります。
すね肉は結構硬いので…。 
時間のない方であれば…圧力鍋をお使いになってもいいですし…カレーやシチュー用の肉を使ってもいいと思います。

基本的にdoveのシチューやグラタン系の料理には市販のルーを使いませんが…そうした味がお好みの方は…市販のデミグラスソース少々を加えて下さい。
素材だけのあっさりした味がお好みの方には…お勧めしません。

画像の料理…実はセロリを入れ忘れてました…。
何か味に締まりがないと思ったら…。

いつも…どこか…抜けてるなぁ…!

これも時間のかかるものなので…煮込みながら他の仕事を片付けてください。
焦げやすいので…時々かき回してね…。

こんなdoveの作る簡単すね肉の煮込みdove風…お試しあれ!






続・現世太極伝(第百二十二話 崩壊の因子 )

2007-06-04 18:12:00 | 夢の中のお話 『続・現世太極伝』
 強大な力を使うにはそれに見合った体力や生命力そして精神力が必要となる。
如何に並外れた能力を持っていても、それを支えるための活力がなければ、その能力者は力を使うたびに自分の命を削ることになる…。

 抜きん出た能力者が必ずしも強い生命力や精神力を持っているとは限らない。
活力の弱い能力者は常に出力を加減しなければならず、自分の限界を超えてしまえば命を落とすことにもなりかねない…。

 家門に属する能力者であれば、命に関わる重要なことは幼い頃からちゃんと指導して貰えるし、修練の中で限界を把握することもできる。
老齢の能力者の中には体力には頼らず、修練によって向上させた精神力で大きな力を使えるようにしている者もあり、そうしたノウハウが代々自然に伝授されていく…。

しかし、先達の居ないフリーの能力者では、命の危険自体に気付くことすら難しいだろう。

 HISTORIANは古くから存在する組織ではあるが…いわばフリーの能力者の寄せ集め…何処まで能力者としての指導がなされているのかは疑問だ。
西沢が倒したふたりの指導者もそうだが…マーキスの戦い方を見ていると…威力を誇示しようとするあまり…力任せとしか言いようのない攻撃をする。

 危ないな…と滝川は思った…。
マーキスは西沢が現れる前にも、滝川への攻撃に力を使っている。
この少年が自分で加減しているとは思えない…。
限界まで…あとどのくらいの余力があるのか…?

 それに…紫苑…。
不機嫌ではあるけれど…怒りの翼を広げているわけではなさそうだ…。
あの羽は…やはり…あいつに反応しているんだな…。

 暴走の危険性はない…と分かっても…そう簡単には安心できない…。
あの翼が見えている限りは…。

 空気が揺れている…マーキスの気の動きに伴って…。
やがてそれは…空間の底辺をも揺るがした…。

 「やめておけ…坊や…無駄な力を使うんじゃない…。
紫苑には…太… 」

滝川の言いかけた言葉が終わらないうちにマーキスは力を放った。
…と同時に形のないものがいきなりマーキスに襲い掛かった…。

それは西沢を透して空間に溢れ出たエナジーの触手…。
あっという間にマーキスの全身を包み込み…封じ込めた…。

 「太極は…おまえに与えたエナジーをすべて還元すると言っている…。
僕が手を下すまでもなく…おまえは消滅する…。
死…ではない…。 跡形もなく…消えてなくなる…。 」

感情の失せた西沢の声に…動けないマーキスは顔を引きつらせた…。
大きく見開いた眼に…恐怖の色が浮かんでいる…。

分離して単体となったエナジーの触手は透明な卵へと形を変え…まるで胚子であるかのようにマーキスを包含する。

 「紫苑…やめさせろ…! まだ子供なんだ…! 」

滝川は急いで駆け寄り、マーキスを閉じ込めているエナジーの塊の中へ入り込もうと試みた。
何とか…マーキスを引っ張り出すために…。

 手が届くか…と思われたその瞬間に…何かが滝川の身体を通り抜けた。
その反動でバランスを失った身体が…はじき出されるようにエナジーの外に転がった…。



 扉の前で眠りかけていた仲根の肩を誰かがそっと揺らした。
驚いて眼を上げると、庭田の天爵さま…智明が心配そうに覗き込んでいた。

 「大丈夫…? 怪我してない…? 」

穏やかな声で智明が訊いた。

 「あっ…いえ…平気です…。 」

いかにもきまり悪そうに仲根は答えた。
眠りかけたのは仲根の怠慢ではなかったのだけれど…。

 「うちの子がお邪魔してるはずなんだけど…部屋に入れなくて困ってるのよぉ。
あなた…紫苑かノエルに連絡取ってくれない…? 
私が来てると言えば通じるわ…。 
さっきからやってみてるんだけど…何かが邪魔して私の意思を通さないの。 」

