大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺した問題で、外部有識者による市の第三者調査委員会の第6回会合が14日、市役所で開かれ、男子生徒をいじめていたとされる加害同級生3人への聞き取りを近く始める方針を固めた。またほかの生徒については今月中にも始めることを決めた。
男子生徒のいじめの実態を探るうえで、加害同級生3人の調査が不可欠と判断した。男子生徒の遺族が、市や加害同級生3人などに損害賠償を求めた訴訟では、同級生側は一貫して「いじめではなく、遊びだった」と主張している。
加害同級生への聞き取りはまず調査への協力を呼びかける手紙を自宅に送付、心理的負担を軽減する。
加害同級生以外への生徒聞き取りは今月中旬にも始める予定だったが、会合終了後に記者会見した委員長の横山巌弁護士は、日程調整の難航で開始が遅れていることを認めたうえで、「寄り添って、悩みなどを聞きながら進めたい。警察の捜査とは違うというメッセージを伝えている」と述べた。
大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒が自殺した問題で、いじめの実態などを調べる市の第三者調査委員会の聞き取り調査に、数人の教師が、自殺前にいじめがあった可能性があると認識していたと話していることが分かった。14日に市役所であった第6回会合の後、委員6人の中の1人が明かした。
委員は毎日新聞の取材に「数人は(いじめと)みていたようだ。いじめだと早くから推測していた先生もいる。(これとは別に)けんかと混同されている先生もいる」と話した。第三者委は、体調不良で休んでいる当時の担任や校長を除く教師16人から聞き取ったという。
教師の認識を巡っては、今年9月、自殺当日に教師が「いじめ」に触れた校長宛ての報告メモがあることが判明。校長の聞き取りにも教師3人が「(自殺前に)いじめの疑いを持つべきだと判断していた」と答えたとされる。第三者委の調査に複数の教師が認めたことで、これまで学校側が「(生前に)男子生徒へのいじめを認識した教諭はいなかった」としてきた説明が覆る可能性が強まった。
記者会見した委員長の横山巌弁護士は「(教師のいじめ認識は)非常に重要な点で、慎重に判断しないといけない」と述べ、聞き取り結果は最終報告で明らかにするとした。