RWC2019でJAPANはランク2位のアイルランドを破り、決勝リーグ進出が現実味を帯びてきた。世界とは横綱と十両ほどの差のあった時代に、北海道の田舎大学で楕円球を追ってていたオールドラガーには信じられないことだ。
まだワールドカップが行われていない1971年に今日の日本ラグビー躍進の原点ともいうべき試合が大阪・花園ラグビー場であった。
イングランドとのテストマッチだ。白いジャージーに真っ赤な薔薇の花が印象的だった。片やJAPANは赤白に桜。どちらも誇らしげだった。
練習を終え、午後8時頃だっただろうか、部員が寮のテレビ室に集まった。入部3年目の9月28日、全国地区対抗大学ラグビーの北海道代表予選会を控えた時期だった。
早稲田の監督でもあった大西鉄之輔氏(写真中央右)が小柄な日本人が屈強な大男と戦うために編み出した戦略は「接近」「展開」「連続」だった。
(つづく)