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コロナ禍が始まってはや一年以上が経過し、世の中のオンライン化が凄まじい速度で進んでいます。非医療系の友人達も、リモートワークを導入して良かった点(満員電車通勤から解放された、上だけスーツで下がジャージでも働ける)と悪かった点(家族が気になって集中できない、ついお酒を飲みながら働いてしまう)を色々と教えてくれます。
残念ながら、私のような病院勤めの医療職がリモートワークに移行できる日はまだまだ先のことになりそうです(在宅での遠隔診療システムは近い未来に実装されるかもしれません)。私の生活の範疇でオンライン化が進んだものといえば、「講習会」と「学会」です。
<NST医師・歯科医師教育セミナー>
6月5-6日に、日本臨床栄養代謝学会・日本外科代謝栄養学会共催の教育事業「NST医師・歯科医師教育セミナー」がオンラインで開催されました。近年、リハビリテーションにおける栄養の重要性が注目を集めており、「リハ栄養」という概念が多くのエビデンスを伴って確実に広まりつつあります。
私も栄養サポートチーム(Nutrition Support Team; NST)に参画し、栄養管理を通じてリハビリテーションの効果をより高められるようにするために、今回のセミナーに参加しました。栄養学の基礎から実臨床へ即座に応用可能なテクニックまで、幅広い知識を自宅にいながら習得でき、オンライン化の恩恵を感じることができました。しかし、出席確認方法として、確認テストだけでなく、常時インカメラをオンにして監視を受けたり、講義中不定期に出現する数字を入力したり(メモを取るために短時間下を向いただけで見逃してしまう…)、といったオンラインならではの不便さもありました。
<第58回日本リハビリテーション医学会学術集会>
6月10-13日に第58回日本リハビリテーション医学会学術集会が現地(京都)とオンラインのハイブリッドで開催されました。現地に行かずとも高名な先生方の講演を聴くことができるのも大きな利点ではあるのですが、同僚とタブレットを囲んで講演を聴きながらオンタイムでディスカッションを出来るのがとても魅力的でした。
今回特に印象に残ったのが、芳賀 信彦先生(東京大学大学院医学系研究科リハビリテーション医学)の「小児の希少難病診療を通じて学ぶこと」という講演です。希少疾患に対して、僅かな先行文献の情報を基に歩行獲得を目指す経過は大変エキサイティングであり、「正常に近づけることだけが正解ではない」、「残された機能を最大限活用する方法を模索する」など、リハビリテーションの真髄が伝わってくる症例報告でした(文献はこちらhttps://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19593216/)。
当院の性質上、希少難病患者さんのリハビリテーションを担うことも多いため、私も見習わなければならないと背筋が伸びる思いです。
<地域医療勉強会>
当科主催で地域の医療従事者を招いて実施していた地域医療勉強会も、コロナ禍で開催できない状況が続いています。最近、嚥下評価目的で当院に入院される方が増えてきており、「地域における嚥下障害」をテーマにウェブセミナーを開催したいと考えています。
東埼玉病院リハビリテーション科ホームページは
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