旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

客引きは情報源

2009年04月07日 | 旅行一般
特にアジアの国々では町から町へ移動してバスや列車から降りた途端に多くの客引きに取り囲まれることが多々あります。いや、列車やバスだけでなくその国に入って空港を一歩出た瞬間に数多くの客引きに取り囲まれて圧倒される事も多いのです。

この客引き達の中には悪質な人々も混じっているので注意する必要がありますが、同時に上手く付き合えばよい情報源となります。ガイドブックやインターネットでばっちり下調べをして、客引きは徹底して追い払うという方法で安全策を講じる事もできるかもしれませんが、どうにもそれは消極的なやり方ではないでしょうか。第一、ガイドブックやインターネットの情報が無い所へ向かうときは、情報固めの方法論は通用しません。

客引きと上手く付き合うためにはいくつかの注意が必要になるでしょう。こういったことはケースバイケースなので一概に”方法論”みたいなものは無いとは思いますが、自分を守るために守るべき事は”断れるだけの距離感を保つ”という事です。逆にそれさえできれば何時間客引きと話をしても自分に危険が及ぶことはほとんどありません。

”断れない距離感”になってしまうのは、乗り物に乗ってしまった場合や、店に入ってしまった場合なので、その手前で相手に対して疑いを持っているのであればそれをクリアにするか、あるいは断るかです。

言葉で書き続けるとイメージがわきにくいかもしれませんが、例えばあなたが長距離バスである町に到着したとします。バスを一歩出た瞬間にドッと安宿の客引きが群がってきます。

 客引き達は宿の写真や宿泊料金の情報を持って待っています。だから客引きの何人かと話をして予算や希望に合いそうな宿をその中に見つけます。

 ココまでは特に危険はありませんね。

 さて、客引きがただ単に宿の情報を教えてくれるだけで、後は自分宿までの足を確保するのであれば、客引き自体が悪質な人間である可能性はあまりありませんね。もっとも、ここで確保するタクシーなどに別口で騙される可能性はありますが。

 客引きが客を集めて宿に連れて行ってくれる場合は判断が微妙となります。まず、本当に自分の希望の条件を満たしているのかどうかをよく確認しておく事。それから、最終的に部屋を見てから決めればよいかどうかを確認しておく事が必要でしょう。それらの会話の中で、相手が信用できる人間かどうかが見えてくるかもしれません。たいていはできませんが。

 もう一つの安全確保のための留意点は、この客引きと一緒に宿へ向かう他の客の存在です。他にも何人もの人間が客引きに同行するのであれば、この話がひどい方向へ転び始めた場合に一緒に戦う仲間がそれだけいると考える事ができます。あるいは他の人が被害にあっている間に逃げてしまうという手もあります(冗談です)。

 客引きは単なるわずらわしい存在と考えるのではなく、一つの便利な情報源として捉えることができれば、到着したその場に情報が待っていてくれるという風にも考える事ができます。そして、バス停で群がってくる客引きのほとんどは悪質な存在ではない事を昔バス停で客引きをやっていた事がある私が証言しておきましょう。


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