RWC2019でJAPANが勝ち進んでいる時にSさんからショートメールが来た。ここ数年会っていない昔の職場の敬愛する先輩だ。
「貴方は素晴らしいスポーツを選択しましたね!」「・・・優しさ、強さ、穏やかさ。生まれ変わり、この世に(ここで文章は切れていた。)」続きは容易に想像がつき少しジーンとした。
50年前の初任地で背中合わせに座っていたSさんは「ラグビーにはプロが無い。そんなのやったってしょうがないのに。。。」が口癖だった。競輪の中野浩一が野球を抜いて日本のプロスポーツ選手で初の1億円プレーヤーになったことが世の中を賑わしていた時代だった。
その度にアマチュアリズムに拘るラグビーの生い立ちを力説したものだったが、ある日、大学ラグビーのTV中継でスタンドオフが蹴ったゴロパントキックをウイングがキャッチしてそのまま隅にトライした(いまで言うキックパス)場面を観ていたらしく、珍しく「何故、あのような不規則バウンドするボールを胸に納められるのか?」と聞いてきたことがあった。
「身体が覚えるだけ練習しますから。」まんざら興味が無いわけではないと思うと毎日毎日ラグビーの何とやらを懲りずに話してきたことも無駄では無かったと内心にやにやしたものだった。
メールに早速返信した。「あの時、Sさんが興味を持ってくれたのが今日の日本の勝利(vsスコッランド)と同じくらい嬉しいことでした。そしてコメントにも感動です!」
日本にラグビーのプロリーグを作る動きがある。今の社会人トップリーグは既に十分にプロだが、RWC2019が感動を与えたのはラグビーの根底にある『生活の全てになってはいけない。』という発祥の地のアマチュアリズムがまだ根底にあるからだと思う。
Sさんと再会したら今度はどんな話になるのだろうか。楽しみが増えた。