東埼玉病院 リハビリテーション科ブログ

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心臓リハビリテーション指導士の回復期での考え方

2020年11月24日 | 紹介

みなさんこんにちは

つい先日まで暑かったのに、すっかり冬に近づいているような気がします。日の出も遅くなり私が朝起きる時間はまだ外も真っ暗になってきました。



今日は少しだけ循環器分野についてお話しできればと思います。

国立病院機構では人事異動制度がある為、当科には様々な臨床経験をしてきたセラピストが在籍しています。

私は3月まで同機構の東京医療センターという3次救急病院で主に循環器や心臓外科分野を専門に臨床を行ってまいりました。

そして心臓リハビリテーション指導士(以下、心リハ指導士)の資格を取得し医師や看護師、臨床工学技士や薬剤師・栄養士と一緒にチームとなって入院・外来患者さんのリハビリを行ってきました。


皆様心臓リハビリテーションという分野をご存知でしょうか。


心臓リハビリテーションとは


心臓病の患者さんに対し運動療法・生活指導・カウンセリング等を行い、体力を回復させ社会生活に復帰させるとともに再発・再入院を防止することを目指して行う総合的活動プログラムの事です。

対象は心不全、狭心症や心筋梗塞などの心血管疾患、心臓手術後、末梢動脈閉塞性疾患などです。


当院の患者さんにも既往に心疾患のある方、心臓手術後の方もいらっしゃいますし、近年の高齢化に伴い今後も増加する事が予想されます。


入院すると、治療を終えリハビリテーション(以下、リハビリ)を行って「退院」する事が目標になりがちです。

回復期リハビリ病棟での患者さんも退院が近づくとつらいリハビリ期間がようやく終わる開放感でとてもいい表情をされています。

しかし、一番大切な事は退院することではなく、退院後に脳血管疾患の再発や心疾患の増悪をしないことです。

発症すぐは今までの生活習慣に後悔しても、入院期間が長くなってくると危機意識が薄れていきます。

せっかく頑張って退院したのに、すぐに再発や増悪しては元も子もありません。

その為には今回の病気の原因となった生活習慣の是正、特に食生活の見直しを含めた栄養指導や運動指導がとても大切になってきます。(リハビリを頑張ったご褒美も少しくらい良いですけどね(笑))


回復期病棟に入院される方は脳血管疾患の方が多いですが、脳血管疾患も心疾患も予防しないといけないことは同じです。


心リハ指導士として日々の臨床中のリスク管理だけでなく、「再発予防」という意識についてもスタッフと知識の共有を行っていけたらなと思います。


写真は当院で使用している心電図モニターと、手元で心電図を見られる携帯型受信機(パームビュー;日本光電工業株式会社)です。






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