うっ…オネエ口調…これが噂のスミレちゃんか…。
仲根の顔が思わず引きつった。
庭田の天爵さまは時々オネエになると御使者の間ではもっぱらの噂…。

 「あ…やっぱり…ノエルくん…来てたんですね…。
多分…そうだと思って…仲間に応援を頼んだんですが…。 」

そう言いながら仲根は西沢とノエルに向けて思念を飛ばした。
確かに…智明の言うとおり何かが邪魔をしているようだが…同族の中でもゲートウェイとして定評のある仲根にとってはたいした障害ではない…。

 「困ったものよ…。 学校からこっそり抜け出して…。
まぁ…やるとは思ってたんだけど…。 
ありがと…。 どうやら…まだ…無事のようだわ…。 」

えっ…意思を送り込めないのに…なんで無事が分かるの…?
仲根は訝しげに智明の顔を見つめた。
その疑問を見透かしたように智明は笑った…。

 「道ができればそれに乗るだけよ…。
お告げ師だけが…庭田の十八番じゃないの…。 」



 床に転げた滝川に向けて空間のありとあらゆるところから非難めいた声が上がった。
滝川にはまったく理解できない言葉ばかりだが…余計なことをするな…と言っているように思えた…。

 「子供であることなど…理由にならない…。 
この世に崩壊を招く者は取り除かねばならない…。
エナジーたちはそう言っている…。 」

西沢がエナジーたちの言葉を伝えた…。

それはそうかも知れないが…滝川は捕らえられたままのマーキスに眼を向けた…。
こいつが悪さしなきゃ…問題ないんじゃないのか…?
生まれてからずっと刷り込まれてきたものを完全に消し去るのは難しいとしても…。

異常に気づいたのはその時だった…。
エナジーに包み込まれたマーキスの顔色がどんどん悪くなっていく…。
さっきまで健康そのものの肌色だったものが…次第に翳りを帯びていく…。

 「紫苑…まさか…奴等…エナジーを抜き取ってるわけじゃないだろうな…? 」

エナジーの塊の中に居なければ…今にも倒れそうな状態に見える…。

見える…?
えっ…?
見えてるのか…マーキスが…?

事態を把握するまでの一瞬の戸惑いの後…滝川は恐る恐る…西沢を振り返った…。
吾蘭を抱いたまま…弱っていくマーキスを無表情に見つめている西沢…。
何度瞬きしてみても…人体模型には見えない…。

