季節はずれのインテルメッツォ(続)

音楽、文学、絵画、スポーツ、シェパード等々についての雑記帖。

時間厳守

2014年06月19日 | その他
You TubeでDa Capoというドイツの番組を見つけて楽しんでいる。

エヴァディングという当時の有名オペラ演出家が往年の名歌手にインタヴューする番組で、ずいぶん長い間続いたようである。

名歌手と言ったけれど、僕が実際に聴いて、ヘボだと思った歌手もいないわけではない。激しいブーイングを受けた歌手もいる。ちょっと可笑しいな。

ともかく約1時間、コマーシャル無しのトーク番組である。残念ながら全てドイツ語だが、話す表情や声色を音楽だと思って見てみることをお勧めする。実に楽しい。

ところで僕が急に書いておきたくなったのは、歌手とは何の関係もないことだった。番組とも関係があるのか無いのか。

ふと気づくと収録時間が歌手によってまちまちなのである。長寿番組だったから、企画の変更はあっただろう。最後の数年は10分くらい短くなったように見える。

でもある歌手と他の歌手で10分くらいの差異はいくらでもある。そう言えば住んでいた頃の他のテレビ番組を思い出してもそうだった。

日本の番組は秒単位までキッチリしている。ニュースや、討論番組でも尻切れトンボになったり、司会者が無理矢理に話を締めるのが当たり前になっている。

こんな正確さは不要ではないかと感じる人は沢山いるだろう。

日本の新幹線が秒単位で正確に運行されているのは世界的に有名だが、テレビ番組などはある程度の緩さがあっても構わないのではなかろうか。

スポーツ中継はさすがに延長する。同様にせめて討論番組くらいはある程度ゆとりを持ったらどうかと思う。

ではヨーロッパは何でも時間にルーズなのかといえば違う。

1度約束の数分前にハンゼンの所に着いたことがあった。呼び鈴を鳴らしたら顔を出したハンゼンは「今は私の時間だ、ピッタリに来てくれ」という。外で数分時間をつぶしたことだった。

今のヨーロッパは知らないが、基本的には変わらないだろう。

Da Capoの番組一覧を見ながらゆったりした時間の流れを懐かしく思った。