季節はずれのインテルメッツォ(続)

音楽、文学、絵画、スポーツ、シェパード等々についての雑記帖。

雑感

2013年10月16日 | その他
先達て病院の待合室でぼんやりしていた。

と背後で「あなた」と呼びかける声がした。振り返って立ち止まった年配の男の細君だったのだろう。
優しい声であった。声の主を確かめる無遠慮をしなかったが僕は心動かされた。

こういった呼びかけ自体が目立って少なくなったと思われるのに加えて、その声の調子は古風で、まるで昔の日本の小説を読む心地がした。細君と書く以外ない、そんな調子。

何の変哲もない、僕の生活点描である。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (伊藤治雄)
2013-10-18 10:01:23
「細君」とは懐かしい言葉だ。そこはかとなく昭和初期の世界が立ち上がる。
でも私がその場にいたら、そして重松君のように心を動かされたら、無遠慮でもはしたなくても頓着kせずに、振り返って声の主を確かめたでしょう。流石にじろじろ観察したりはしませんけれど。
ともかく現実の人の姿を知りたい。私は好奇心が強いのでしょうね。
返信する
Unknown (重松)
2013-10-18 21:54:51
伊藤君

コメントを有難う。

僕も好奇心は強いですがね(笑)
見ない方が良いかもしれぬし。
「私は見た。しかし信じない」といったゲーテみたような人もいる。

河上徹太郎も「君の行ったパリ、ありゃセットだ、偽物だ、と言うやつがいたら俺はその言葉を信じるね。俺の中にあるパリを俺は信じる」と言った。

ゲーテとは違う意味だが。

こうしてみると現実とは何か?となかなか面白いと思うね。
返信する

コメントを投稿