旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

グルメな私

2004年01月24日 | 旅行一般
 最近、ある人物と話をしていて、”永持さんは口が肥えてるからなぁ”と言われてちょっと驚いたのでありました。どうやら過去に、一緒にヤキニクでも食べに行きましょうという話をしていて、”安物の肉を食べるくらいなら行かないよ”と発言したのが誤解の元となっている模様です。
 実は私はあまり外食が好きではありません。その理由は単純。怠惰な私にとって食事のためだけに外出するのが”面倒"なのです。しかも、わざわざ出向いて行って、家でも食べられるような食事をする事や、ちょっと安くて美味いからといっていい気になってるお店の人間に”ここは食べるところで、話するところじゃない”などとご無体な論理で食べ終わったら早々に追い出されるようなことを想像すると家でカップラーメン食べてゴロゴロしていたいというだけのことだったのですが。
 ところで食事をするというのはガソリンを入れたりするのとは違って、お店の雰囲気を楽しんだり、一緒に食事する人との会話を楽しむ事も含まれていると思うのですが、皆さんいかが?”食ったらとっとと出て行ってくれ”的なお店の人は食事と餌の区別がついてないんじゃなでしょうか。
 話を元に戻しましょう。
 結局、このあたりを説明して誤解が解けたわけですが、その結果、”それじゃ、日曜日に上等な肉を買って、家でステーキでも食べるか"という話になりました。予算1万円で、1人あたり2,500円のステーキ肉はかなり上質で、久しぶりに牛肉のうまみを堪能した気分でした。
 この体験は一緒に食事をした人物にも衝撃を与えたらしく、”今まで外食していてこんなに上等な肉を食べたことなかったよ(けっこう小市民)。しかも、1回外食する予算でこれだけ贅沢できるんだ。今度からこれで行きましょ。””こういう生活方法だからやっぱり口が肥えているんだね”などという話になりました。・・・私は別に口は肥えていませんが。それにそんなに頻繁に贅沢できませんが。
 突然、最近の出来事報告になってしまいましたが、じつはこの中に旅行についてもヒントになる事が含まれていると感じたのであえて取り上げてみたのです。
 旅行商品は世の中に溢れ帰り、その殆どのベクトルが”安い”商品へ向かっている現状、やたらと安い旅行をするのが賢い旅行者のように扱われますが、本当にそうでしょうか。例えば、グアムのツアーで宿泊先が山の中のホテルなんていう設定であったら、私的な考え方としては”そんなことまでしてグアムに行くくらいなら家でゴロゴロしていたい”のです。または、台湾など、他の行き先を考えます。
 私自身は”格安旅行”を販売する会社で働いていた経験を有しており、そこで企画を担当して広告原稿を書いていた事がありますが、広告する商品というのは自分たちの常識から考えても”ちょっとなぁ”という商品であった事が多いです。ただ、とにかく広告では安い商品を提示して、お客様の問合せを受けてからその人の希望を聞いて、より、それに合う商品に調整していくのが予約受付スタッフの仕事のうちだと考えてもいました。
 ところが、主催会社からの”売れ筋商品情報”などを見ていると、その客寄せ用の”ちょっとなぁ”商品が売れ筋に挙げられていて、ホントにこれでいいのかなと感じたわけです。もしかすると、相談を受け付ける側(つまり我々ですが)がちゃんとした説明をできていなくて、"客寄せ商品"をそのまま売っているのかもしれませんし、お客様の側に”とにかく安くなければ”という強迫観念があるのかもしれませんね。
 このような現状をみて、ふと最初の話を思い出したわけなのです。
 安い旅行といっても何がしかのお金はかかるわけですから、より満足できる商品を選んだ方がよいのではないでしょうか。そのためには自動販売機で購入するように旅行を申し込むのではなく、旅行会社の人間に自分の要望を伝えていただく事も重要かなと思います。それに答えられる旅行会社、答えられない旅行会社というのも旅行会社選びの重要なポイントではないでしょうか。
 正月実家に帰った私は、子供たちとテレビを見ていました。テレビでは動物の進化に関する番組か何かをやっていて、コモドドラゴンが画面を左から右へ走りぬけていきます。
 そのとき、私の幼い娘が”お父さん、あれ食べたことある?”
 私”あれは食べたことないけど、木に登る奴だったら食べたことあるよ。”
 ・・・そういう意味では私はかなりグルメかもしれませんね。

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