旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

サワッディーかハローか、それが問題だ。

2016年06月09日 | 旅行一般
 旅を楽しもうと思ったらやっぱり言葉の問題に行き当たります。”英語なんてできなくてもなんとかなる”と言っていた旅行者も多くの場合、経験を積むに従って英語ができないばかりにいかに自分が損をしていたかとか、旅の楽しみの随分大きな部分を失っていたという事に気がつき始めるものです。

 ところが実際には英語圏以外の国も沢山あります。現地の人達が基本的に英語が苦手な日本のような国もたくさんあります。中南米の国々もそうですし、E&Gの最近の行動範囲の中ではタイはこれにあたります。

 旅行者が多く訪れる町の場合は、タイの人達は慣れているので言葉が通じなくても電卓を持ってきて値段を伝えようとしたり、身振り手振りでイロイロ工夫してコミュニケーションを取ろうとしてくれます。ところが旅行者があまり訪れない町の屋台なんかだと、どうしてもこちらは”ちょっと面倒な客”という事になります。

"スーパーカブで旅するタイ北部"の場合は移動中に立ち寄る小さな町での昼食は、例えば私の故郷、滋賀県で、地元の人しか立ち寄らない定食屋に突如英語しかできない外国人旅行者がやってきたようなものですから、相手も困惑するに違いありません。

 だから、こんな時は”ハロー”ではなくて、タイ語で”サワッディ カッ”とお店の人に声をかけると、とたんにお店の人の表情がホッとした感じに変わります。先ほどの日本の定食屋でいえば、外国人旅行者が入ってきて、”どうしたものかなぁ”と思っていたら、”コンニチハ”と言ってくれたようなもので、なんとなく”大丈夫”な感じがするのではないでしょうか。

 そういうわけで、英語圏でない国を旅する際には少なくとも挨拶位は覚えておくととても人と接しやすくなること間違いなしです。

 あなたは何か国語で”コンニチハ”が言えるでしょうか。

 さて、この現地の言葉での挨拶ですが、もう少しずる賢くなると、あえて”使わない”局面も存在します。

 昨年11月のスーパーカブで旅するタイ北部ではお客様に説明もしていたのですが、私の場合は軍や警察の検問所では基本的に”ハロー”です。出入国審査でも”ハロー”とか”グッドモーニング”です

 東南アジアの日差しの下で1週間もバイクで旅していると、皆さん日焼けをして、タイの人と見分けがつかなくなる人がほとんどです。検問の対象は基本的に地元の人達なので、”ハロー”で外国人であることをアピールして早めに検問を通過しようという作戦です。

でも、検問所でついでにトイレを借りる場合は”ホーンナーム ユーティーナイ カッ”。いきなりタイ語になります。

 旅行者をもてなす習慣の強い場所では外国人であることをアピールした方が物事がスムーズに進むこともありますし、外国人だけれども現地の言葉で挨拶くらいはしようとしている事を見せた方が親しみを覚えてくれる事もあります。相手にとって、自分をどこの位置に置くことを目指すかという観点は少し”ずる賢い”感じもしますが、実際には人と人とのコミュニケーショにおいて重要な事柄でもあると思うのです。

 金銭的な損得ではなくて、その場の雰囲気の中で自分に対してどういうイメージを相手に抱かせるかをうまく工夫すればコミュニケーションより良い方向へ向かうと実感するのです。

 考えてみれば普段の生活の中でのコミュニケーションだって、相手が自分をどう見るのかを考えながらコミュニケーションを取ればもっとうまくいくのかもしれませんね。


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