 「抜き取っているわけじゃない…。 
この坊やが…中で暴れて勝手にエナジーを放出しているんだ…。 」

西沢の唇が動く…。
どうやらマーキスは身動きできないまま…意思を持つエナジーの触手から逃れようと必死で攻撃を続けているらしい…。

信じ難い現象に瞬時戸惑ったが…すぐに気を取り直した。

とにかく…止めなきゃ…。

この状況をどう考えるか…は後回しにして意識をマーキスの方へ向けた。

 「よせ…マーキス! 自殺行為だ…! 」

滝川は慌てて起き上がり、再びエナジーの檻の中へと入っていこうとした。

 「恭介…無駄だよ…。 」

背後から西沢が声をかけ、滝川の方へと近付いた。

 「おまえの声は聞こえてない…。 恐怖でどうしようもなくなっているんだ…。」

振り返った滝川に、抱いている吾蘭を手渡した。

 「手の掛かるやつだぜ…。 」

そう言って西沢は檻の中へと入って行き、その場で固まったままのマーキスを引っ張り出した。
檻の外に出たマーキスは自分の身体を支える力もなく崩れ落ちた。

不満げな唸り声が空間の壁という壁から湧き起こり…檻は再びマーキスを捕らえようと迫った。

 「少し…待って…。 」

西沢が誰にともなく呟くと檻はおとなしくなった。

滝川は抱いていた吾蘭を下に降ろして、力尽きたように動かないマーキスの身体に触れた。
容態を確かめた滝川が深刻な表情で西沢を見た。

 「ノエル…スミレちゃんが来てるだろ…?
中へ入れてやって…。 」

西沢に言われて…ノエルはちょっと太極の様子を窺ってから…空間壁にやっと人が通れるほどの細長い穴を開けた…。

狭いわね…と言いながら智明は穴を潜り抜けてきた。
その後から仲根が続いた…。

智明の姿を見て喜んだ吾蘭が、智明のすぐ傍まで駆けて行き、嬉しそうに手を引っ張って連れて来た。

 「滝川先生…御迷惑をおかけして…申しわけない…。 」

智明はまず…済まなそうに滝川に声をかけた。

 「この子は…限界を学んだことがないようだ…。
かなり…危ないところまで来ている…。 」

滝川がそう言うと智明は呆れたように溜息をついた。
マーキスの前に片膝をつくと…血の気を失ったうつろな顔を覗きこんだ…。

 「マーキスよ…。 そんなに俺は…頼りないかよ…? 」

智明の嘆くような声を聞くとマーキスはそちらの方に眼を向けた…。

 「命の恩人を襲うなんて恥知らずなマネさらすほど…俺んとこには居たくねぇのか…って訊いてるんだよ…。 」

天爵さまやスミレ…ではない…智明の生の言葉を…マーキスは初めて耳にした。

 「先生…紫苑…こいつ…知っちまったんだよ…。
やらなきゃいいのに…アカシックレコードなんぞにアクセスして…。
HISTORIANが他の子供を首座に置いたこと…。
自分が捨てられたことを…さ…。 」

捨てられた…という言葉に…一瞬…西沢の表情がくもったのを滝川は見逃さなかった…。

 「帰るところがないんだよ…こいつには…。
なんとか手柄立てて…最高指導者に返り咲くしか…組織に戻れる方法を思いつかなかったんだろう…。 
そんなことをしても…無駄だってぇのに…。 」

哀れむような智明の眼差しを避けて…マーキスは視線を逸らした…。

 「話は…後にしないか…? 今はこいつを助けてやらなきゃ…。
紫苑…頼む…。 太極たちに執り成してくれ…。
たった12や13の子供に…完全な答えを出せという方が無理だ…。 
間違いはある…。 」

突如…ノエルのフレームを覆っていた壁が一斉に唸り声をあげ始めた…。
滝川のそのひと言で…エナジーたちが怒りを爆発させた…。

だめだ! 崩壊の因子を残してはならない! 

口々に叫ぶ声が…声と言えるなら…耳を劈くような轟音となって渦巻いた…。

 「エナジーたちの賛同は…得られないようだ…。 」

西沢が静かに言った…。
その声は周りの音に掻き消され…誰の耳にも届きはしなかったが…。
 







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六月生まれの方…おめでとうございます!

2007-06-03 11:06:00 | 今月の御誕生日
 六月にお誕生日を迎えられる方…おめでとうございます!
心よりお祝い申し上げます…。

 今回はチョコ・プリン・ア・ラ・モードで…。
毎度…プリンばっかりですが…さんとのお約束もあって…。
それに…ケーキはだめでもプリンはいけるって方もいらっしゃるようですし…。

 えっ…手抜き…?
あははは…あなた…それを言っちゃおしまいです…。
心だけはたっぷりと込めてあるんですよ…。

 今月の該当者は…?
えっ…今のところさんだけなの?
もっと居たような気がするんだけど…。

ほっくんパパさん

いらっしゃいました!

ゲンさんのお嬢さん

踊って歌えるスーパー理容師mekomeko長女さん

若い介護士さんになmekoパパのお母さん

ひだまりさんのさん

リリーさんの甥御さん

リリーさんの姪御さん

リリーさんのジョニー・デップさん

hideさんのお姉さん

yumeさんの次女さん

konyanさんのご主人さん

りかどんの三男睦也くん

あっちょんさんの長女おおまめちゃん


 おめでとうございます! 

 あなたの未来が輝きますように…! 

ひとりなんてとっても寂しいので…今月のお誕生日の方…どうかコメで知らせて下さい…。
ご本人でなくてもご家族でもお友達でも構いません。

ふたりになってちょっと華やいできましたね…。

どんどん増えています!
これでお誕生会も楽しくなった!

おお…さらに増加…!

またまたおふたり…!

おおっ…konyanさんちにも…!

なんと…りかどんの坊やも駆けつけてくれました!

さらに…あっちょんさんちのおおまめちゃん