当院の回復期病棟には、「片麻痺」、「失語」、「立てない」など様々な機能障害を抱えた
患者様がいます。
そのような病棟で、「いま、できること」をコンセプトにしたクリスマス会を行いました。
当日は、看護師さんによる歌とハンドベル演奏、リハビリスタッフによるオーナメント装飾を行いました。
オーナメントは、以下の写真にあるようなもので、ツリーに装飾するものです。
患者様には、「いま、できる手の動き」としてできる範囲で「ちぎる」、「はる」、「ぬる」
などの作業をクリスマス会前にしていただき、制作したものをツリーに飾りました。
(患者様作成のオーナメント)
クリスマス会では、1人1人の患者様が以下の写真のようなテトラパックを模造紙上の
クリスマスツリーに掲示し、ツリーを彩りました。
今回の企画の肝は、「お世話になった方へ感謝のメッセージを伝える」というテーマで予め
4パターンのメッセージカードを用意し、伝える方を患者様に選んでいただくことでした。
この「伝える方を選ぶ」という作業には、入院中、時には孤独な気持ちも抱く患者様に、
「親しい方を想起し、語る」という意図もありました。
ツリーに掲示する際は、「①メッセージカード選びテトラパックに入れる→②メッセージを
伝える方の名前を書く→③テトラパックをツリーに掲示する」という手順で行いました。
①の作業は、メッセージもあったことから、失語の方でも選ぶことができました。
②の作業では、片麻痺の方でも自身で宛名を書くことができました。
③の作業では「立てない方はツリーの低い位置に掲示する」、「立てる方はツリーの高い位置に
掲示する」という形式で行いました。
これにより、ほぼ全員の方が掲示することができました。
(メッセージカードを入れるテトラパック)
このように1人1人の患者様に「いま、できること」を行っていただいたことで、患者様より
「クリスマス会に参加した気分になれて楽しかったよ」という感想を聞くことができました。
入院する患者様には、予期せぬ突然の障害に戸惑う方もいます。そのような患者様にも、
「いま、できること」をその都度考え、QOLの向上に繋げてゆけるようなリハビリテーション
を行ってゆきたいと考えています。
【オーナメント装飾を企画・作成したOTのコメント】
12月のリハビリではクリスマスツリーに飾るオーナメントの作製を行いました。
丸い画用紙を用意し、好きな折り紙をちぎって貼ったり、組み合わせてサンタやトナカイ、
雪だるまを作ったりと工夫を凝らした素敵なオーナメントが完成しました。ツリーも賑やかに
なり、良いクリスマスを迎えられました。
皆さんご協力ありがとうございました。
メリークリスマス!
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