以前、地元紙に投稿掲載された文を載せました📝
「支え合う社会と 「桜葬」を考える」
待ちに待った桜前線が本州最北端に到達した。青森市・合浦公園のソメイヨシノは例年より10日、昨年より9日も早く開花宣言が出された。「散る桜 残る桜も 散る桜」(良寛)。桜は無常を象徴する花で花王と呼ばれるほど人々に愛されている。桜吹雪の中を歩いていると幻想世界にいるように感じる。私も西行の歌「願わくは花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月のころ」のように旅立っていきたいと思っている。
◇「死が多様であれば葬式も多様なはず。現在の『家族葬ブーム』にしろ、業者が仕掛けたものではなく、遺族の欲求が先行したものである。葬式の個性化はますます進むであろう」(「SOGI」碑文谷創編集長)。当然、お墓の在り方も変わってくるであろう。墓石の代わりに桜を墓標とする「桜葬」は「樹木葬」を拡大したものであると思われる。「樹木葬」が「個人墓」なら「桜葬」は「合祀墓」。進む少子高齢化社会で孤立化する人間同士が、ネットワークで支え合う社会づくりが急務であると痛感している。
◇行政は環境を整備し、そういうネットワーク団体やNPOなどをマッチングしたりコーディネイトしたりする役目を担っていくべきである。もちろん第三者によるチェック機関も必要になるであろう。人と人とが支え合う社会が、かつて日本人が当たり前のように持っていた「公共心」ではなかろうか。その心が「美しい日本」を創ってきた。あと何回桜の花を眺めることができるのか…。
年々歳々花相似たり
歳々年々人同じからず
(青森市・船橋素幸)
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