新型コロナ感染防止のために、満員電車を避けて自転車を利用し始めた人が急増しているという。
ある専門メーカーでは街を走るのに適しているクロスバイクが在庫切れになったとか。マスクの次は自転車が品不足になっているようだ。水族館のイワシの大群よろしくワッと寄りつき同じ方向に流れる現象は日常につむじを作る。事故だ。
自転車は道路交通法で「軽車両」に区分され、キープレフトであることを知らない人が多い。ツーリングで「危ないから歩道を走って!」と親切に車の窓から注意してくれたオヤジさんがいたっけ。
左側通行は後ろから来る車が見えず不安なものだ。特にトラックのガーッという爆音が近づいてくると恐怖だ。細い道などでは知らず知らずか、右側を走っている自転車も多い。
右側を走れば確かに向かいから来る車は見えるが逆にそちらに気を取られて四つ角では右から来る車等が目に入らず接触事故が起きやすい。自転車事故の4割は“出会い頭”の衝突と言われている。
右側通行の台湾では自転車、オートバイがイワシの大群のように流れていた。つむじというより渦。巻き込まれるようで最初は恐ろしかったが数日走っていると流れが気持ちの良い日常になった。
コロナ禍で自転車が通勤ばかりでなく旅にも採り入れられて日本の自転車文化が育つ切っ掛けになればいいなと思う。つむじによるケアレス事故も随分減るだろう。