東埼玉病院 リハビリテーション科ブログ

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第3回日本リハビリテーション医学会

2020年03月10日 | 活動報告
少し遅れましたが第3回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会の報告をさせていただきます。

2019年11月15~17日 第3回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会が静岡市で行われました。当院のリハビリテーション科からは、口述とポスターのセッションでそれぞれ1名ずつ発表を行ってきました。



演題名
 口述「神経・筋疾患コミュニケーション状況スケールの開発~パイロットスタディ~」
ポスター「亜急性期脳卒中患者における視覚誘導性自己運動錯覚の即時効果について」

ここで、視覚誘導性自己運動錯覚(kinesthetic illusion induced by visual stimulation:KINVIS)についての紹介を少しだけ行います。
KiNVis®とは、インターリハの製品で今回リハ医学会でも展示されていたリハビリ最新機器です。当院は、BoxタイプのKiNVis®を使用しています。
ディスプレイ画面が2つあり、ディスプレイ画面の下にカメラがついています。ディスプレイの下に手を入れて、動かしている映像を録画し再生することができます。
 脳卒中患者を対象に使用します。健側上肢の動作映像を録画し反転させて麻痺側のディスプレイに再生させます。ディスプレイの下に麻痺手を置き、ディスプレイに映しだされた健側の映像を見ることであたかも麻痺手が動いているかのような錯覚を感じるというものです。
 適応とならないのは、重度の注意障害がある場合や閉鎖的な空間で行うため閉所恐怖症がある場合です。先行研究では、麻痺の改善だけではなく、注意障害の改善や疼痛緩和にも効果があるとの報告もされています。

特別講演で、里宇明元先生の講演を聞いてきました。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーの運動パターン(代償動作)や側彎変形のタイプ、座位保持のアプローチ方法などとても興味深い内容でした。最後のスライドで「診療を通して学んだこと」として、11個あげていました。『五感を研ぎ澄ませ、全身をよく診る』『生活をイメージして診療に当たる』『はじめから限界を設けない』などどれも先生の優しさを感じさせる言葉ばかりで感銘を受けました。

講演後には、当院で最初のOTとして尽力された先生に偶然にも会うことができました。
素敵な写真を載せておきます。(OT G28)





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