いつの頃からか、〝内閣改造〟が軽いものになった。
かつては総理大臣の右腕の官房長官が先ず決り、「組閣本部」で総理大臣と官房長官が中心となって新閣僚を決め、次々に官邸に呼び込まれるというスタイルであった。
官邸前に報道機関の取材テント村が出来るという物々しささえあり、〝派閥均衡〟〝在庫一掃〟などの評価はあれど、何かしらの期待感は生み出していた。
〝内閣改造〟が軽いものになったのは、そうした外見的なことよりも総理大臣そのものが時代とともに軽くなったことがある。
政権維持を図ることだけに腐心し、国民を向いて直面する重要な政治課題を解決するためのシフトを敷くという明確な意図も重厚な姿勢も感じられない。
13日にも行われるという内閣改造に期待は無い。
悲しい事である。
〝軽い総理大臣〟が行う改造は底が知れているが、大新聞は政権がジャニーズ事務所の記者会見の7日に合わせるようにリークする〝観測気球〟を追認するが如く無批判に垂れ流している。
TVに至っては全く取り上げず、ジャニーズ事務所と気象解説で時間稼ぎである。
ジャニー喜多川なる人物はよく知らない。
しかし、数十年に亘る性加害事件は「関連業界」のTV、大手マスコミが事務所の報復を恐れて真実の報道を避けてきた結果であることが、NHKを始めとする体裁を繕うようなコメントに滲み出ている。
もし、BBCが告発報道をしなければ依然として事態は変わらなかったに違いない。
全く恥ずかしいことである。
改造内閣は、過去の政治金規制法違反がウヤムになってる女性、統一教会との深い関係が疑われている政調会長、意識的に舌禍事件を起こす副総理、関東大震災の時の朝鮮人虐殺は国として確認していないとの驚くべき虚偽発言をした官房長官、等々、大臣として不適格な人物が要職を占めそうだ。
統一教会、ジャニーズ事務所の事件然り、諦めずに告発し、裁きを求めてきた人々がいて事態が動き出している。
改造内閣でも問題点を言い続けることが今、最も大切であるとジャニーズ事務所事件の報道を見ていて思う。
風化させてはいけないことがあまりに多すぎるが、小沢一郎は「自民党より国民の意識だ。」と問いかける。
諦めずに選挙に臨むことだと思う。